今週のポイント
RBA(豪中銀)が17-18日に政策会合を開きます(会合の結果は18日に発表)。その結果が豪ドル/円や豪ドル/米ドル、豪ドル/NZドルの動向に影響を与える可能性があります。RBAの利下げ観測が後退する場合、豪ドルにとってプラスになりそうです。豪ドル/NZドルについては、20日発表のNZの1-3月期GDP(国内総生産)も材料になる可能性があります。
南アフリカでは14日に、ANC(アフリカ民族会議)とDA(民主同盟)が連立政権を組むことで合意しました。5月29日に実施された総選挙(下院。定数400議席)では、ANCが159議席、DAが87議席を獲得しており、連立政権は十分な過半数を獲得することになります。連立政権には、IFP(インカタ自由党)とPA(愛国同盟)も参加します。南アフリカの下院は14日に大統領選出の議員投票を実施し、現職のラマポーザ大統領の再任を決定しました。南アフリカ政治の先行き不透明感が後退したことは、南アフリカランドにとってはプラスになりそうです。
メキシコペソ/円は12日に一時8.185円へと下落し、23年12月15日以来およそ6カ月ぶりの安値をつけました。与党連合が憲法改正(司法制度改革など)を推進するとの懸念が引き続き、メキシコペソ/円に対する下押し圧力となりました。メキシコの新たな議会は9月から開会し、シェインバウム氏は10月に大統領に就任します。憲法改正に関するロペス・オブラドール大統領やシェインバウム次期大統領の発言には、引き続き注意が必要です。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.09000NZドル>
今週は、17-18日にRBA(豪中銀)の政策会合があり(会合の結果は18日に発表)、20日にはNZの1-3月期GDP(国内総生産)が発表されます。それらの結果に豪ドル/NZドルが反応しそうです。
RBAは前回5月の会合まで4会合連続で政策金利を4.35%に据え置きました。政策金利は今回も据え置かれると考えられます。
その通りの結果になれば、RBAの声明や会合後に行われるブロック総裁の会見が材料になりそうです。前回5月会合時の声明では、先行きの金融政策について「何も決定しておらず、何も排除していない」と改めて表明されました。ブロック総裁は会合後の会見で、「インフレリスクを警戒する必要がある」と述べ、5月の会合では利上げの選択肢も議論したことを明らかにしました。その一方で、「インフレ率を目標に戻すうえで、(現在の政策)金利は適切な水準だ」との認識を示し、「必ずしも再び引き締め(追加利上げ)が必要になるとは考えていない」と述べました。
市場では、RBAは11月か12月に利下げを行うとの観測があります。声明やブロック総裁の会見によって、市場のRBAの金融政策見通しが変化するかに注目です。
NZの1-3月期GDPの市場予想は前期比0.1%です(17日午前9時時点)。GDPが市場予想よりも弱い結果になれば、RBNZ(NZ中銀)の利下げ観測が強まる可能性があります。
RBAの利下げ観測が後退する一方で、RBNZの利下げ観測が強まる場合、豪ドル/NZドルは1.08434NZドル(5月30&31日高値)に向かって上昇しそうです。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.36000カナダドル~1.39000カナダドル>
米ドル/カナダドルは11日に1.37871カナダドルへと上昇し、4月19日以来およそ2カ月ぶりの高値をつけました。足もとの米ドル/カナダドル堅調の主な要因として、米FRBとBOC(カナダ中銀)の金融政策スタンスが挙げられます。FRBは11-12日のFOMCで政策金利を5.25~5.50%に据え置くとともに、利下げに慎重な姿勢を示しました。BOCは5日の政策会合で0.25%の利下げを実施し、マックレムBOC総裁は会合後の会見で追加利下げの可能性に言及しました。
FRBとBOCの金融政策面からみれば、米ドル/カナダドルには引き続き上昇圧力が加わりやすいと考えられます。小売売上高など米経済指標の結果を受けてFRBの利下げ観測が後退する場合、米ドル/カナダドルは1.38413カナダドル(4月16日高値)に向かって上昇する可能性があります。
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