22日の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比329円83銭安の3万8617円10銭と続落した。日本時間23日早朝のエヌビディア<NVDA>の決算発表を目前に手控えムードが広がるなか、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>、レーザーテック<6920.T>など半導体関連株が軒並み安となったほか、主力株全般に持ち高調整目的の売りが優勢となった。エヌビディアの決算発表後にアク抜け感が広がるのか、それとも失望感に包まれることになるのか、大きな分岐点に差し掛かるなか、市場参加者を神経質にさせたのが、アマゾン・ドット・コム<AMZN>によるエヌビディア製品の発注方針を巡る報道だ。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、アマゾンのクラウドサービス部門がエヌビディアの最先端半導体の発注を一時停止し、新モデルの発売を待つことにしたという。今後の売上高見通しにどのような影響が出るのか、懸念材料が一つ加わったこととなった。
そしてもう一つ、個人を中心に投資家心理を悪化させたのが、およそ2年ぶりの安値をつけた東証グロース市場250指数の存在である。今月に入り、経済産業省が新興市場の上場維持基準の厳格化に向けた提言をする方針だと一部で報じられ、指数への下押し圧力が強まることとなったが、この日の下げは長期金利の上昇によるところが大きいようだ。日銀による早期の利上げ観測を背景に、円債市場で長期金利は11年ぶりに一時1%台に乗せた。金利の上昇は、バリュエーション面での評価の高いグロース株には逆風となる。
3月期の決算発表が一巡した後の日本株の予想EPS(1株利益)は切り上がることがなく、日経平均株価のPER(株価収益率)は16倍台半ばと、割安感に乏しい。「ここから日本株が上値を試すには、米国の利下げ観測とエヌビディア決算のポジティブ・サプライズという二つのエンジンが必要」(国内証券アナリスト)との声もある。株価が上場来高値近辺で推移するエヌビディアの決算を巡っては、ただでさえ市場の期待値が高まった状態にあり、同社株の反応と、市場心理に及ぼす影響は未知数だ。
米国市場で投資家の不安心理を示すVIX指数は11台と極めて低い水準となっている。VIX指数が低水準にあるがゆえ、エヌビディア決算後の相場の変動性はさほど高まらないとみるのは早計だろう。市場参加者の相場観が固定化した状況で、リスクイベントの発生により先行き不透明感が強まった際、ボラティリティは一気に高まることとなりやすい。米国株の調整が深まれば、日本株は海外投資家の売りを浴びることとなりかねない。
一方、日本企業が株主還元姿勢を強化したこと自体は、当面は日本株を下支えする要因になるとみられている。小型グロースとともに大型株の手掛けにくさが意識される局面が到来したとしても、バリュー株の株主還元強化は、引き続き有望な投資テーマとなる可能性が高い。
例えば鉄鋼セクターでは、日本製鉄<5401.T>など大手3社の配当利回りは4%台に上る。一方、愛知製鋼<5482.T>と大同特殊鋼<5471.T>は3%を下回る水準で、PBR(株価純資産倍率)は1倍以下。東証による低PBR改革の潮流下で、大手の水準に追従する形での株主還元策における新たなアクションに期待したい。また、直近ではペロブスカイト太陽電池関連株がにぎわったが、「国策」という共通項でその効果に注目したいのが、6月より始まる定額減税だ。プチ贅沢的な消費の矛先となると期待される美容関連のビューティガレージ<3180.T>は下値を切り上げる動きとなっているほか、旅行予約サイトのアドベンチャー<6030.T>は自社株買い公表後、急ピッチに戻りを試している。
あすのスケジュールでは、国内では4月全国スーパー売上高が公表される予定。海外ではユーロ圏と米国で5月製造業PMIとサービス業PMIが発表されるほか、米国の4月新築住宅販売件数の発表も控える。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会合が25日までの日程でイタリアにおいて開かれる。
出所:MINKABU PRESS
そしてもう一つ、個人を中心に投資家心理を悪化させたのが、およそ2年ぶりの安値をつけた東証グロース市場250指数の存在である。今月に入り、経済産業省が新興市場の上場維持基準の厳格化に向けた提言をする方針だと一部で報じられ、指数への下押し圧力が強まることとなったが、この日の下げは長期金利の上昇によるところが大きいようだ。日銀による早期の利上げ観測を背景に、円債市場で長期金利は11年ぶりに一時1%台に乗せた。金利の上昇は、バリュエーション面での評価の高いグロース株には逆風となる。
3月期の決算発表が一巡した後の日本株の予想EPS(1株利益)は切り上がることがなく、日経平均株価のPER(株価収益率)は16倍台半ばと、割安感に乏しい。「ここから日本株が上値を試すには、米国の利下げ観測とエヌビディア決算のポジティブ・サプライズという二つのエンジンが必要」(国内証券アナリスト)との声もある。株価が上場来高値近辺で推移するエヌビディアの決算を巡っては、ただでさえ市場の期待値が高まった状態にあり、同社株の反応と、市場心理に及ぼす影響は未知数だ。
米国市場で投資家の不安心理を示すVIX指数は11台と極めて低い水準となっている。VIX指数が低水準にあるがゆえ、エヌビディア決算後の相場の変動性はさほど高まらないとみるのは早計だろう。市場参加者の相場観が固定化した状況で、リスクイベントの発生により先行き不透明感が強まった際、ボラティリティは一気に高まることとなりやすい。米国株の調整が深まれば、日本株は海外投資家の売りを浴びることとなりかねない。
一方、日本企業が株主還元姿勢を強化したこと自体は、当面は日本株を下支えする要因になるとみられている。小型グロースとともに大型株の手掛けにくさが意識される局面が到来したとしても、バリュー株の株主還元強化は、引き続き有望な投資テーマとなる可能性が高い。
例えば鉄鋼セクターでは、日本製鉄<5401.T>など大手3社の配当利回りは4%台に上る。一方、愛知製鋼<5482.T>と大同特殊鋼<5471.T>は3%を下回る水準で、PBR(株価純資産倍率)は1倍以下。東証による低PBR改革の潮流下で、大手の水準に追従する形での株主還元策における新たなアクションに期待したい。また、直近ではペロブスカイト太陽電池関連株がにぎわったが、「国策」という共通項でその効果に注目したいのが、6月より始まる定額減税だ。プチ贅沢的な消費の矛先となると期待される美容関連のビューティガレージ<3180.T>は下値を切り上げる動きとなっているほか、旅行予約サイトのアドベンチャー<6030.T>は自社株買い公表後、急ピッチに戻りを試している。
あすのスケジュールでは、国内では4月全国スーパー売上高が公表される予定。海外ではユーロ圏と米国で5月製造業PMIとサービス業PMIが発表されるほか、米国の4月新築住宅販売件数の発表も控える。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会合が25日までの日程でイタリアにおいて開かれる。
出所:MINKABU PRESS
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