【QAあり】ディーエムエス、配当性向30%への移行を直ちに実施 中計の業績を下方修正するも配当性向は60%が新たな目安

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最新投稿日時:2024/05/20 19:00 - 「【QAあり】ディーエムエス、配当性向30%への移行を直ちに実施 中計の業績を下方修正するも配当性向は60%が新たな目安」(ログミーファイナンス)

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【QAあり】ディーエムエス、配当性向30%への移行を直ちに実施 中計の業績を下方修正するも配当性向は60%が新たな目安

投稿:2024/05/20 19:00

本日の内容

山本克彦氏(以下、山本):株式会社ディーエムエス代表取締役社長 山本克彦です。本日は、はじめに担当より、2024年3月期の決算概要をお伝えし、そのあと、私から、2025年3月期の業績予想とこの度、修正をしました中期経営計画および資本政策についてご説明いたします。

決算ハイライト

村上遥香氏:2024年3月期の決算概要です。売上高は、前年比8.2パーセント減少の269億300万円、営業利益は、27.7パーセント減少の13億7,000万円となりました。期初の業績予想にも織り込んでおりましたが、前年度にありましたコロナ対策案件などの反動があらわれたかたちとなりました。

当期純利益は、投資不動産として保有しておりました土地の譲渡益を含めて、32.4パーセント増加の15億1,900万円となりました。

事業ごとの業績/①ダイレクトメール事業

事業セグメントごとの業績をご説明します。ダイレクトメール事業では、既存顧客の取引窓口拡大や新規受注を促進したことで成果があった一方、前年度の期初から第3四半期にあった大型案件の終了などが影響し、減収減益となりました。引続き、シェア拡大に向けた活動を強化してまいります。

事業ごとの業績/②物流事業

物流事業では、通販出荷および販促支援分野を中心に取扱量が拡大したことと、今後継続が見込まれる新規案件を受注したことによる成果がありました。一方で、川島ロジスティクスセンターの賃借料値上げなど業務経費が増加したことが利益面に影響しました。

2025年3月期は、スペース効率を改善し、固定費を抑えるとともに、今後も、物流事業の収益性改善につながる取扱量の拡大に向けて、新規案件の開発に注力してまいります。

事業ごとの業績/③セールスプロモーション事業

従来、顧客企業のバックオフィスやコンタクトセンター業務などを担ってきたセールスプロモーション事業では、第1四半期まで、コロナ対策関連の事務局案件が業績を押し上げた一方、第3四半期において、前年の同案件の反動が影響しました。

コロナ対策案件に業務リソースを充てるため、その他の案件開発を控える面がありましたが、今後は、これまで培ってきた業務設計提案力の強みを活かして、民間の顧客コンタクトセンター運営代行や公共分野における各種事務局案件の開発に力を入れてまいります。

事業ごとの業績/④イベント事業

イベント事業では、第1四半期までのコロナワクチン接種会場運営が、業績に寄与しましたが、その後、これらの案件の終了により、前年度に対する反動がありました。

一方で、人流回復により、集客を伴う販売促進やスポーツイベントの再開や拡大の需要が次の機会となっているため、従来からの顧客基盤を活かして、これらの案件獲得に注力しているところです。

成長に向けた取組み/①次世代事業の創出

続いて、成長に向けた取組みについて、成長戦略ごとにいくつかの事例をご紹介します。 まず、「次世代事業の創出」では、AIを活用して、顧客企業の課題を解決するデジタルサービスを開発しています。

具体的には、効果が最大になるダイレクトメールの送付先を選定するツールや、郵便法規に則った広告表現をAIがチェックし、アドバイスしてくれるツールの開発です。

従来のダイレクトメール事業では、発送代行を担う役務提供が事業の中心でしたが、デジタルサービスは、システム開発や、ソフトウェア製品の販売、クラウドシステムの課金など、新たなビジネスモデルを事業領域とする可能性を持っています。

成長に向けた取組み/②第2・3の事業の柱づくり

次に、「第2、第3の事業の柱づくり」では、それぞれ、物流事業とセールスプロモーション及びイベント事業の規模拡大に取組んでおります。

物流事業では、三菱UFJニコスとの代理店契約により、EC通販支援のワンストップ支援サービスを新たな顧客の流入経路として開発する他、セールスプロモーション事業では、社会貢献を兼ねて、茅ヶ崎市の子育て支援事業の受託事業者となり、企画制作から、利用促進策、運営事務局から物流まで、それぞれの事業を組合わせた「複合サービス」を提供するなど、差別化を図ることで、受注機会を拡大しています。

成長に向けた取組み/③主力事業の深化

「主力のダイレクトメール事業の深化」においては、顧客企業が保有するデータ・情報資産のマネタイズを支援しています。

従来、顧客企業が保有するお客様データは、自社の商品・サービスを販売するためのダイレクトメールに利用するものでしたが、同意をいただけたお客様に対して、他の広告主からお預かりした広告を発送するDM広告メディアとしての活用を促進しています。

現在、昨年9月から開始している「ZOZOTOWN DM広告」に続いて、データ協業先を拡大しており、新たなダイレクトメールの用途として期待をしているところです。

成長に向けた取組み/④ソリューション情報サイト

当社では、年初から、これらの取組みの訴求をはじめとした、当社のソリューション情報サイトを新設し、新たな見込み客の開発に向けて積極的に展開しています。

環境及び重点施策

山本:ここから、今後の取組みについて、お話しします。2025年3月期の当社を取り巻く環境では、コロナ特需の収束による反動や、郵便料金値上げによるDM利用への影響が懸念される一方、EC市場の拡大や、物価対策・子育て支援などの公共ニーズ、人流回復による販促・イベントニーズが期待されるなど、厳しい環境と前向きな機会の両面が想定されます。

このような中、当社は、盤石な顧客基盤を活かした未受注分野の案件獲得、継続的な取引が期待できる各事業の新規顧客開発、成長戦略の推進による業績貢献の具体化を足元の重点施策として、取組んでまいります。

2025年3月期業績予想

こうした環境認識と取組みを前提として、当社では、2025年3月期第2四半期の業績予想を、売上高117億円、営業利益3億3,000万円、純利益2億4,000万円、同じく通期予想を、売上高262億円、営業利益9億5,000万円、純利益7億円、としております。

長期的な方向性/ありたい姿

最後に、この度、修正をしました中期経営計画について、ご説明します。当社は、次の30年も成長し続ける企業を目指し、主力事業であるダイレクトメールの枠組みを超えたデジタルとリアルの総合情報ソリューション企業であることをありたい姿として掲げ、企業価値・株主価値の向上を追求することとしています。

その布石として、2027年3月期を最終年度とする5年間の中期経営計画を策定し、現在、その3期目に入ったところです。

中期経営計画修正の背景/(1)前半の振返り

中期経営計画の初年度にあたる2023年3月期は、業務設計力と複合サービスの提供による付加価値を発揮し、売上・営業利益・経常利益の過去最高を更新しました。

また、過去5年の営業利益率においても、6パーセント前後の高水準を維持することができました。一方、当期は、すでにお伝えしましたように、コロナ対策案件の特需反動の影響があらわれています。

中期経営計画修正の背景/(2)足元の業況と今後の環境

その他、足元の業況と今後の事業環境を見たところ、主力のダイレクトメール事業は、安定的に推移する一方で、シェア拡大の成果はまだ限定的であります。また、今年10月に予定されている郵便料金の値上げの影響にも慎重な対応を要することになりそうです。

また、成長するEC市場を捉えた物流事業と、公共分野のニーズ開発や人流回復を機会とするセールスプロモーション、イベント事業の拡大に取組むものの、現状では期待する成果を出し切れていない状況です。

一方、直近では、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた議論を活発化させる中で、PBR改善に向けた一層の取組みを検討する時期であるとの認識に至っております。

中期経営計画修正の背景/(3)修正の方向性

このような中、中期経営計画の見直しでは、いったん、業績目標を下方修正したうえで引続き、現行の成長戦略による成果創出に取組むとともに、これまでの資本コストについての認識を改めて、さらに企業価値と株主価値の向上を目指す経営の実現に向けて取組むこととしました。

【修正】中期経営計画の内容/(1)業績目標

これにより、2027年3月期の売上高は280億円、同じく営業利益は13億円、当期純利益は9億円をそれぞれ目標としてまいります。

【修正】中期経営計画の内容/(2)成長戦略①事業戦略

成長戦略につきましては、引続き当初の戦略を積極的に展開すべく、デジタル分野で既存事業と相乗効果を発揮する「次世代事業の創出」と、物流・セールスプロモーション事業をダイレクトメールに次ぐ「第2・第3の事業の柱」とすること、さらに、「主力事業の深化」として、ダイレクトメール事業の新市場開拓と新サービス提供によるシェア拡大を進めていきたいと考えております。

また、これらの戦略展開において、その状況により、業務提携やM&A、デジタル分野の経営資源の獲得、設備投資、人材開発や育成を念頭においた成長投資を検討してまいります。

【修正】中期経営計画の内容/(2)成長戦略②基盤戦略

また、これらの取組みを支える基盤戦略として、「デジタル・トランスフォーメーションの推進」と、気候変動や、個人情報の保護と活用の両立、多様性の確保と人材の活用といった「サステナビリティへの取組み」、さらには、すべてのもととなる「健康経営の推進」に取組んでまいります。

【修正】中期経営計画の内容/(3)資本政策①現状及び目標

最後になりましたが、今後の資本政策について、ご説明します。まず、株主資本コストにつきましては、従来の想定を見直し、改めて8パーセントの水準として認識しております。

このことにより、従来は、おおよそ資本コストに見合う収益性を維持してきたと考えておりましたが、合わせて、先ほどもお話ししました、足元の業況と今後の事業環境を鑑みたとき、継続的なROE向上に一層の取組みが必要であると考えるに至りました。

具体的なROEの目標としては、2025年3月期において一旦4.2パーセントを見込むものの、中期経営計画の期間中に5.6パーセントまで回復させ、さらに長期的な目標としては、8パーセント以上を目指したいと考えております。

【修正】中期経営計画の内容/(3)資本政策②株主還元

このため、事業による収益性強化に努めることは勿論ですが、株主還元について、従来とは異なる水準で実施させていただくことで、資本コストと収益性のバランスを良化させてまいります。

具体的には、従来、2027年3月期末までに段階的に配当性向を30パーセントにするとしておりましたところを2024年3月期において直ちに実施した上で、中期経営計画の後半、2025年3月期から2027年3月期は、配当性向の目安を60パーセントといたします。

また、当期に引き続き、2025年月3期におきましても、上限5億2,500万円の自己株式取得を実施し、その後も前向きな取組みを検討してまいります。

以上で、株式会社ディーエムエス、2024年3月期の決算説明および修正中期経営計画のご説明を終了します。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

質疑応答:今後の成長見通しについて

Q:2024年3月期の実績と2025年3月期の業績予想が前期比マイナスです。中期経営計画の目標も修正しましたが、今後の成長についての見通しはどうなりますか?

A:2023年3月期から2024年3月期の第1四半期の間にセールスプロモーションとイベント事業において新型コロナウィルス対策の特需がありました。減収減益の要因の多くはこれらの反動です。

これに加えて、今後においては、主力のダイレクトメール事業について、企業の販売促進手段の多様化やこの秋に予定されている郵便料金の値上げがマイナス要因になることを折り込んでいます。

しかしながら、紙のダイレクトメールの広告効果は引続き有効であり、足元の引合いも活発です。物流事業は新規顧客開発のスピードを上げていく必要がありますが、引続きEC市場が拡大していることからも今後の成果を期待しています。

コロナ特需の反動を受けたセールスプロモーションとイベント事業でも、物価対策や子育て支援といった公共分野の事務局運営ニーズや人流回復によるイベント拡大の機会を捉えてまいります。

さらにデジタル技術を活用した新事業・サービスにも積極的に取組んでいきたいと考えています。この度の修正中期経営計画では業績目標を下げていますが、2025年3月期を新たなスタートラインとして再び業績拡大に向けて取組んでまいります。

質疑応答:利益還元の強化に至った背景について

Q:利益還元の強化に至った背景や経緯を教えてください。

A:昨年、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて利益還元を見直しましたが、その後、売買高は高まったものの株価自体は振るわずPBR1倍割れが続いています。

このところ当社のROEは平均8.5パーセント程度と低くない水準ではありましたが、今後の事業環境が厳しくなることと、株主資本コストの認識を高める見直しをしたことによって、一層ROE改善に取組む必要性が強くなっています。

そのためには事業活動による収益性を高めることはもちろんですが、一方でさらに利益還元を強化して資本効率を高めることが必要であるとの考えに至りました。

この度、新たな目安とした配当性向60パーセントは、現状の国内上場会社の中でも遜色のない水準でありつつ、財務の安定性と事業環境に応じた成長のための投資余力の確保と利益還元との適正バランスを保てるものと考えています。

配信元: ログミーファイナンス

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