[資源・新興国通貨11/20~24のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドルは1.09NZドル台への上昇も!?

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最新投稿日時:2023/11/20 14:40 - 「[資源・新興国通貨11/20~24のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドルは1.09NZドル台への上昇も!?」(八代和也)

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[資源・新興国通貨11/20~24のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドルは1.09NZドル台への上昇も!?

著者:八代和也
投稿:2023/11/20 14:40

今週のポイント

豪ドル/米ドルやNZドル/米ドル、米ドル/カナダドルは、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向に反応しやすい地合いになりそうです。米長期金利の低下が続けば、米ドルが全般的に軟調に推移して、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは上値を試し、一方で米ドル/カナダドルは下値を試す展開になると考えられます。

クロス円(豪ドル/円やNZドル/円、カナダドル/円など)は、米ドル/円の動向にも影響を受けます。米ドル/円が軟調に推移する場合、クロス円は伸び悩む可能性があります。

23日にTCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます。TCMBはエルカン総裁が就任した6月以降、5会合連続で利上げを行っており、現在の政策金利は35.00%です。トルコの10月CPI(消費者物価指数)は前年比61.36%と、上昇率は9月の61.53%から若干鈍化したものの、依然として高く、TCMBは23日の会合で政策金利をさらに引き上げると考えられます。

TCMB会合における注目点は、「利上げ幅」や「TCMBのタカ派的な姿勢が変化するか」になりそうです。10月の会合時の声明では、「金融引き締めは、インフレ見通しの大幅な改善が達成されるまで、タイムリーかつ段階的な方法で必要なだけさらに強化される」とされました。利上げ幅が市場予想の2.50%を下回る、あるいは声明でTCMBのタカ派的な姿勢が弱まったと市場が受け止めれば、利上げが行われたとしても、トルコリラは軟調に推移しそうです。

23日には、SARB(南アフリカ中銀)の政策会合も開かれます。SARBは7月と9月の2会合連続で政策金利を8.25%に据え置いており、市場では政策金利は今回も据え置かれるとの見方が大勢です。SARBの次の一手は利下げとなり、早ければ24年5月に利下げが行われるとの見方もあります。会合後に行われるクガニャゴSARB総裁の会見が利下げ観測を後退させるような内容になれば、南アフリカランドが堅調に推移する可能性があります。
***
BOM(メキシコ中銀)のロドリゲス総裁は13日に「今後の政策会合で利下げの議論を開始する可能性がある」と述べ、ヒース副総裁は17日に「24年2月か3月から、1~3回利下げする可能性がある」と語りました。

23日にメキシコの11月前半のCPI(消費者物価指数)が発表されます。CPIが市場予想の前年比4.35%を下回る結果になれば、BOMの利下げ観測が市場で高まるとともに、メキシコペソの上値を抑える要因になる可能性があります。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07700NZドル~1.09400NZドル>

先週発表された豪州の10月雇用統計や7-9月期賃金コスト指数は、市場予想よりも強めの結果でした。

雇用統計と賃金コスト指数の結果は、以下の通り。( )は市場予想です。
・失業率:3.7%(3.7%)
・労働参加率:67.0%(66.7%)
・雇用者数:前月比5.50万人増(2.00万人増)
・賃金コスト指数:前年比4.0%(3.9%)

失業率は市場予想通りだったものの、労働参加率が市場予想に反して9月の67.0%から上昇して過去最高となりました。これをみると、失業率はヘッドラインが示唆するよりも良好と言えそうです。

労働市場の堅調は豪ドルにとってプラス材料と考えられ、豪ドル/NZドルを下支えしそうです。

今週は21日にRBA(豪中銀)議事録(11/7会合分)が公表され、またブロックRBA総裁が討論会に参加します。市場ではRBAの利上げ観測もあります。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場が織り込む利上げの確率は、次回12月5日の会合では5%程度ですが、24年2月までで約2割、3月まで約3割へと上昇します(日本時間20日10:00時点)。議事録の内容やブロック総裁の発言が利上げ観測を高める内容になれば、豪ドルが堅調に推移して、豪ドル/NZドルは1.09351NZドル(11/2高値)に接近するかもしれません。

今週の注目通貨ペア(2): <米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35000カナダドル~1.38500カナダドル>

足もとの米ドル/カナダドルは、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向に反応しやすい地合いです。米長期金利は17日に一時およそ2カ月ぶりの低い水準をつけました。米長期金利の低下が続けば、米ドル/カナダドルは200日移動平均線(11/17時点で1.35075カナダドル)に向かって下落しそうです。

21日に発表されるカナダの10月CPI(消費者物価指数)も材料になる可能性があります。CPIの市場予想は前年比3.1%と、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)を上回るものの、上昇率は9月の3.8%から鈍化するとみられています。

市場では、BOCの次の一手は利下げになるとの見方が有力。市場の金融政策見通しを反映するOISによれば、市場が織り込む利下げの確率は、次回12月6日の会合で約1割、24年1月までで約2割、3月までで約3割です(日本時間20日10:30時点)。CPIが市場予想を下回る結果になれば、利下げ観測が高まるとともに、カナダドルが軟調に推移して、米ドル/カナダドルを下支えする可能性があります。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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