[資源・新興国通貨6/19~23のポイント&注目通貨] トルコ中銀が22日に会合、利上げへ!?

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最新投稿日時:2023/06/19 12:12 - 「[資源・新興国通貨6/19~23のポイント&注目通貨] トルコ中銀が22日に会合、利上げへ!?」(八代和也)

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[資源・新興国通貨6/19~23のポイント&注目通貨] トルコ中銀が22日に会合、利上げへ!?

著者:八代和也
投稿:2023/06/19 12:12

今週のポイント

日銀と他の主要中銀との金融政策の方向性の違いが市場で改めて意識されて、足もとで円安圧力が強まっています。先週(6/12- )、NZドル/円は約8年ぶり、豪ドル/円は約9カ月ぶり、カナダドル/円は約7カ月ぶりの高値をつけました。主要国の株価が堅調に推移するなかでリスクオン(リスク選好)の動きが強まっていることも、円の重石です。本邦当局による円安(米ドル/円の上昇)けん制に注意は必要なものの、豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円は一段と上昇する可能性があります。

BOM(メキシコ中銀)が22日に政策会合を開きます。前回5月の会合に続いて政策金利は11.25%に据え置かれると考えられ、注目点はBOMのフォワードガイダンス(将来の金融政策の方針についてあらかじめ示したもの)が変化するかどうかになりそうです。フォワードガイダンスが前回会合時の「政策金利は現在の水準に長期間維持する必要がある」から変化すれば、メキシコペソが反応しそうです。

***
トルコでは、9日にエルカン氏が新たにTCMB(トルコ中銀)総裁に就任しました。カブジュオール前総裁はエルドアン大統領の意向に沿う形で利下げを行ってきたこともあり、総裁の交代はTCMBの金融政策の転換を示唆するものと言えそうです。

エルドアン大統領は14日に低金利を志向する自身の姿勢に変わりはないとしつつも、「(シムシェキ)財務相が中銀とともに速やかな措置を講じることを受け入れた」と述べ、TCMBの利上げを認めることを示唆しました。

TCMBは22日の政策会合で利上げすると市場は予想しており、焦点はどの程度利上げするのか(利上げ幅)になっています。市場では大幅な利上げへの期待感が高まっている分、期待外れの場合の失望(トルコリラ売り)も大きくなる可能性があります。

今週の注目通貨ペア(1)<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09000NZドル~1.11000NZドル>

RBA(豪中銀)は6月6日の政策会合で0.25%の利上げを実施し、声明で追加利上げを示唆しました。一方、RBNZ(NZ中銀)は5月24日の政策会合で0.25%の利上げを行ったものの、これで利上げが打ち止めになる可能性を示しました(※)。

(※)RBNZは声明で「政策金利は当面制約的な水準にとどまる必要がある」と表明し、また金融政策報告では「政策金利は5.50%でピーク(5月の利上げ後の水準)」との見通しを示しました。

6月15日には、豪州の5月雇用統計とNZの1-3月期GDP(国内総生産)が発表され、対照的な結果でした。NZのGDPは前期比マイナス0.1%と、2四半期連続でマイナス成長となり、NZはテクニカル・リセッション(形式上の景気後退)に陥りました。一方で、豪州の雇用統計は失業率が3.6%、雇用者数が前月比7.59万人増と、市場予想(3.7%と1.50万人増)よりも良好な結果でした。

豪州とNZの金融政策面や経済指標の結果からみれば、豪ドル/NZドルは上昇しやすい状況と考えられます。RBA議事録(6/6会合分)が20日に公表されます。議事録でRBAの7月の利上げ観測が市場で高まる場合、豪ドル/NZドルは一段と上昇する可能性があります。

今週の注目通貨ペア(2): <カナダドル/円 予想レンジ:105.000円~110.000円>

カナダドル/円は6月16日に一時107.599円へと上昇し、22年11月以来およそ7カ月ぶりの高値をつけました。

足もとのカナダドル/円上昇の主な要因として、主要国の株価が堅調に推移していること(リスクオンの動き)や、日銀とBOC(カナダ中銀)の金融政策の方向性の違いがあげられます。日銀は15-16日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持を決定した一方、BOCはいったん停止した利上げを再開し7日の政策会合で0.25%の利上げを実施しました。市場では、BOCは次回7月12日の会合でも利上げするとの見方が優勢です。

本邦当局による円安けん制に注意は必要なものの、金融政策の方向性の違いに引き続き支えられて、カナダドル/円は上値を試す展開が想定されます。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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