上方の窓が株価を引っ張る可能性も
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 392.54 ドル安の 36407.11、ナスダック総合指数は 522.54 ポイント安の 15100.17 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28975 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は大幅安スタートを想定。再び下値を試すものと思われる。
米国株が下落したのは、12 月の FOMC の議事要旨で、早期の利上げと緩和縮小の必要性が示されたからだ。急速なインフレに対する警戒感が示唆されたことで、成長株への売りが加速。ナスダックは3%以上の下落となった。日経平均も米株安を受けて、300 円程度の下落からスタートすることになりそうだ。
日経平均の日足チャートでは昨日、上方の窓に一部、到達。「窓理論」では法則2の売りサインが出ており、ちょっとした達成感が漂っている。ただ、上方に窓を残していることから、これが株価を引っ張る可能性が残されている。短期的には 110 円程度の上昇余地があり、いずれこれを目指す流れになるだろう。
焦点となるのは、寄り付きで空けるであろう窓がどうなるかだ。もし、下方の窓(28904.84 円―28954.56 円)に到達することになれば、窓と株価の位置関係が逆転。一転して上昇しやすい需給へと変化する。寄り付きで空けた窓をすぐに埋めやすくなり、株価は乱高下することになりそうだ。そして投資家はチャートが強気形状を維持できるかに注目することになる。
日本株を取り巻く環境はそれほど悪くはない。米長期金利が年 1.7%台に上昇したことで、為替が円安に進みやすくなっているからだ。1ドル=116 円台での推移となっており、これは輸出関連株に買い安心感を与える。同時にメガバンクには利ザヤ拡大への期待から、押し目買いが入りやすい。朝方は売り先行が予想されるが、その後はしっかりとした値動きとなる公算が大きい。
そのようななか個人投資家にとって興味があるのが、東証マザーズ指数の動きだ。昨日は窓を空けて下落しており、弱気相場が鮮明になっている。「成長株売り・ディフェンシブ買い」が顕著になっており、個人投資家は自身のポートフォリオを再度、見直す局面となっている。期待先行型の成長株は売られやすいことから、「業績が安定している割安株」に資金シフトするように心がけたい。
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