■今後の見通し
3. 中期経営計画
キャリアリンク<6070>は毎年3ヶ年の中期経営計画を策定している。今回は新たに2024年3月期までの3ヶ年計画を発表しており、2024年3月期の業績目標値として、売上高で46,980百万円、営業利益で4,240百万円、経常利益で4,235百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で2,910百万円を掲げた。2021年2月期を起点とした3年間の年平均成長率は、売上高、営業利益、経常利益で15%台と年率2ケタ成長を目指していく方針だ。
事業別売上高で見ると、主力の事務系人材サービス事業についてはBPO関連事業部門を中心に年率13.4%成長と持続的な成長を見込んでいる。また、製造系人材サービス事業については、戦略エリア展開による業容拡大により、年率25.9%成長を、営業系人材サービス事業については、既存2案件以外の新規案件を獲得していくことで年率33.8%成長を目指す。利益面では、受注力・運用力・品質管理などのレベル向上のために必要な人的リソースやITシステムなどへの投資を継続すると同時に、業務効率向上に向けたRPAやAIの活用、各種書類の電子化促進などDX化に向けた取り組みも推進していくことで、2024年3月期に営業利益率9.0%と2021年2月期並みの水準を目標としている。
事業規模拡大に向けた投資のうち、人材投資については引き続き受注案件の多様化に対応するための中核人材の採用に注力していくほか、次世代中核人材の育成を推進していく。ITシステム整備では、採用人材の育成を図るためのナレッジマネジメントツールの拡充や、スタッフ管理機能の強化に着手していく。そのほか、製造系人材サービス事業における新規エリアへの拠点展開、従業員・顧客・スタッフの安全性確保と新たな働き方に対応したインフラ投資等にも取り組んでいく予定にしている。
業績目標を達成するうえでポイントとなるのは、2021年2月期から急拡大した官公庁向けを中心としたBPO関連事業部門がコロナ禍収束後においても伸ばしていくことができるかにかかっている。同社では官公庁向けBPO市場におけるシェアはまだ高くなく、シェア拡大による成長余地は大きいと見ている。また、短期スポット案件での運用能力が高く評価され、窓口業務や基幹業務など長期案件を直接受託するケースも増えてくると思われる。また、BPO事業者やSIerなど新規のビジネスパートナーについても2021年2月期から増加しており、これらのビジネスパートナーを経由した受注拡大も見込まれ、短期案件と長期案件をバランスよく受注していくことで持続的な成長を目指していく戦略だ。主要テーマとしては、官公庁スポット業務のほかマイナンバー関連業務、自治体や民間企業の基幹業務、金融分野などを挙げている。
また、製造系人材サービス事業は、「コンプライアンスを重視した外国人労働者に対しての遵法経営」が顧客からも高く評価されており、そのナレッジの積み重ねと習熟を図りながら営業エリアを拡大し、売上成長を目指す戦略となっている。製造系派遣市場のなかで同社のシェアはまだ低く、既存顧客の他拠点へ横展開していくだけでも成長余地は大きいと見られる。また、営業系人材サービスは事業を開始して3年が経過し、広域にわたる新規商材獲得といった営業活動に関するナレッジマネジメントの蓄積が進んでおり、既存顧客からの継続受注だけでなく、新規顧客からの引き合いも増えてきている。このため、今後も「新規商材×広域」をキーワードとした新規業務を受注していくことで高成長を目指していく。
なお、同社では中期ビジョンの業績目標として売上高500億円、営業利益50億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円を掲げている。弊社では、BPO市場だけでなく、製造系・営業系人材サービス市場においてもシェアの拡大余地が大きいことから、前述した成長戦略が奏功すれば目標達成は十分可能と見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 中期経営計画
キャリアリンク<6070>は毎年3ヶ年の中期経営計画を策定している。今回は新たに2024年3月期までの3ヶ年計画を発表しており、2024年3月期の業績目標値として、売上高で46,980百万円、営業利益で4,240百万円、経常利益で4,235百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で2,910百万円を掲げた。2021年2月期を起点とした3年間の年平均成長率は、売上高、営業利益、経常利益で15%台と年率2ケタ成長を目指していく方針だ。
事業別売上高で見ると、主力の事務系人材サービス事業についてはBPO関連事業部門を中心に年率13.4%成長と持続的な成長を見込んでいる。また、製造系人材サービス事業については、戦略エリア展開による業容拡大により、年率25.9%成長を、営業系人材サービス事業については、既存2案件以外の新規案件を獲得していくことで年率33.8%成長を目指す。利益面では、受注力・運用力・品質管理などのレベル向上のために必要な人的リソースやITシステムなどへの投資を継続すると同時に、業務効率向上に向けたRPAやAIの活用、各種書類の電子化促進などDX化に向けた取り組みも推進していくことで、2024年3月期に営業利益率9.0%と2021年2月期並みの水準を目標としている。
事業規模拡大に向けた投資のうち、人材投資については引き続き受注案件の多様化に対応するための中核人材の採用に注力していくほか、次世代中核人材の育成を推進していく。ITシステム整備では、採用人材の育成を図るためのナレッジマネジメントツールの拡充や、スタッフ管理機能の強化に着手していく。そのほか、製造系人材サービス事業における新規エリアへの拠点展開、従業員・顧客・スタッフの安全性確保と新たな働き方に対応したインフラ投資等にも取り組んでいく予定にしている。
業績目標を達成するうえでポイントとなるのは、2021年2月期から急拡大した官公庁向けを中心としたBPO関連事業部門がコロナ禍収束後においても伸ばしていくことができるかにかかっている。同社では官公庁向けBPO市場におけるシェアはまだ高くなく、シェア拡大による成長余地は大きいと見ている。また、短期スポット案件での運用能力が高く評価され、窓口業務や基幹業務など長期案件を直接受託するケースも増えてくると思われる。また、BPO事業者やSIerなど新規のビジネスパートナーについても2021年2月期から増加しており、これらのビジネスパートナーを経由した受注拡大も見込まれ、短期案件と長期案件をバランスよく受注していくことで持続的な成長を目指していく戦略だ。主要テーマとしては、官公庁スポット業務のほかマイナンバー関連業務、自治体や民間企業の基幹業務、金融分野などを挙げている。
また、製造系人材サービス事業は、「コンプライアンスを重視した外国人労働者に対しての遵法経営」が顧客からも高く評価されており、そのナレッジの積み重ねと習熟を図りながら営業エリアを拡大し、売上成長を目指す戦略となっている。製造系派遣市場のなかで同社のシェアはまだ低く、既存顧客の他拠点へ横展開していくだけでも成長余地は大きいと見られる。また、営業系人材サービスは事業を開始して3年が経過し、広域にわたる新規商材獲得といった営業活動に関するナレッジマネジメントの蓄積が進んでおり、既存顧客からの継続受注だけでなく、新規顧客からの引き合いも増えてきている。このため、今後も「新規商材×広域」をキーワードとした新規業務を受注していくことで高成長を目指していく。
なお、同社では中期ビジョンの業績目標として売上高500億円、営業利益50億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円を掲げている。弊社では、BPO市場だけでなく、製造系・営業系人材サービス市場においてもシェアの拡大余地が大きいことから、前述した成長戦略が奏功すれば目標達成は十分可能と見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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