今週は、3月彼岸底の1つの買いポイントで、12日(金)のメジャーSQ前に大きな下げあれば注目

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最新投稿日時:2021/03/08 19:14 - 「今週は、3月彼岸底の1つの買いポイントで、12日(金)のメジャーSQ前に大きな下げあれば注目」(みんかぶ株式コラム)

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今週は、3月彼岸底の1つの買いポイントで、12日(金)のメジャーSQ前に大きな下げあれば注目

著者:出島 昇
投稿:2021/03/08 19:14

先週は、週半ばまでに29500円半ばまで回復するも、米長期金利の再上昇で一時28308円まで急落

 先週の予測では、2月末の26日(金)に▲1202円の28966円の急落を受けて、3月相場はどうなるのかを考えました。すでに今年の1月後半から日米ともに上昇のスピードが早く、どこで止まるかのキッカケ待ちとしました。これまでにキッカケはあったのですが、弱気材料を無視しての上昇でしたので、市場関係者は「もうはまだなり」と強気のスタンスがほとんどでした。私は、ここからは「節分天井 彼岸底」つまり「2月天井 3月底」となる可能性を想定し、その理由は先週のコメントの中で書きました。

 問題は、個別銘柄をどこまで待って買えばいいのかとなりますが、基本的に今の金余り相場では、大きく下げても上昇相場が崩れるような下げとはならないので、日経平均の高値3万円水準から7~8%の下げで、いったん止まりそうなところで個別株を買い下がっていくのがよいとしました。ピンポイントを狙うのは、名人でも不可能ですので、日経平均の下げに応じて、そこまで下がれば成り行きで買う(いくらで買うか指値しておくなど)準備しておくのがよいとしました。

 日経平均がいったん止まるところは500円、1000円の大台近辺になりやすいので、ここからなら28500円、28000円、27500円と3段階のポイントとしました。そう考えれば、4日の▲628円の28930円で柴田罫線で1回目の売転換が出ており、金曜日は前場に▲621円の28308円まで下げましたので、28500円水準で買うとすれば1つ目は前場の終値か、後場の寄り付きで買うことになりました。決断を見逃せば、この日は後場一気に戻して▲65円の28864円で引けてしまいました。私は、もう少し下で止まって、12日(金)のメジャーSQに向かって、もう一段下げれば2回目の買いができると思っていました。後場に下げ幅を大きく縮小したのは、円安、時間外の米株先物の上昇、上海株、ハンセン株の上昇と、日銀のETFの買いでした。先週の最後のコメントで、今後も長期金利の動きには注意が必要としました。4日(木)の▲628円の28930円の下げは、米国3指標の2日連続の下げ、上海株、ハンセン株の下げを嫌気したものでしたが、5日(金)の前場の▲621円の28308円の下げは、前日の米国株3指標が長期金利の再上昇を受けて、3日連続の大幅下落となったためでした。先週の2日(火)は、前日の△697円の29663円を受けて、前場に29996円とほぼ3万円まで上昇しましたが、その後は米長期金利高から米株式が大きく反落したことで、日経平均は5日(金)に28308円まで下落しました。つまり、2日の高値から5日の安値まで4日間で約1688円下落したことになります。

 5日(金)の日本市場の引け後の米国市場は、時間外で米株先物が上昇していたことを受け、3指標とも大幅反発となりました。この背景は、2月雇用統計が予想を大きく上回る強い結果となったことで早期景気回復期待が高まったことによります。非農業部門雇用者数は前回は+4.9万人で、今回は市場予想の+18.2万人を大きく上回る+37.9万人となりました。さらに長期金利の低下も加わったことで、NYダウは△572ドルの31496ドル、ナスダックは△196Pの12920P、S%Pは△73Pの3841Pと3指標大幅反発でした、これを受けてシカゴの日経先物は△420円の29180円を反発して引けました。

今週は、3月彼岸底の1つの買いポイントで、12日(金)のメジャーSQ前に大きな下げあれば注目

 先週は、先々週に続き長期金利が上昇する基調を背景に日米ともに株価は荒い値動きになりました。金利上昇に一服感が出た場合は、買いが入って株価は反発しましたが、今週も同じような局面が続くと思われます。コロナ対策から米国景気の回復期待が高まれば、長期金利の押し上げ要因となって割高株であるハイテク株から債券に資金を移す動きが再び出れば株価は下落となります。

 日経平均は、2月末に▲1202円の急落のあと、これまでだと翌日に切り返していたものの、今回は、4日に再び▲628円と崩れ、一時28711円まで下げ、日足チャートの25日移動平均線(4日時点29292円)を割り込み、翌日の5日(金)は28308円まで下げて、終値は28864円と荒い動きとなりました。これまでと少し変わり、先週述べた3月彼岸底のアノマリーに当てはまる可能性もあります。

 長期金利の上昇の影響を受けているナスダックは、2月16日に史上最高値14175Pをつけたものの、その後、22日に25日移動平均線を割り込み、3月4日(木)には、▲274Pの12723Pで柴田罫線で三尊天井からの売転換となりました、一般的なチャートからも柴田罫線からも「調整入り」が漂うところとなっています。

 このところ2月節分天井から3月彼岸底の動きをみる限り、日米ともに値動きが荒くなってきており、今週の12日(金)にメジャーSQがあり、米国でもSQが19日に到来し、17日のFOMC、18~19日の日銀金融政策決定会合と重要イベントが続きます。お彼岸(3月17~23日)まで荒い相場が続く可能性がありますが、先週述べましたように4月新年度相場を期待すれば、3月の下旬までの間に調整安をつける可能性は高いと思われます。この流れの中で買った株が上昇すれば、5月のゴールデンウィーク前の4月末にいったん手仕舞うのがよいかのしれません。

 本日8日は、寄り付きは、米2月雇用統計の改善を背景に前週末の米国株式が大幅反発した流れを受け、前場すぐに29255円まで上昇しましたが買いは続かず、次第に軟化しました。また米長期金利上昇への警戒感とともに時間外取引の米ナスダック先物が値を下げ、上海株の下落なども重しとなり、後場にはマイナス転じ、その後も売りが継続し、終値は▲121円の28743円となりました。

(指標)日経平均

 先週の予測では、日経平均が調整入りするには、NYダウがさらに大きく下げる必要があるとし、2月4日の28325円を終値で切ると短期の調整入りになるとしました。そうなるには3月12日(金)のSQ日がポイントになるとしました。

 結果的に、日経平均は米長期金利の上昇によって、NYダウ、ナスダック、S&Pの3指標が3日連続の大幅安となり、これに連動して3月4日(木)に▲628円の28930円と柴田罫線で短期の売転換が出ました。翌日も前場に28308円まで下げて、注目とした2月4日の28325円をいったん切りましたが、ここから大きく戻し、終値では▲65円の28864円となりました。再度、28308円を終値で切ると、もう一段下があるかもしれません。3月12日(金)のメジャーSQに向かっては売り仕掛けが出てくる可能性もありますので、下げれば個別株も買いチャンスです。

 今週も引き続き、米長期金利の上昇に注目となります。まず、週始めは先週末の米国の2月雇用統計の予想を上回る結果を受け、株価は大幅反発となったことで、この上昇を日経平均は、織り込む動きからスタートすることになります。その後はメジャーSQを前に、こう着感を強め荒い動きとなる可能性があります。週後半は、米国の2月消費者物価指数が発表され、インフレ懸念からの長期金利の上昇が注目となっており、日米のメジャーSQと絡まって株価の下落は考えられるところです。3月5日に28308円まで下げており、次は28000円水準、27500円水準が下げた場合の下値ポイントとなります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、3万ドルでいったん上昇は止まり、長期金利の上昇を受けて、いったん調整が続くかもしれないとしました。

 結果的には、長期金利の上昇を受け、前週末の25日は▲559ドル、26日は▲469ドルと大幅下落のあと、先週の始めの3月1日(月)には△603ドルの31535ドルと反発してスタートとなりました。しかし、再び金利の上昇基調から2日~4日と3日続落し30547ドルまで下落しました。しかし、週末の5日(金)は2月雇用統計の予想を上回る強さを受け△572ドルの31496ドルと反発して引けました。高値圏でのもみあいとなっています。

 今週も引き続き、長期金利の上昇が注目となります。長期金利の上昇はハイテク株のコストに影響し、ハイテク株を売って債券への乗り換えが繰り返されると、さらなるハイテク株売りへとつながります。ナスダックのチャートは、三尊天井をつくっての売転換となっており、すでに22日に25日移動平均線を割り込んでおり、「調整入り」を示しています。ナスダックがさらに100日移動平均線を完全に下回れば、さらに下げが加速化し、そうなるとNYダウも一段安となってきます。1月29日の29856ドルを守れるかどうかに注目となります。
 

 

(指標)ドル/円

<先週は、長期金利上昇で一時108.64円>

 先週は、長期金利上昇の場面で、FRBのブレイナード理事が、債券利回りの急伸に言及したことで、一時、ドル買いは縮小しました。しかし、3月3日発表の地区連銀経済報告では、ほとんどの地区で経済活動が拡大しているにもかかわらず、パウエル議長がインタビューで金利上昇の抑制にふれなかったことで、長期債券利回りは再び上昇し、ドル買い・円売りが活発となりました。又、日銀の黒田総裁も長期金利の変動幅の拡大必要ないと考えていると発言し、ドル買いを促した形となりました。5日のNY市場で一時108.64円まで上昇し、108.40円で引けました。

<今週もドルは底堅く、金利高継続の可能性>

 米長期金利の上昇は、維持されている。欧州中央銀行(ECB)の金融政策をめぐる思惑でユーロ売り・ドル買いとなれば、ドル・円も円売り・ドル買いが強まる可能性もある。FRBは長期金利の一定の上昇を容認する姿勢を示しており、米株式がさえない動きとなってもドル買いは縮小せず、108円台での取り引きが多くなるとの見方が多いようです。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム

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