今週は、幻のSQ値29718円を突破できるかどうかが注目でしたが、前場にあっさり突破

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最新投稿日時:2021/02/15 18:24 - 「今週は、幻のSQ値29718円を突破できるかどうかが注目でしたが、前場にあっさり突破」(みんかぶ株式コラム)

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今週は、幻のSQ値29718円を突破できるかどうかが注目でしたが、前場にあっさり突破

著者:出島 昇
投稿:2021/02/15 18:24

先週は、SQの週でもあり、米国株の最高値更新を受けて29500円台まで踏み上げられる

 先週の予測では、自動車株がこれまでの半導体株の上昇が一服して、入れ替わって上昇しており、10日のトヨタ自動車の決算発表が注目されるとしました。トヨタの決算が予想通りであれば、目先の材料出尽くしとなって日経平均も一服という場合も考えられましたが、その場合でもNYダウの上昇が続けば、日経平均は連動して上昇することになるとしました。

 結果的には、トヨタ自動車の決算が予想を大きく上回る結果となったことで、日経平均は週末には29650円まで上昇しました。コロナショックからの企業の業績回復を象徴するものであり、自動車産業のすそ野の広さを考えると、多くの業種にプラス効果を与えることになります。米株式の上昇も今のところコロンワクチンの米国民への普及の拡大が進んでおり、又、民主党単独で実行できる大規模追加経済対策の成立も期待が高まっており、この成立で材料出尽くしとなるまでは上昇は止まらない可能性があります。そうであればNYダウの写真相場である日経平均の動きも3万円を目指すことになります。

 先週は、米国株の史上最高値更新を受けて、日経平均は週始めの8日(月)に△609円の29388円と30年6ヶ月ぶりの29000円台乗せとなり、その後、2日連続して29500円台に乗せ、休日をはさんだ週末の12日(金)には一時29650円と3万円まであと350円のところまで上昇し、終値では高値警戒感から▲42円の29520円で引けました。

 このまま上昇が続くかどうかは微妙な状況で終りました。週末の12日(金)は、SQ清算日でしたが、オプション2月限は29718円(SQ値)と高く、現物の日経平均は、ここに1度も到達せずに、いわゆる「幻のSQ」となってしまいました。日経平均の終値よりも、かなり高いところでSQ値が決まったことで、早い段階で突破できなければ29718円が上値の抵抗線として意識されることになります。

 12日(金)の米国株式は、ワクチン普及の拡大や、追加経済対策の成立期待が高まり、最高値更新が続きました。バイデン大統領はワクチンの2億回分を追加契約したことを発表し、合計6億回分のうち7月までに3億人の全国民に行き渡るとしました。経済活動の早期再開期待が続き、3指標は最高値更新となっています。シカゴの日経先物は△235円の29615円でした。

今週は、幻のSQ値29718円を突破できるかどうかが注目でしたが、前場にあっさり突破

 今週は、上述したように「幻のSQ」を早い段階で突破できるかどうかが注目となります。これまで、2月は「節分天井 彼岸底」と言って要注意の月としていましたが、米株式をみる限り大きな調整はないかもしれません。1月25日(月)の週の1000円超の下げがスピード調整で終わるかもしれません。この幻のSQをキッカケに高値圏での一服は考えられるところです。テクニカル面では、騰落レシオが12日(金)時点では120と高止まりをしており、25日移動平均乖離率も3%を上回る高値警戒感を示してします。

 しかし、安心感が出てくるところが、過去の経験則ではリスクが出てくるところでもありますので注意が必要です。世界的な「カネ余り」の動きを見てみると、前回のゲームストップの急騰に続いて、今度は「ビットコイン」の急騰が出てきました。世界の商品市場はマネーゲームとなっています。大豆、トウモロコシといった穀物価格の上昇も目立ちます。こうした投機的な動きをFRBや米政府が黙って見ているとは思えません。何らかの規制に動けば、最高値更新を続ける3指標に影響が出ることになります。投資を控えて儲け損なったといっても大損することにはなりませんので高値圏では注意が必要と思われます。

 本日15日(月)は、寄り付きは、前週末の米国株式市場で米追加経済対策への期待感が根強く主要3指数が最高値を更新した流れを受け買い先行となり、日本での新型コロナワクチン接種も近づき、国内経済正常化への期待感もあって、いったん3万円大台に乗せ、その後、利益確定売りに伸び悩む場面もありましたが、後場は切り返し、また、時間外取引で米株価先物が堅調に推移し、先物買いも加わり一段高となって、大引けは△564円の30084円と高値引けとなりました。3万円大台の回復は1990年8月2日(終値30245円)以来約30年6カ月ぶりとなります。

(指標)日経平均

 先週の予測では、先週も米株式が上昇し、史上最高値を更新する動きとなれば、日経平均は29000円台乗せを想定しました。

 結果的に米株式は、1.9兆ドルの大型追加経済対策が民主党単独でも成立する可能性が高まったことで、これをテコに上昇が継続しました。そうなると日経平均の一服期待も難しく、米株式の上昇に連動し上昇が続くことになりました。特に週始めの2月8日(月)は、為替が105円台半ばの円安に加え、時間外での米株先物の上昇が続いたことで、△621円の29400円まで上昇し、終値では△609円の29388円と30年6ヶ月ぶりの29000円台のせとなりました。

 その後、2日連続上昇して29500円台まで上昇し、間に1日休日を入れた12日(金)は、29650円まで上昇して▲42円の29520円と5日ぶりに反落しました。この日は2月SQ清算日でしたが、SQ値は29718円で確定し、終値は29520円となりました。SQを通過したものの一度もSQ値にタッチしない「幻のSQ値」となりました。このSQ値の突破に時間がかかれば、上値の抵抗ラインとして意識されてきます。

 今週の日経平均も底堅い展開が期待されますが、3万円を試すためには、先週12日(金)の2月SQ値29718円である「幻のSQ値」を早い段階で突破する必要があります。突破できければ米株式の上昇は継続する可能性が高いので、3万円を試す動きとなります。突破できなければ、数日は利益確定売りに押され28000円台前半までのもみあいとなる可能性もあります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、良好な決算期待とワクチンの普及を受けて株価は堅調な展開を想定しました。ワクチンに関してはバイデン大統領が2億回分を追加契約したことを発表し、合計で6億回分が7月までに3億人の全国民へ行き渡ることになります。経済活動の早期再開期待が続き、又、追加の経済対策成立期待もあって3指標は最高値を更新し続けました。

 今週も引き続き、バイデン大統領の国民に対する十分なワクチン供給の確保による普及ペースの加速期待で景気循環株のサポートと民主党が共和党の支援なく追加経済対策の成立が高いことで景気回復のペースを後押しするため、株価の上昇材料としてさらに上昇が続くことになります。但し、上昇スピードが落ちてくることになります。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、ユーロ売り・ドル買いの流れ、追加の経済対策の成立へ向けての長期金利の上昇が続けば、ドル買いとなるもののFRB議長が低金利政策の維持に言及すればドルの上値は重くなるとしました。

 結果的に週始めに、105.67円までドルが買われましたが、2月10日発表の1月米消費者物価指数が市場予想を下回り、パウエル議長が当面、引き締めを行わない意向を示したことで、ドルは104.41円まで売られました。12日(金)には、原油先物が一段高となったことで、長期金利は上昇し、ドルは105.12円まで戻したあと下げ渋り104.93円で引けました。

 今週は、先週にFRB議長が景気回復について慎重な姿勢を保ち、当面、長期金利の低下を維持する方針を示したものの、追加の景気対策の成立を前に長期金利が下げ渋るため、ドル売り抑制となって、ドル・円は底堅い動きが想定されます。104~105.5円のレンジを想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム

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