今週は、新型肺炎の行方を確認するところ

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最新投稿日時:2020/01/27 19:50 - 「今週は、新型肺炎の行方を確認するところ」(みんかぶ株式コラム)

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今週は、新型肺炎の行方を確認するところ

著者:出島 昇
投稿:2020/01/27 19:50

先週は、新型コロナウイルスの感染拡大懸念から予想外の下落

 先週の予測では、24000円台の値固めから何らかの好材料が出れば、バブル後の高値(24270円)を試す動きとなるのか、それとも24000円をめぐる攻防となるのかどちらかとしました。

 結果的には、24000円を守る攻防よりも悪材料(新型肺炎)により、一段安の動きとなり、週末は一時23755円まで下落しましたが、大引けでは多少反発し、△31円の23827円で引けました。しかし、引け後の米国市場でのシカゴの日経先物は▼165円の23635円で引けました。

 20日(月)は、前週末の米国市場で、10~12月期決算は良好なスタートとなり、経済指標も好調で、NYダウは3日連続の史上最高値更新となり、これを受けて日経平均は△39円の24080円で寄り付き、為替も1ドル=110円台前半の円安となっていたことで、24100円水準でもみあい、一時△66円の24108円まで上昇して、終値は△42円の24083円と3日続伸し、昨年の12月17日の24066円を更新する動きとなりました。但し、出来高、売買代金とも薄商いで日中値幅は46円と今年最低水準となっていました。

 21日(火)は、前日の米国市場がキング牧師生誕記念日で休場のため、手掛かり材料に欠け、先物主導で下げる展開となりました。▼10円の24072円で寄り付くものの、利益確定売り優勢となり、株価先物にまとまった売りが出て、前引けは▼180円の23902円と24000円の大台を割り込みました。後場になると為替も110円を切る円高となり、先物の売りが出て下げ幅を拡大し、一時▼240円の23843円まで下げて、終値は▼218円の23864円と4日ぶりの大幅反落でした。

 中国での新型コロナウイルスによる肺炎拡大が懸念され上海株とハンセン株価指数が下落したことが影響されました。

 22日(水)は、前日の米国市場も新型肺炎の拡大懸念から3指標そろって下落(NYダウは▼152ドル)したことで、▼29円の23835円で寄り付きましたが、日経平均はすでに前日、下落していたことの反動で反発に転じ、先物主導で24000円台を回復し、大引けは△166円の24031円で引けました。但し、薄商いの中での戻りですので上値は限定的でした。

 23日(木)は、前日の新型肺炎の拡大懸念の中での24000円台への反発が疑問をもたれていたことから▼187円の23843円の寄り付きとなり、一時▼252円の23779円まで下落しました。その後、上海株式の大幅下落もあって、戻り弱く大引けは▼235円の23795円でした。

 24日(金)は、前日の米国市場で、今回の新型肺炎の懸念が広がり、NYダウは一時▼219ドルまで下げましたが、WHOが「緊急事態宣言」を見送ったことで少し安心感が広がり、NYダウは▼26ドルまで下げ幅を縮小し、ナスダックは史上最高値を更新したことで、日経平均は△54円の23850円と反発して始まり、その後はマイナスに転じる場面がしばしば見受けられましたが、終値では△31円の23827円と小反発で引けました。

 24日(金)の米国市場は、新型肺炎の懸念が高まり、3指標そろって大幅下落となりました。NYダウは▼170ドルの28989ドル、S&Pは▼30Pの3295Pと昨年8月以来の下げとなり、ナスダックは▼87Pの9314Pと7週間ぶりの大幅下落でした。シカゴの日経先物は23550円まで下げて、引けは▼165円の23635円でした。

今週は、新型肺炎拡大による下値模索となる可能性

 今週は、中国で発生した新型肺炎の問題の動向に注目が集まり、下値を探る展開となりそうです。日本の土日の間に、予想よりも世界中に新型肺炎の拡大が広がり、単なる様子見というより、どこで感染が止まるのか不透明な状況になっています。中国は春節中の団体旅行を禁止しましたので、訪日観光客減少の影響は予想より大きくなり、日本株への影響は消費が落ち込み、小売や旅行などのサービス、空運関連株が売られやすくなります。又、中国国内での感染が広がれば、中国関連銘柄(鉄鋼、機械、海運)なども下落しそうです。

 感染の終息のメドがたって、まず米国株式が反発すれば世界経済への先行き期待が高まり、日本株式も買い戻されることになります。まず、今週は新型肺炎の注目が最大のポイントです。

 今日の株式市場の下落は、「新型肺炎」に対する対策が出揃って、効果が現れてくると市場が考えた時に上昇に転じますので、安値と思って買ってもさらに下がる可能性があります。今回の相場の高値は、昨年の12月17日の24091円であり、出発点の安値は8月6日の20110円ですので、まだまだ調整は始まったばかりだとみた方がよいでしょう。柴田罫線では、22000円水準は大きな下値ポイントになりますので、新型肺炎の感染が止まらなければ、その水準までの覚悟が必要かもしれません。

 本日は、新型肺炎感染拡大で、リスク回避の売り先行となり、時間外でも米株先物が大幅下落となっていたことで▼399円の23427円で寄り付くと、一時▼509円の23317円まで下落しました。その後、下げ渋り▼363円の23463円まで戻すものの、大引けにかけて上値重くなり、▼483円の23343円で引けました。

出島式ズバ株投資情報ブログ
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(指標)日経平均

 先週の予測では、米国株上昇と円安基調が継続すれば、2018年10月2日のバブル後の終値ベースでの最高値24270円を試す動きとなるが、そうでなければ相場の過熱感を警戒し、利益確定売り優勢となって24000円水準でのもみあいが続くとしました。

 結果的には、中国発の新型肺炎ウイルスの拡大懸念から予想外の下げとなってしましました。週始めこそ前週末の米株高と円安を受けて24108円まで上昇し、△42円の24083円と昨年の2019年12月17日の昨年来高値24066円を更新しました。21日(火)は、利益確定売りで大きく下げて、22日(水)はすぐに反発したものの、23日(木)は新型肺炎の拡大懸念で▼235円の23795円と大幅反落しました。週末は小反発したものの、引け後のシカゴの日経先物は▼165円の23635円となっていました。

 今週の日経平均は、先週に続いて新型肺炎の感染拡大の懸念の問題に注目が集まり、落ち着きどころを探る展開となりそうです。特に中国の春節(旧正月)に合わせた大型連休で、感染が拡大すれば訪日客に影響が生じ日本経済にとってマイナス要因となるので、下値を探る展開となります。一服して米国株式が反発すれば買い戻しが入ることが期待されます。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、3連休明けに本格化する10~12月期決算発表に注目とし、現状での株価は前年比で横ばいが減速と割高感となっているので、それをなくさせるような売上高や利益が示されるのかがポイントになるとしました。

 しかし、連休明けの21日(火)に、中国発の新型肺炎拡大懸念からボーイングなどの空運株が急落し、3指標そろって反落となりました。その後も新型肺炎は拡大を続け、WHOの「緊急事態宣言」が見送られたことで、一服したものの週末の24日(金)は、拡大懸念は止まらず3指標そろって大幅下落となり、NYダウは▼170ドルの28989ドルで引け、高値からの下では、昨年8月以来の下げ幅となりました。

 今週も米株式は依然として高値圏にあるため、新型肺炎の感染拡大の行方が株価の方向を決めることになります。そのため、新型肺炎の落ち着きどころを探るために様子見という動きが続くことになります。落ち着けば米国10~12月期決算をみると、S&Pでは、7割の1株利益、6割の売上高は予想を大きく上回っているため、株価の上昇が期待できます。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、8ヶ月ぶりとなる1ドル=110円台のスタートであるが、このドル買い・円売りは、110円台には輸出関連企業の短期のドル売り注目が入っており、ドルの一段高は抑制されるとしました。

 結果的には、ドルの上値重く、新型肺炎の拡大懸念からリスク回避の円買いの動きとなって109円台前半まで売られました。

 今週のドル・円は、新型肺炎の拡大懸念が続けばリスク回避のドル売り・円買いで伸び悩むことになりそうです。今週の米国の10~12月期の経済指標は、国内の産業は好調なものの、FRBの利上げについては慎重なため、ドル買いの強まりは限定的であり、新型肺炎問題を考えると、ドル買い・円売りは伸び悩むことになりそうです。108.5~110円のレンジを想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム

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