【コラム】メディアが描き立てる「ゴーン is Gone」の楽観相場から、現実的に月末に迫る「ブレグジット」に焦点を充てた今週の日経平均レンジ相場レポート=フィデリア藤崎

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最新投稿日時:2020/01/14 05:06 - 「【コラム】メディアが描き立てる「ゴーン is Gone」の楽観相場から、現実的に月末に迫る「ブレグジット」に焦点を充てた今週の日経平均レンジ相場レポート=フィデリア藤崎」(藤崎慎也)

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【コラム】メディアが描き立てる「ゴーン is Gone」の楽観相場から、現実的に月末に迫る「ブレグジット」に焦点を充てた今週の日経平均レンジ相場レポート=フィデリア藤崎

著者:藤崎慎也
投稿:2020/01/14 05:06

【今週の日経平均予想】メディアが描き立てる「ゴーン is Gone」相場から、現実的に月末に迫る「ブレグジット」に焦点を充てた今週の日経平均レンジ相場レポート=フィデリア藤崎

【論より証拠】投資顧問革命中のフィデリア藤崎です。


先週末は、ゴーン氏の記者会見で「ゴーン is Gone」で話題となっている株式市場


メディアの大きな盲点として、最も重要な「1/31に迫って来ている英国EU離脱(ブレグジット)」に焦点を充ててみたい。


既に3年以上も前から選挙を繰り返している「ブレグジット問題」


決定してから既に、英国経済に約18兆6000億円の損失を与えるとブルームバーグが報じています。


<英EU離脱、すでに英国経済に約18兆6000億円の損失を与える=ブルームバーグ>
https://jp.sputniknews.com/business/202001117004505/




まず、ブレグジットを達成すると、イギリス(英国)は何を得て、何を失うのか?

【得るモノ】

●自由な法律/移民制限/貿易する国や税率を自由に決められる

EU加盟国は、国内法よりもEUの法律が上位に来るルールがあるのでそれが払拭され自由な貿易や国の方針が出来るようになります。

具体的には、どの国とビジネスをして何を輸入/輸出し、通商交渉や移民制限や司法まで、
自分たちで自分たちの国の将来を決められるようになることが最大の利点です。

また、EU加盟国間の移動はパスポートなしで出来る法律があり、移民がどんどん増える問題から解消される事がメリットとも言われています。

※ちなみに、EU加盟国のルールは厳密で、1つの農地に必ず3種類の作物を植えないといけないとか、自動車のライトやブレーキランプの位置はここじゃないといけないとか、掃除機の吸引力の制限があったりするので、EUの束縛からの解放は可能となります。


【失うモノ】

●最も大きいのは移住労働者/経済成長(既に、数十兆円単位の経済損失との統計も。)

EU市民がイギリスに継続して生活するには、新たな資格が必要となることです。

政府はsettled statusという新しいVISAの定住資格を作り、離脱日まで5年間住んでいることが条件で、約300万人のイギリスにいるEU市民が申請することになりました。(現在、既に半数の市民が申請済)


よって、イギリスのレストランや医療関係者でEU市民がたくさん働いているので、

その人たちがイギリスからいなくなることで、いろいろなサービスに不都合が生じるということが生じるでしょう。



【イギリス国民の心境】

現地の英国民の心境は、アンケートによると、3年前からの国民投票から首脳がコロコロ変わり、国民投票を行いながらもEUの反対などで先延ばしになっている状況から、

離脱/残留派の人も含めて「とにかく早く決めてほしい」、「まだなのか?いつどうするのか?」という怒り、失望、落胆などのネガティブな感情を抱いてしまっている問題になっているそうです。



【日本への影響は?】

短期的に、日本への影響はそんなに強くないと思われます。

イギリスに日本企業が1000社ほどあり、EUの玄関口機能が崩れることになります。

ホンダも、イギリスでの完成車生産を2021年中にやめると言っています。何十年も生産拠点を持ったのに、まさか日本の企業がいなくなると誰も思わなかったのでものすごい打撃です。

パナソニックもヨーロッパの統括拠点をイギリスからオランダに移しました。関税の追加コストや通関手続きが発生するかもしれないので、先を見る日本企業は生産拠点を移動し始めています。


【本質的な狙いは?】

イギリスは、米ドルが基軸通貨となる前の、最初の基軸通貨発行国(United Kingdom)です。

世界中の中央銀行の通貨発行権も持っていると言われています。(日本の中央銀行の日銀の大株主とも言われ、米FRBも実質民間銀行より支配下とも言われる)


ここからは、憶測になりますが、多大な損失を出してまでEU離脱を行う意味は、他の連合国と組んで基軸通貨の奪回を狙っているとも捉えられます。

イギリスがEUから離脱する事になると、EU諸国の財務の弱い国(ポルトガル・イタリア・ギリシャ)などのデフォルト率は上昇し、

ドイツを始めとするEUの主要国はマイナス金利先進国より多大な債権を持ってる為、史上最大に膨れ上がった債権バブルが崩壊した場合、

EUを始め、ドル崩壊すら招く恐れがある現状。

その被害を被る事なく、独立する事で今後強い経済連合を組んでいるBRICS同盟などと連合すれば、基軸通貨の奪回に成功すると予想されます。



【中長期的な展望】

短期的には、ソフトブレグジットという形で、影響は限定的になりそうですが、イギリスがとうとう動く=何かが始まると捉える方が良いと思います。

英国は、歴史的に見ても世界を動かし続けている国であり、とうとう1月にブレグジットを行い、

世界がどうなろうと関係のない状態になれば、ドイツ銀行問題の再燃/米の対外債務超過+国内ドル不足からドルの増刷でバブルをバブルでカバーして来た巨額マネー(=債権)問題に火がついてもおかしくないと思われます。


ちなみに、リーマンショック時の世界ドル供給量は約7000兆円、現在のドル供給量は約3京円近くまで膨らんでおり、

債権バブルが崩壊した場合、助けられる国は存在しません。

これが、世界最大の巨大投資ファンドのブラックロックが名付けた「エンド・オブ・ゲーム」の所以です。


次のバブル崩壊は、阻止できないがいつかは来る。そして、過去にない規模になるのは必須の世界情勢という事だけは言えると思います。


東京五輪・トランプの再選の選挙など2020年はイベントを控える中、バブル相場はみんなが楽観してる最中に、毎回起こっています。


よって、株価は上がるかもしれないが、下がり出すと止まらない下落「フラッシュ・クラッシュ」が有り得るという事を念頭に置いたトレードが必要な年になるでしょう。


最悪を想定した場合の対処法は、いくつかあるのでまた紹介して行きたいと思います。


今週の日経平均のレンジは、23500-24000円のボックス読み。一部の大型を除き、個別株相場は利益を取って行きたい局面は継続すると思います。
藤崎慎也
フィデリア株式会社 代表取締役 投資助言者
配信元: 達人の予想

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