■株式相場見通し
予想レンジ:上限23000-下限21750円
来週の日経平均は22000円台で下値を固める動きに入るかが注目される。トランプ米大統領が1日、「11月30日からアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議で中国の習近平国家主席と首脳会談を行う見通し」、さらに「中国との貿易合意の草案作成を指示」と伝わったことで米中貿易摩擦問題が和らいでいる。ただ、来週は、6日の米国中間選挙を筆頭に、7-8日のFOMC、9日のオプションSQといったイベントを控えて神経質な展開が予想される。その一方で、日米ともに指数への影響が大きい半導体関連株が上昇し始めたことは、売り込まれていたハイテク株に対する買い戻しの流れを強める期待が膨らんでいる。通信料引き下げ問題に端を発したNTTドコモ<9437>など携帯キャリアの急落と1日の米アップルの決算がアク抜けに働くかは見守る必要があるものの、企業決算による全体相場の波乱は回避されている。なお、主要企業の決算発表は5日にソフトバンクグループ<9984>、6日にドンキホーテHD<7532>、トヨタ<7203>、NTT<9432>、7日に富士フイルム<4901>、8日に楽天<4755>、日産自動車<7201>、東芝<6502>が予定されている。なかでも、6日のトヨタの決算が注目される。増額修正がなくても、堅調な業績動向が確認されれば、マーケットにとって安心感につながってくる。
日経平均のテクニカル的には、上昇に転じている5日移動平均線を割り込まない限り、反転の動きが継続と見ておくことができる。22000円を回復し、10月2日高値24448.07円から26日安値20971.93円までの下げ幅に対する3分の1戻しとなる22130円もクリアしたことで、22400円近辺を走る200日線が意識されてこよう。ただ、22500円を挟んだ上下100円幅は、今年に入って価格帯別累積出来高が集中するゾーンであり、25日、75日の各移動平均線も密集している。上昇局面では戻り待ちの売りも出て上値を抑えそうだ。その一方で、クリスマス商戦の前哨戦となる11月23日のブラックフライデーに向けて、米国市場はムードが好転してくる期待があり、NYダウの戻りが日経平均の刺激材料となる可能性もある。
主な国内経済関連スケジュールは、5日に9月開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、6日に9月家計調査、7日に9月毎月勤労統計調査、9月景気動向指数、8日に9月機械受注、10月景気ウォッチャー調査、10月開催の日銀金融政策決定会合の主な意見、9日にオプションSQがそれぞれ予定されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは5日に米10月ISM非製造業景況指数、7日にFOMC(8日まで)、米9月消費者信用残高、8日に中国10月貿易収支、9日に中国10月消費者物価・生産者物価、米10月生産者物価がそれぞれ予定されている。このほか、国内外で予定されているイベント等としては、5日に米の対イラン制裁第2弾(原油禁輸)発動、6日に米中間選挙、7日に世界インターネット大会開催(9日まで、中国)、11日は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(15日まで、シンガポール)が計画されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみあいか。市場関係者の間では6日投開票の米中間選挙が最大の関心事項となっている。米中貿易摩擦緩和への期待が広がっているものの、トランプ米大統領による利上げ批判は中間選挙後も続く可能性があるとみられており、米中間選挙で共和党が上下両院を支配する結果となっても、リスク選好的なドル買いが急速に拡大する可能性は低いと予想される。
今回の中間選挙は、上院100議席の約3分の1、下院435議席の争いとなる。直近の選挙情勢調査では、下院は民主党がややリードし、共和党が追う展開。両党はともに200議席前後を固めたとみられており、接戦が予想される。上下両院で共和党が過半数を占める現状を維持できれば、トランプ大統領の政権基盤の安定化が好感され、株高は継続する見通し。直近の調査のように下院で与野党逆転の場合も政権の存続に変わりはないことから、政策運営の不透明感による株安・ドル安は小幅にとどまろう。
ただ、トランプ米政権は中間選挙後も貿易赤字是正に向けた活動を続けると予想されている。今月末に予定されている米中首脳会談への期待は広がっているが、貿易協議などで米国側が大幅に譲歩することはないとみられており、懸案事項での合意形成については予断を許さない状況が続くと予想される。12月の追加利上げを想定したドル買いは継続する可能性があるが、新たなドル買い材料が提供されない場合、ドルは114円近辺で上げ渋る展開もあり得る。
なお、7-8日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、政策金利の据え置きが全会一致で決定される見込み。FOMC声明で利上げ継続の方針が提示されるとみられる。ただ、トランプ政権は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策批判を強めるとみられ、2020年までの利上げ継続シナリオはいずれ修正されるとの思惑が浮上する可能性もあるので注意したい。
■来週の注目スケジュール
11月5日(月):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨、習近平国家主席演説、米が対イラン制裁第2弾を発動など
11月6日(火):欧生産者物価指数、米中間選挙、李克強首相がIMF、WTOなど6つの国際機関トップと円卓会議など
11月7日(水):中国外貨準備高、米連邦公開市場委員会(FOMC)など
11月8日(木):欧州委員会が経済見通し発表、日銀金融政策決定会合における主な意見など
11月9日(金):中消費者・生産者物価指数、米卸売在庫など
<SK>
予想レンジ:上限23000-下限21750円
来週の日経平均は22000円台で下値を固める動きに入るかが注目される。トランプ米大統領が1日、「11月30日からアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議で中国の習近平国家主席と首脳会談を行う見通し」、さらに「中国との貿易合意の草案作成を指示」と伝わったことで米中貿易摩擦問題が和らいでいる。ただ、来週は、6日の米国中間選挙を筆頭に、7-8日のFOMC、9日のオプションSQといったイベントを控えて神経質な展開が予想される。その一方で、日米ともに指数への影響が大きい半導体関連株が上昇し始めたことは、売り込まれていたハイテク株に対する買い戻しの流れを強める期待が膨らんでいる。通信料引き下げ問題に端を発したNTTドコモ<9437>など携帯キャリアの急落と1日の米アップルの決算がアク抜けに働くかは見守る必要があるものの、企業決算による全体相場の波乱は回避されている。なお、主要企業の決算発表は5日にソフトバンクグループ<9984>、6日にドンキホーテHD<7532>、トヨタ<7203>、NTT<9432>、7日に富士フイルム<4901>、8日に楽天<4755>、日産自動車<7201>、東芝<6502>が予定されている。なかでも、6日のトヨタの決算が注目される。増額修正がなくても、堅調な業績動向が確認されれば、マーケットにとって安心感につながってくる。
日経平均のテクニカル的には、上昇に転じている5日移動平均線を割り込まない限り、反転の動きが継続と見ておくことができる。22000円を回復し、10月2日高値24448.07円から26日安値20971.93円までの下げ幅に対する3分の1戻しとなる22130円もクリアしたことで、22400円近辺を走る200日線が意識されてこよう。ただ、22500円を挟んだ上下100円幅は、今年に入って価格帯別累積出来高が集中するゾーンであり、25日、75日の各移動平均線も密集している。上昇局面では戻り待ちの売りも出て上値を抑えそうだ。その一方で、クリスマス商戦の前哨戦となる11月23日のブラックフライデーに向けて、米国市場はムードが好転してくる期待があり、NYダウの戻りが日経平均の刺激材料となる可能性もある。
主な国内経済関連スケジュールは、5日に9月開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、6日に9月家計調査、7日に9月毎月勤労統計調査、9月景気動向指数、8日に9月機械受注、10月景気ウォッチャー調査、10月開催の日銀金融政策決定会合の主な意見、9日にオプションSQがそれぞれ予定されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは5日に米10月ISM非製造業景況指数、7日にFOMC(8日まで)、米9月消費者信用残高、8日に中国10月貿易収支、9日に中国10月消費者物価・生産者物価、米10月生産者物価がそれぞれ予定されている。このほか、国内外で予定されているイベント等としては、5日に米の対イラン制裁第2弾(原油禁輸)発動、6日に米中間選挙、7日に世界インターネット大会開催(9日まで、中国)、11日は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(15日まで、シンガポール)が計画されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみあいか。市場関係者の間では6日投開票の米中間選挙が最大の関心事項となっている。米中貿易摩擦緩和への期待が広がっているものの、トランプ米大統領による利上げ批判は中間選挙後も続く可能性があるとみられており、米中間選挙で共和党が上下両院を支配する結果となっても、リスク選好的なドル買いが急速に拡大する可能性は低いと予想される。
今回の中間選挙は、上院100議席の約3分の1、下院435議席の争いとなる。直近の選挙情勢調査では、下院は民主党がややリードし、共和党が追う展開。両党はともに200議席前後を固めたとみられており、接戦が予想される。上下両院で共和党が過半数を占める現状を維持できれば、トランプ大統領の政権基盤の安定化が好感され、株高は継続する見通し。直近の調査のように下院で与野党逆転の場合も政権の存続に変わりはないことから、政策運営の不透明感による株安・ドル安は小幅にとどまろう。
ただ、トランプ米政権は中間選挙後も貿易赤字是正に向けた活動を続けると予想されている。今月末に予定されている米中首脳会談への期待は広がっているが、貿易協議などで米国側が大幅に譲歩することはないとみられており、懸案事項での合意形成については予断を許さない状況が続くと予想される。12月の追加利上げを想定したドル買いは継続する可能性があるが、新たなドル買い材料が提供されない場合、ドルは114円近辺で上げ渋る展開もあり得る。
なお、7-8日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、政策金利の据え置きが全会一致で決定される見込み。FOMC声明で利上げ継続の方針が提示されるとみられる。ただ、トランプ政権は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策批判を強めるとみられ、2020年までの利上げ継続シナリオはいずれ修正されるとの思惑が浮上する可能性もあるので注意したい。
■来週の注目スケジュール
11月5日(月):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨、習近平国家主席演説、米が対イラン制裁第2弾を発動など
11月6日(火):欧生産者物価指数、米中間選挙、李克強首相がIMF、WTOなど6つの国際機関トップと円卓会議など
11月7日(水):中国外貨準備高、米連邦公開市場委員会(FOMC)など
11月8日(木):欧州委員会が経済見通し発表、日銀金融政策決定会合における主な意見など
11月9日(金):中消費者・生産者物価指数、米卸売在庫など
<SK>
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
---|---|---|
4755
|
881.1
(11/18)
|
-19.0
(-2.11%)
|
4901
|
3,303.0
(11/18)
|
-51.0
(-1.52%)
|
6502
|
4,590.0
(12/19)
|
-5.0
(-0.10%)
|
7201
|
429.3
(11/18)
|
+0.8
(+0.18%)
|
7203
|
2,676.0
(11/18)
|
-28.0
(-1.03%)
|
3,725.0
(11/18)
|
+28.0
(+0.75%)
|
|
9432
|
155.2
(11/18)
|
+0.5
(+0.38%)
|
9437
|
3,880.0
(12/24)
|
0.0
(---)
|
9984
|
8,734.0
(11/18)
|
-186.0
(-2.08%)
|
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