ドラギ総裁はジャクソンホールミーティングに出席
ご存知の通り、先月末、ドラギ総裁は量的緩和縮小を示唆しました。そして、明日20日の金融政策会合後の記者会見でその点について言及があるのでは?と、市場の注目を集めています。仮にそのような発言があれば、6月末にも見られたような金利上昇→ユーロ買いにつながり、昨年5月の1.1615ドルも視野に入ってきます。
私は今回、その可能性は低いのでは?と考えています。と言うのも、ドラギ総裁は毎年8月に開催されるジャクソンホールミーティング(8/24~26)に3年ぶりに出席することを発表しています。前回出席時にドラギ総裁は資産購入プログラムの導入を示唆し、その直後のECB理事会で量的緩和に踏み切った経緯があり、今回もそのジャクソンホールミーティングで縮小に関する言及をするのでは?と考えているからです。
今週に入り、ドラギ総裁の会見に期待してか、ユーロ買いが進んでいます。仮に上記で示した通り、ドラギ総裁の会見で量的緩和縮小に関して言及がなされなければ、ユーロに売りが持ち込まれることになります(予想で買って、事実で売る)。CFTCのユーロのポジションを確認すると、このところユーロ買いのポジションが積みあがっていることも確認できます。ただし、今回の件をもって、量的緩和縮小に対する期待が完全に打ち消されるわけではありませんから、その下げも限定的なものになるのではないでしょうか。
オバマケア代替法案がとん挫したことで、トランプ政権の政策遂行懸念が再度浮上したことも、ユーロのサポート要因となりそうです。