リスク資産から安全資産へのシフトが顕著に
![ユーロ/円(日足)の推移](/uploads/570953/normal/8417badaf.png)
市場ではイエレン議長の会見あるいはドットチャートでの年内利上げ回数が注目されているとの論調が目につきますが、イエレン議長の会見はいつも通りの中立的な内容、そして、ドットチャート自体これまでその通りになったためしがなく(ドットチャートとはFRBメンバーの「こうあるべき」との理想を示したもの)、それ程大きく動く要素にはならないと思っています。
現在の市場は英国のEU離脱を問う国民投票の行方に目が向けられています。ここに来て各種世論調査は「離脱派」が優勢(昨日もTNS調査で離脱派:47%、残留派:40%の結果が報じられていました)、離脱懸念を背景に市場のリスク縮小の動きが強まる中、リスク資産から安全資産へのシフトが顕著になっています。為替市場では英ポンド、ユーロを始めとするクロス円の下落とドル買いの狭間でドル/円は106円を挟んでの揉み合いが続いています。
一つの投資の考え方としてその英国の国民投票の結果を見てから流れに乗るというやり方がある一方、現在、ドル/円を始めとする数多くの通貨ペアで売りトレンドが発生しており、イベント終了を待たずしてトレンドについていくという考え方もあります。株式市場もしかり、日経平均・FTSE・DAXでも売りトレンドが発生しています。そして、売りトレンドの方が買いトレンドより勢いがつきやすいというのは皆さんご存知のことと思います。
今一度、トレンドの判別法について触れておきます。<資料1>をご覧ください。上段が21日ボリンジャーバンド、下段に表示されているのが26日標準偏差ボラティリティです。下段の標準偏差ボラティリティが低い位置から上昇している場合、トレンドが発生。そこで次に上段のボリンジャーバンドを確認していただき、現値がボリンジャーバンドの-1シグマの外で推移していれば、「売りトレンド」、+1シグマの外で推移していれば、「買いトレンド」と言うことになります。チャートのユーロ/円は売りトレンドが発生しているということになります。