まはいさんのブログ
ブログ
平成29年度末 投資確率分析
1999年9月10日に全日本空輸を買付けて始めた株式投資ですが、それから18年4ヶ月で184銘柄に投資しました。
その統計検証をします。
完全市場の前提
市場メカニズムが正常に機能していれば、株式投資は株価が騰がるか下がるかの二項試行(ベルヌーイ試行)となります。
自分の投資結果が二項分布に収斂するならば、自分は合理的な行動をしたと統計学的に反証できます。
投資損益
銘柄別損益は次の算式で計算しています。
投資に当たって株主優待を考慮することもありますが、計算に株主優待は含めません。
銘柄別損益 = 売却損益 ー 取引手数料 + 配当金 ー 税金
銘柄数分布2017.12.29 ↓ クリックで拡大
利益5万円以下の勝ち銘柄が100銘柄と突出しています。
全184銘柄の中央値(92位の値)は大成建設の9,508円であり、中央値を頂点とした二項分布に近似したグラフ形状です。
ただし、35万円以下と40万円以下の勝ち銘柄が、若干ながら二項分布から逸脱しています。
損益分布2017.12.29 ↓ クリックで拡大
銘柄数分布に損益額を反映させます。
65万円超の利益の勝ち銘柄が6銘柄ながら21,755,051円と突出しています。
中央値から乖離するには、試行回数を増やす、すなわち長期保有することが必要です。
私の投資結果は、長期投資の効果が十分に発揮されています。
取引コストと配当金
株式投資は株価が騰がるか下がるかの二項試行(ベルヌーイ試行)の典型なので、中央値を引揚げることが全体的な利益の源泉となります。
中央値の要因 ⇒ 配当金 - 取引手数料
つまり、配当金より取引手数料を低く抑えれば確率論的に株式投資で損しないと言えます。
長期保有すれば配当金が保有期間に応じて増え、頻繁に取引しないため取引手数料が少なくなり、二項分布の中央値がプラスに働きます。
長期投資は確率論的に損しないと言えます。
株主有限責任
株主は最悪でも投資額が消えるだけです。
投資利益は青天井ですが、投資損失は投資額の範囲に限定されます。
したがって、上図のとおり、中央値を挟んで損失銘柄数は少なく利益銘柄は多くなります。
制度的に株式投資は利益を出し易いと言えます。
非合理的行動
以上の分析から、取組んだ184銘柄のほとんどは確率論の手のひらの上で踊っています。すなわち、合理的な行動であったと言えます。
一方で、35万円以下と40万円以下の勝ち銘柄が、若干ながら二項分布から逸脱しているのは、そこにおいては非合理的な行動をしたことになります。
安い満足で利益確定してしまった
確率統計的に、もっと利益が出た銘柄が有ったはずなのに、40万円の利益の手前で売却してしまっています。
反省すべき点は、利益確定を早まってしまったことです。
-
タグ:
herohero1192 さん コメントありがとうございます。
私は文系で経済学部卒です。
証券市場の二項分布モデルは、ミクロ経済学の教科書から引用しています。
二項分布モデルは基本中の基本ですが、証券アナリスト試験のレベルではポワソン分布モデルのほうが重視されているようです。
ただ、私の投資履歴ではサンプルが少ないので、二項分布モデルで十分と判断しています。
ところで、分布モデルによる長期投資は、リスク最小化を目的としており、利益最大化は企図していません。
投資家はリスクを負うだけであり、利益最大化は事業家の責任だからです。
herohero1192 さんは、投資というより取引を指向されているようですので、私とは全く異なる行動規範によることと存じます。
ご健闘をお祈りします。
herohero1192 さん コメントありがとうございます。
世の中に株式会社が多いのは、株主が確率論的に利益が配分されるよう制度設計されているからです。
したがって、資本市場の制度設計を知りさえすれば、証券投資で安定した資産形成ができます。
言い換えれば、株式投資にはゲーム理論が適用可能です。
与件が開示されている限り、ゲームは始める前から勝負が確率論的に決まっています。
証券市場は開示とインサイダー規制が徹底されており、投資理論に沿った投資家に利益が配分されるよう制度設計されています。
それを知っている人が勝ち、知らない人が失うだけのことです。
私は素直に投資理論に従って堅実に資産形成します。
ジョージ・ソロスは投資理論の裏をかいて大富豪になりましたが、そういう天才に私はなれません。
herohero1192 さんは、賢いようなので、投資理論を打ち破ることを期待します。
herohero1192 さん コメントありがとうございます。
そんなつもりではないのですが、謝らせて申し訳ありません。
ミクロ経済学は、学部から今に至るまで私の専門分野です。 興が乗ってしまい語りすぎたと反省しています。