kabukabumanさんのブログ
週末にMSQを控えた今週の展開は?
金曜日のNY市場が大きく反発したことで、ECBの追加緩和に失望していた投資家心理は
かなり改善されたと思います。
NY市場の反発が、順調な雇用の改善に投資家が景気回復の実感を強く抱いたためと考えれば
素直に喜ばしいことですが、今年一年を通じた株価の反応は
「利上げ観測=下落」「見送り=上昇」というパターンを繰り返していただけに
少々違和感を覚えたというのが正直な気持ちです。
しかしその答えが出るのは時間の問題なので、先ずはFOMCの決定を待ちたいと思います。
一方東京市場は、先週までG.Sが日経平均先物12限を買い戻していましたが、取り敢えず終了。
またヘッジファンドによる買い観測も流れていましたが
日銀の追加緩和は無いとの判断から、こちらも峠を越えたものと思われます。
因みにヘッジファンドが売りに回った場合、注目して置きたいのは
JPモルガン、ABNアムロ、ニューエッジの先物売買状況で
特に週末のMSQに向けた売り崩しには注意が必要だと感じています。
勿論ここまでの予想は最悪のシナリオですが、日経平均の終値は8月10日の20800円から
世界的な株価暴落の影響を受け、9月29日16930円まで下落しました。
そして16930円からの半値戻しは18865円なので、一時20000円まで上昇した主な原因は
G.Sやヘッジファンドによる先物買いにあったのではないかと推察出来ます。
ですから、個人的には少々行き過ぎた反発だったと感じており
この先18900円辺りまで調整しても可笑しくないと考えています。
勿論、地合いが良ければ年内は19500円~20000円のレンジ内で推移する可能性が高く
その場合、今月のSQ値は、ざっくりその真ん中辺りではないかと勝手な想像をしています。
一方で明るいニュースもあります。
その一つ目は、7~9月期のGDP速報値-0.8%が+0.2%に上方修正される可能性です。
7-9 月期のGDP速報値では、名目ベースの設備投資が前期比-1.0%と2期連続の減少でしたが
先週発表された7-9 月期の法人企業統計では、設備投資が前期比+5.4%に増加しており
今週(12/8)発表される7-9 月期のGDP改定値では設備投資が上方修正され
実質GDPは前期比年率+0.2%増に修正される見通しです。
とはいえ、海外勢が反応してくれなければ、株価上昇の原動力になるとは限らず
取り敢えずFOMCの結果を見極めたいという投資家心理が働く筈なので
今週は比較的大人しい相場展開になりそうな気がします。
もう一つの期待要素は、捕らぬ狸の皮算用ですが、海外勢の買い余力です。
6~9月の株価下落局面で、海外勢は日本株をおよそ8兆円売り越したのに対し
10~11月の買い戻しは2兆円に止まっています。
単純に計算すれば6兆円の買い余力があると考えられますが
この中にはオイルマネーの引き揚げ分も含まれることが予想されるため
原油価格が低迷している間は、その分を差し引いて置くべきだと思います。
また、蛇足ですが、中東のオイルマネーはイスラム教に則り
金融、畜産、酒類、アミューズメント系の株を買うことは絶対に無く
日本を代表する製造業への長期・分散投資が主流なので、覚えて置かれると良いでしょう。
<今週の注目指標:赤字は国内>
12/8 (火) 7~9月期GDP2次速報(前年比) 予想+0.2% 発表時刻 8:50
中国11貿易収支(発表時刻未定) 予想641.5億USD 発表時刻未定
12/9 (水)10月機械受注 (前月比) 予想-1.6% 発表時刻 8:50
10月機械受注 (前月年比) 予想+0.4% 発表時刻 8:50
中国11月消費者物価指数 (前年比)予想+1.4% 発表時刻 10:30
中国11月生産者物価指数 (前年比)予想-5.9% 発表時刻 10:30
12/11(金)米11月小売売上高 (前月比) 予想+0.3% 発表時刻 22:30
12/12(土)中国11月鉱工業生産 (前年比) 予想+5.7% 発表時刻 14:30
中国11月小売売上高 (前年比) 予想+11.1% 発表時刻 14:30