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週末まとめ -6/14/2008-
1週間のまとめを書いてみます。
★アメリカ
週ベースですと、ダウは反発、ナスダック指数は続落、S&P500はほぼ変わらず、といったところ。先週金曜の失業率5.5%+原油急騰ショックを受けて景気回復への楽観が消え、インフレ懸念が強くなり、株式市場は原油価格の動向に振り回されました。また、リーマン・ブラザーズが赤字決算と追加増資を発表し、金融機関の損失はまだ計上されるのかと失望が広がり、大きく売り込まれる金融株も目立ちました。
長期金利がかなり上がってきています。水準的には、昨年末と同じくらい。今年の動きを振り返ると、年初からISMの景気指数と雇用統計のひどい数字が出て、そこからリセッションはほぼ避けられないという雰囲気になり、株式市場も大きく下げていきました。その間に、ソジェンの不正トレーダーやらモノラインやらベア・スターンズ破綻やらで、金融市場も大荒れでした。そして現在、長期金利が昨年末の水準まで戻っているといっても、これは景気が回復しそうだから戻っているのではなくて、その時よりもインフレ懸念が強くなっているから戻っていると思われます。マクロ経済指標を見ても回復はまだ先といった感じですし、何よりも株価が戻っていませんから。2003年頃から2007年頃までの、低インフレ、低金利、安定成長の経済環境(ゴルディロックスと言われます)は終わりました。今後は先進国も新興国も、インフレと経済成長を秤にかけながらの難しい舵取りを迫られるでしょう。金融市場も一度クラッシュしてガス抜きがある程度済んだといっても、実態経済の先行きが不透明ですから、ボラティリティの高い不安定な相場が続くと思います。
★日本
株式市場は先週までの強い動きは消え、様子見気分の強い相場でした。やや売りが優勢かなといった感じでしたが、大量に売りが持ち込まれる感じではありませんでした。円安ドル高が進んだので、海外市場に比べれば日経平均は値もちが良かったですが、ドル建て日経平均ですと、ストンと落ちています。
私は今のインフレ環境は原材料高によるところが多く、景気が強くて需要増からインフレが進んでいる(デマンドプルといいます)わけではないと思っているので、先週までの債券先物売り・株先物買いという動きには違和感を感じたのですが、今週は債券も株も売られたので、それなりに納得がいく動きでした。世界的な景気の先行きへの不安感が増したことから、海運や鉄鋼など景気に敏感が銘柄が大きく下げました。
現在、新興国の株式市場と通貨が大きく下げていて、新興国各国はインフレ退治のために金融引き締めを次々と行っています。もし仮に、新興国経済が急減速すると、米経済の減速を新興国への輸出増で補ってきた日本の輸出企業の業績にも打撃があるでしょう。
★為替
バーナンキFRB議長のインフレに対してのタカ派発言、ポールソン米財務長官の為替介入も辞さないという発言から、ドルが強い動きでした。ドル円は、一気に4円ほど円安に動きました。ドル円は上値が重くなってきた感じですが、ユーロドルが下に抜けそうなので、それに合わせてドルももう一段高があるかもしれません。
★商品
ドルが結構戻してきているのに、原油価格があまり下がっていないのが不気味です。ドルが再度売られた場合、原油がまた高値更新をするかもしれません。
★今週の予定
16日(月)
6月ニューヨーク連銀製造業景気指数(米)
6月NAHB住宅市場指数(米)
17日(火)
5月生産者物価指数(米)
5月住宅着工件数(米)
5月建設許可件数(米)
5月鉱工業生産(米)
GS決算発表(米)
18日(水)
モルガン・スタンレー決算発表(米)
19日(木)
5月景気先行指数(米)
6月フィラデルフィア連銀景況指数(米)
新規失業保険申請件数(米)
20日(金)
★アメリカ
週ベースですと、ダウは反発、ナスダック指数は続落、S&P500はほぼ変わらず、といったところ。先週金曜の失業率5.5%+原油急騰ショックを受けて景気回復への楽観が消え、インフレ懸念が強くなり、株式市場は原油価格の動向に振り回されました。また、リーマン・ブラザーズが赤字決算と追加増資を発表し、金融機関の損失はまだ計上されるのかと失望が広がり、大きく売り込まれる金融株も目立ちました。
長期金利がかなり上がってきています。水準的には、昨年末と同じくらい。今年の動きを振り返ると、年初からISMの景気指数と雇用統計のひどい数字が出て、そこからリセッションはほぼ避けられないという雰囲気になり、株式市場も大きく下げていきました。その間に、ソジェンの不正トレーダーやらモノラインやらベア・スターンズ破綻やらで、金融市場も大荒れでした。そして現在、長期金利が昨年末の水準まで戻っているといっても、これは景気が回復しそうだから戻っているのではなくて、その時よりもインフレ懸念が強くなっているから戻っていると思われます。マクロ経済指標を見ても回復はまだ先といった感じですし、何よりも株価が戻っていませんから。2003年頃から2007年頃までの、低インフレ、低金利、安定成長の経済環境(ゴルディロックスと言われます)は終わりました。今後は先進国も新興国も、インフレと経済成長を秤にかけながらの難しい舵取りを迫られるでしょう。金融市場も一度クラッシュしてガス抜きがある程度済んだといっても、実態経済の先行きが不透明ですから、ボラティリティの高い不安定な相場が続くと思います。
★日本
株式市場は先週までの強い動きは消え、様子見気分の強い相場でした。やや売りが優勢かなといった感じでしたが、大量に売りが持ち込まれる感じではありませんでした。円安ドル高が進んだので、海外市場に比べれば日経平均は値もちが良かったですが、ドル建て日経平均ですと、ストンと落ちています。
私は今のインフレ環境は原材料高によるところが多く、景気が強くて需要増からインフレが進んでいる(デマンドプルといいます)わけではないと思っているので、先週までの債券先物売り・株先物買いという動きには違和感を感じたのですが、今週は債券も株も売られたので、それなりに納得がいく動きでした。世界的な景気の先行きへの不安感が増したことから、海運や鉄鋼など景気に敏感が銘柄が大きく下げました。
現在、新興国の株式市場と通貨が大きく下げていて、新興国各国はインフレ退治のために金融引き締めを次々と行っています。もし仮に、新興国経済が急減速すると、米経済の減速を新興国への輸出増で補ってきた日本の輸出企業の業績にも打撃があるでしょう。
★為替
バーナンキFRB議長のインフレに対してのタカ派発言、ポールソン米財務長官の為替介入も辞さないという発言から、ドルが強い動きでした。ドル円は、一気に4円ほど円安に動きました。ドル円は上値が重くなってきた感じですが、ユーロドルが下に抜けそうなので、それに合わせてドルももう一段高があるかもしれません。
★商品
ドルが結構戻してきているのに、原油価格があまり下がっていないのが不気味です。ドルが再度売られた場合、原油がまた高値更新をするかもしれません。
★今週の予定
16日(月)
6月ニューヨーク連銀製造業景気指数(米)
6月NAHB住宅市場指数(米)
17日(火)
5月生産者物価指数(米)
5月住宅着工件数(米)
5月建設許可件数(米)
5月鉱工業生産(米)
GS決算発表(米)
18日(水)
モルガン・スタンレー決算発表(米)
19日(木)
5月景気先行指数(米)
6月フィラデルフィア連銀景況指数(米)
新規失業保険申請件数(米)
20日(金)
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>先進国の人間がちょっとお金持ちになりたいと理由でコモディティに投資することで、発展途上国の人々の生活を壊しているのですから。
なんかはっとさせられました…
そこまで考えが及んでいるんですね。
また目からうろこが落ちました。。
ありがとうございます。
こんばんは。しばらくは、ドル建て日経平均とナスダック指数の連動性が高そうですね。ドルは、ユーロドル、ドルスイスともに、抜けるか戻るかの位置にいるので、来週の動きは大事そうです。
はんちくさん、
こんばんは。原油先物に売りが溜まっているかはわかりませんが、もし溜まっているならその反対側のポジションは、長期の買い(年金や投信)でしょうから、それが解消されないと中々下がらなそうです。最近は、各国のお偉いさんからも原油やばい発言が相次いでいるので、少し大人しくなってくれるかもしれません。でもまあ、債券も株もあんまり良くなくてインフレヘッジをしたいとなれば、消去法で原油にいかざるをえないのでしょうね。
私は個人的には、コモディティを投資対象とすべきではないと思っています(実需筋が出す玉を吸収する目的での投機はOKだと思います)。個人投資家がコモディティ投信などを購入するのもいかがなものかと思います。先進国の人間がちょっとお金持ちになりたいと理由でコモディティに投資することで、発展途上国の人々の生活を壊しているのですから。
「原油が、少し前のダウと同じ状態」なんだと思ってます。売りのポジションが蓄積し、下がらない。ちょっとの材料で、踏み上げ目当ての買いとともに上げていく。
株にも債権にも行かない金が、「ドル高で、原油を積極的には買えないまでも、最もパフォーマンスが良さそうなので、ちまちま金を流している」といったイメージで見ています。また何かのきっかけで、140突破の爆発を見せる可能性が高い。
生活に直結する商品なので、いい迷惑です。
今週来週はヤマですね。ここ最近では、一番怖い週と考えています。
>ドル建て日経平均ですと、ストンと落ちています。
ここは私も実は確認しました(^^ゞ
>ユーロドルが下に抜けそうなので、それに合わせてドルももう一段高があるかもしれません。
来週もポイントになってきそうな感じします(^^ゞ
>ドルが結構戻してきているのに、原油価格があまり下がっていないのが不気味です。
金価格を見ても下がらないんですよね。。。
もうそろそろ調整には行ってもいいはずなのに、
と思って見てます(^^ゞ