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【日本株週間展望】上値重く踊り場、円安一服響く-個人支え

1月10日(ブルームバーグ):1月第3週(14-17日)の日本株は上値が重く、踊り場の局面となりそうだ。昨年末にかけて強まったリスク選好の流れに停滞感が出ており、為替の円安進行も一服、自動車など輸出関連株は敬遠されやすい。ただ、相場の先高観は根強く、個人投資家などによる買いが株価を下支えする。

ベアリング投信投資顧問運用本部の溜学部長は、中央銀行のアクションに対する期待を背景に、日本を含めた先進国では実体経済の改善以上に、「資産価格が先取りして動いている感がある」と言う。目先は、昨年末にかけて上げが大きかった株価や金利の調整など、「リスクオンに行き過ぎた分を修正しなければならない」と話している。

1月2週の日経平均株価 は、昨年の大納会に比べ379円25銭(2.3%)安の1万5912円6銭と5週ぶりに反落。中国で景況感の改善が鈍化したほか、年末年始の休場中に米国株が軟調だった影響も受け、ことしの大発会は6年ぶりに下落した。その後も、為替の円安一服などが響き、弱含む場面が目立った。

中国では、1日に発表された昨年12月の製造業購買担当者指数(PMI)が前月から0.4ポイント低下し、51.0と4カ月ぶりの低水準となった。英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが6日に発表した同月のサービス業購買担当者指数(PMI)も前月比1.6ポイント低下の50.9。景気判断の分かれ目となる50を依然上回るが、共産党指導部にとっては、改革と景気刺激の間で難しいかじ取りを
強いられる状況が続く。

米国株、円安の勢い弱まる

米国株は、S&P500種株価指数 が昨年12月31日に終値で1848.36の史上最高値を付けたが、その反動に加え、米金融当局による緩和策縮小のペース加速に対する警戒もあり、年明け後は軟調な値動きだ。

一方、投資家が運用リスクを積極的に取る昨年後半の流れが停滞している影響で、為替市場では円安の勢いが一服している。ドル・円相場は2日に1ドル=105円44銭、ユーロ・円は昨年12月27日に1ユーロ=145円69銭と、ともに約5年3カ月ぶりの円安水準を付けたが、その後はやや円高方向で推移。自動車や電機、機械、精密機器など輸出関連業種にとっては、追い風が弱まっている。

ベアリング投信の溜氏は、直近で株が下落しても、国債の利回り が下がりににくくなっている点を警戒。賃金が上がらない中でモノの値段は切り上がり、購買力が奪われていく「悪いインフレ」を織り込みにいき、債券から株への「『グレートローテーション』に対する懐疑が湧いてくる可能性」を指摘した。

もっとも、相場全般の下値は限定されそうだ。SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは、米国での金融政策や景気の正常化、日本銀行の追加金融緩和などへの期待の高まりに加え、業績予想が上方修正優勢で推移することも支援材料になるとみる。こうした好材料は、「主に年前半に集中するため、春先にかけての日本株は強い地合いで推移する」と予想した。

個人買いへの期待、米国は金融決算

株式需給面では、昨年の株高で懐が温まった個人投資家 の買いが下支え役として機能するとみられる。信用取引を通じ日本株を買った投資家の含み損益を示す信用評価損益率 は、昨年12月27日時点でマイナス3.9%と、過去5年の平均(マイナス12.5%)から大きく好転している。年明けから始まった少額投資非課税制度(NISA)の口座を通じた個人からの資金流入期待も強い。

大和証券投資戦略部の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは、通常国会で来年度予算が審議され、東京都知事選も予定される中、社会インフラの再構築に対する期待が高まりやすく、「1-2月の建設株に注目」する。道路や橋梁株のほか、鉄道やトンネル関連などにもメリットがあると同氏。「ゼネコン株も大きな波動が期待できる時期になった」と指摘し、春先にかけては建設株のほか、不動産、銀行も含めた内需関連株の上昇期待が強いとしている。

1月3週は、米国で14日に昨年12月の小売売上高、15日には地区連銀経済報告(ベージュブック)、16日はフィラデルフィア連銀の1月の製造業景況感指数、17日は12月の住宅着工件数や鉱工業生産・設備稼働率が発表される。ブルームバーグ調査の予想中央値によると、小売売上高は前月比0.1%増(前回0.7%増)。

このほか、米国では金融大手の10-12月期決算発表が相次ぎ、14日にJPモルガン・チェース、15日にバンク・オブ・アメリカ(BOA)、16日にゴールドマン・サックス・グループやシティグループが予定。16日は、半導体世界最大手のインテルの決算発表もある。9日に発表されたアルミ生産最大手アルコアの決算がさえず、10日の日本株相場の重しとなったため、米決算の動向は注視されそうだ。

国内では14日に12月の景気ウオッチャー調査、16日には11月の機械受注や日銀による地域経済報告が公表予定。機械受注は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」のブルームバーグ調査の予想中央値で、前月比1.0%増(前月0.6%)となっている。

1件のコメントがあります
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    そら豆の株予報さん
    2014/1/10 18:03
    来週発表の経済指標。超重要なものは太字

    1/14 08:50 日 11月 経常収支・貿易収支

    1/14 14:00 日 12月 景気ウォッチャー調査現状判断DI
    1/14 18:30 英 12月 卸売物価指数
    1/14 18:30 英 12月 消費者物価指数
    1/14 18:30 英 12月 小売物価指数
    1/14 19:00 欧 11月 鉱工業生産
    1/14 22:30 米 12月 小売売上高
    1/15 22:30 米 12月 卸売物価指数
    1/15 22:30 米 1月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
    1/16 04:00 米 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
    1/16 08:50 日 11月 機械受注
    1/16 09:30 豪 12月 新規雇用者数
    1/16 09:30 豪 12月 失業率
    1/16 16:00 独 12月 消費者物価指数
    1/16 19:00 欧 12月 消費者物価指数
    1/16 22:30 米 前週分 新規失業保険申請件数
    1/16 22:30 米 12月 消費者物価指数
    1/17 00:00 米 1月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数
    1/17 18:30 英 12月 小売売上高指数
    1/17 22:30 米 12月 住宅着工件数
    1/17 23:15 米 12月 鉱工業生産
    1/17 23:55 米 1月 ミシガン大学消費者態度指数
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