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日本株急落の謎
急落の背景は、コンピューターによるロボットトレードの基本は4パターン1 トレンドフォロー型相場が上昇すると買い上がり、下落すると売る、相場の流れに追随する取引方法。人間と異なりコンピューターは「震えない、喜ばない、疲れない」。相場が1000円、2000円と大きく下げたときにも怖くなって売れなくなったり、値ごろ感から買ったりするという「投資家心理」を挟まずに、機械的に追随売りを出す。5月23日以降の下げ局面で中心となったプログラムと言われている。2 ブレイクアウト型相場が新高値を更新すると買い、新安値で売るなど、相場が節目を突破するとさらに同じ方向に勢いづかせるプログラム。日経平均は3カ月間の平均売買値である75日移動平均(1万3034円)に接近しており、この節目を下回るようなら、「ブレイクアウト型」がさらに売り乗せしてくる可能性。3 ボリューム・モメンタム型売買高や価格の変化率上昇に応じて売買を拡大してくる値動きを激しくするのに一役買っている。今後、調整局面が落ち着き、株価が反騰する局面で登場しそうなのが「ブレイクアウト型」だ。トレンドフォロー型の逆のタイプで、上昇トレンドのもとで買われすぎたり、下落トレンドが続いて売られすぎたと判断すると、安値買いや高値売りを繰り返しながら、トレンドの最後に起こる反落、反騰を利用して収益機会を広げようとする。今年5月に病気で急逝した草野豊己氏 CTA(先物投資顧問)と呼ばれる、こうしたコンピューター売買のマネーは世界で数十兆円ある。そのうち1~2割が現在、日本株に向かっている。安倍政権の経済政策「アベノミクス」を機に、海外投資家の注目度が一気に高まり、収益機会が増えたため。 コンピューター売買が増幅した日本株相場の急落は、グローバルマクロ型など人間の相場観も加味して投資判断を下すヘッジファンドも「日本株の持ち高をいったん圧縮する」(ゴールドマン・サックス証券 宇根尚秀)要因。投資家は、保有株の価格にボラティリティーと呼ばれる予想変動率を乗じてリスク量をはじいている。市場が織りこむ相場の先行きの変動率を示す日経平均ボラティリティ・インデックスは5月半ばの20%台から37.4%と急上昇。強気投資家も、リスク許容度の低下で日本株を持てる量が上限に達し、機械的な投げが出て、さらに値が下がるという循環。プログラム売買の世界では、想定外に打ち出される規制は厄介な存在。急落後の5月28日、麻生副総理は「1日にこれだけ乱高下するというのは、あの機械のおかげだ」とコンピューター売買が相場の乱高下の大きな要因と認めながらも、「痛い目にあわないと治らない」と述べ、規制はなじまないと示した。甘利済財政も規制に言及せず、コンピューター売買容認と受け止められた。突然の規制というリスクを気にせず、売買できる環境が続くと受け止められた。米2010年5月、「フラッシュ・クラッシュ」取引後、決まった約定が取り消されるという異例の事態が起きた。約定を取り消しされる恐れがある市場環境は、損益が確定しないという事態が起きうるため、コンピューター売買にとってはリスクが大きい。以後、米ではコンピューターによる派手な売買が影を潜めた、株価の振幅そのもので稼ごうとするマネーは今、日本市場を狙っている。
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