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12厚年基金が解散検討 AIJ被害の損失も

 

 全国の積立金不足の厚生年金基金に共同通信が取材した結果、東京都などの12基金が解散を検討していることが7日、分かった。うち2基金がAIJ投資顧問の年金資産消失事件で損失を被っていた。財政状態が悪化し資産運用の好転も見込めず、存続が難しいとの認識が基金の間で広がりつつある実態を浮き彫りにした。

 厚生労働省の有識者会議も6月末、財政健全化の見込みがない厚年基金に解散を促す方針を打ち出している。解散すれば、企業はこれまでの積み立て不足を穴埋めするため追加負担を求められる。一方、受給者や従業員は企業独自の上積み分を失い、公的年金しか受け取れなくなる。厚年基金は企業年金の一種で、企業独自の上積み分だけでなく、公的年金である厚生年金の一部も合わせて資産を運用し年金を給付している。だが株価低迷などによる運用成績の悪化で、基金として保有していなければならない上積み分の資産に加え、国に代わって運用する公的年金分の積立金さえ不足する基金が増加。2010年度は全595基金のうち213基金に上る。

 取材対象は財政状況が特に悪化している100基金で、ほとんどは中小企業が集まってつくる「総合型」。21基金が匿名を条件に回答し共同通信が集計した。常務理事など実際に運営する担当者と、構成企業との意見調整が難しく、回答を控えた基金が多かった。

 解散について「具体的に検討」が3基金で「今後、検討」は9基金。「掛け金引き上げが難しい」(北海道の基金)などの意見が寄せられた。

 解散を「検討してない」としたのは6基金。「受給者のため存続させるべきだ」(兵庫県の基金)といった不満の声が目立った。その他・無回答は3基金だった。

 代行割れ基金が解散する際、現在は基金に加盟する企業が連帯責任で債務を返還しなければならない。この仕組みを撤廃する有識者会議案については「賛成」18基金、「反対」2基金、「分からない」が1基金だった。

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