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欧州の状況と日本のCDS

先週はもう一段の大きな下落が予想されましたが、欧州首脳の対応が予想外に早く、大きな下落はせずに乗り切りました。週末には欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充案がドイツ連邦議会の承認を得、一つの大きな山場を超えたと言えるでしょう。しかし、この枠組みはEU全体としてのもののため、これからEU参加各国での議決が待っています。どこか一カ国でも否決されれば枠の拡大はできませんので、まだ気を抜くことはできない状況には違いありません。当のギリシアではようやく追加緊縮策の実施が決定し、先週再開したEU、IMF、ECBの三者調査団へのアピールをしています。
しかしこの先はギリシア首脳がいくらがんばってもギリシア国民の努力が不可欠で、追加緊縮策の内容である公務員削減の実現は簡単ではないと考えられます(実際、先週も削減人員のリストアップを行う予定だったものが、各部門長を含む職員からの猛烈な反発にあい、内閣への提出に至らないままとなっています)。この状況が変わらない限り「働く気がなく浪費をやめない人に、借金を返すための借金をさせている」状況に変わりはないため、いずれまた欧州を震源としたより大きな経済不安がやってくる可能性が高いと言えるでしょう。
今週はまず昨日から続いているユーロ圏と欧州連合財務相会合の結果が今日発表されます。また、6日には欧州中央銀行の定例政策委員会も予定されており、ギリシア動向への対応が注目されます。先週前半はECBでのユーロの利下げが見込まれていたのですが、先週中に欧州各国がある程度の手を打って状況が改善しつつあることから、利下げは行われないのではないかという見方が広がっています。
また、アメリカでは水曜日にADP雇用統計、金曜日には失業率、非農業部門雇用者数の発表が予定されています。アメリカではデッドシーリング問題の余波から民間部門だけでなく公共セクターでも人員削減が進んでおり、ここのところの高い失業率にはこれが関係しているものと考えられます。ただ、先月の雇用統計では若年層の雇用がやや上向いていることが見て取れ、改善に向けた動きは少しずつですが出てきていると見ることができました。今月はその傾向が続いているかを見ることが重要になります。
最後に、現時点で何かがわかっている訳ではありませんが、ここ数週間の気になる動向として日本国内企業のCDSスプレッドが上昇しているということを書いておきます。日本国債も同様で、5月から上昇トレンドに転じてはいたのですが、短期物も含めて9月に入ってから上昇幅が大きくなっており、水面下で何か良くないことが進行している可能性があります。CDSスプレッドはデフォルトした時のための保険料率のようなものですから、単純に考えれば日本全体がデフォルトの危機にあると考えることもできます。デフォルトまでいかなくても何か悪い材料が出てくる可能性はありますので(少なくともCDSを取引している人たちはそう考えているということは間違いありません)、警戒しておきましょう。
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