[東京 16日 ロイター] きょうの東京株式市場で日経平均は続落となる見通し。米国景気回復の減速懸念が継続するなか、足元でドル安/円高に振れていることから、輸出株を中心にもう一段押される展開が予想されている。その後は、3連休を控えた週末で様子見姿勢が強まり、もみあいになりそうだという。
日経平均の予想レンジは9550─9750円。
15日の米株式相場はほぼ変わらずとなった。終盤にゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)やBP(BP.N: 株価, 企業情報, レポート)に買いが入り、下げ幅の大半を取り戻した。BPは7.6%急伸。メキシコ湾で原油の流出を食い止めたと明らかにしたことが支援材料となった。
JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)が発表した第2・四半期決算は利益が予想を上回ったが、同社の景気見通しは慎重な内容となった。
大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所投資戦略部・部長の高橋和宏氏は「JPモルガンの好決算など企業業績面での期待感は依然、強い一方、経済指標でみたマクロ面での鈍化が市場の不安材料となっている」と述べた。米フィラデルフィア地区連銀が発表した7月の製造業業況指数は予想外の低下となり、7月のニューヨーク州製造業業況指数は2009年12月以来の低水準となった。米労働省が発表した6月の卸売物価指数(PPI)は、総合指数が3カ月連続で低下。季節調整済みで前月比0.5%低下し、市場予想の0.1%低下よりも大幅な落ち込みとなった。
きょうの東京市場は円高を嫌気して売りで始まる一方、下値も限定的とみられている。日興コーディアル証券エクイティ部・部長の西広市氏は、ゴールドマン・サックス・グループ(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)と米証券取引委員会(SEC)の和解や米上院での金融規制改革法案の可決、欧州の銀行のストレステスト(健全性審査)に対する不安後退などが下支え要因になる、と指摘する。ただ、「株価は短期的な過熱感がまだ残っており、利益確定売りも出やすい」とみている。
15日の米国株式市場通常取引終了後の時間外取引で、ゴールドマン・サックスは一段高となっている。米証券取引委員会(SEC)が証券詐欺の容疑で同社を提訴していた問題で、SECは15日、ゴールドマンが5億5000万ドルを支払い和解することで合意したと発表した。
16日付日経新聞朝刊は、日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)と仏ルノー(RENA.PA: 株価, 企業情報, レポート)がロシア政府系の自動車最大手アフトワズと共同で、小型乗用車を生産することが明らかになったと報じた。ルノーの戦略小型車の車台(プラットフォーム)を3社が共通化し、アフトワズのトリヤッチ工場で2012年から年30万台を生産する。投資額は3社で4億ユーロ(約450億円)と同紙は伝えている。