木下 晃伸さんのブログ
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西川・郵政社長が辞任表明
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● 【本日のニュース】/西川・郵政社長が辞任表明
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日本郵政の西川善文社長(71)は20日夕に日本郵政本社で記者会見し、辞任
する意向を正式に表明した。西川社長は政府が同日午前に閣議決定した郵政
事業の見直し方針について、現在の経営路線と「大きな隔たりがある」とし、
経営トップとしてかじ取りを続けることは「適切でない」と判断した。後任
の社長には民間からの起用が有力だ。
(2009/10/21付日経速報ニュースより抜粋)
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【ニュースの深層】西川氏辞任は「国家の損失」
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸です。
■昨日発表があった日本郵政、西川社長の辞任劇。私はこれを「国家の損失」
に値すると考えています。
なぜなら、西川氏が辞任するに至った過程は、世界の金融業界からすると
「逆行」していると見られるからです。
■現実問題として、日本の金融業界は、ここ数ヶ月世界の金融株が軒並み上
昇している中下落、資産価値の消失額たるや十数兆円にのぼります。
官僚批判をして無駄遣いをなくすことは重要です。羽田空港のハブ化も私は
賛成ですし、ダムに関しても考え方は一理あるとは思います。
その一方で、民主党政権が発足してから、世界との格差が、少なくとも株式
市場においては如実に出ていることに対して、もっと敏感になってもいいの
ではないでしょうか。
■象徴的な問題が、郵政民営化です。
私は西川氏が進めていた郵政の民営化は、投資家として賛同すべき方向に動
いていたと考えますし、日の丸金融機関として世界と闘っていける金融機関
の誕生があれば、再び日本の金融業界は世界で存在感を出せる可能性もある
と考えていました。
その可能性がなくなった今、日本の金融業界は、地盤沈下を余儀なくされる
と思います。そして、金融は国家の力を示すものでもあることを考えれば、
日本自体の魅力も、世界に比べ相対的に落ちてしまうのではないか、と危惧
せざるを得ません。
(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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