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米金融市場、大半は機能不全

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● 【本日のニュース】/米金融市場、大半は機能不全
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アリソン米財務次官補(金融安定化担当)は24日、米上院銀行委員会の公聴
会で証言し、「景気回復は始まったが、金融市場のかなりの部分は依然とし
て正常に機能していない」と述べた。


(2009/09/25付日経速報ニュースより抜粋)


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【ニュースの深層】機能不全でも上がる米金融株をどう考える?
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■“100年に一度の危機”から平時に戻りつつある世界経済。感覚はまだまだ
不況感がありますが、少なくとも株式市場は平穏に戻っています。


具体的には、多くの企業がリーマン・ショック水準にまで回復している点を
挙げることで理解が早くなります。特に、瀕死の状態であった米金融株の多
くが、リーマン水準を回復していることがハッキリと示しています。


※Goldman Sachs Group, Inc. (Public, NYSE:GS)

http://www.google.com/finance?q=gs



■しかし、米金融機関を取り巻く環境は、決して好転しているわけではあり
ません。


実際、金融安定化担当であるアリソン米財務次官補は、米金融市場は正常に
機能していない、と発言している訳です。


では、なぜ株価は上がるのでしょうか。それは、株式市場は「期待」によっ
て構成される部分があるからです。


金融機関でいえば、公的資金注入等、政府支援による救済がある、と考えれ
ば、これはモラトリアム(支払い猶予)であり、何でもありだ、という期待
を持つ投資家が増えてくることは自明の理です。



■では、これがそのまま素直にダメなのか、というとそうでもありません。


モラトリアム、つまり支払い猶予期間中にしっかりと傷を癒し、回復後に再
び活躍できるのであれば、モラトリアム期間の存在は必要不可決、というこ
とになります。


過去、景気後退期から改善に向かう途上において、まず重要なことは公的機
能である金融機関の解決策が不可決であることはハッキリしています。


そして、その後本格回復を経てさらに上昇、ということになる。



■市場は、少なくとも現在までは米国当局の動きを信認していることになり
ます。


信認できるのであれば、さらに株価は上昇するということになりますし、私
は、米国当局の施策に対しては、信認するという立場をずっと採っています。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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