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ブログ

【投資脳のつくり方】イノベーションのジレンマ

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●【本日のニュース】/中国での販売日本抜く、日産は台数・コマツは売上高
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自動車や建設機械の販売で日中逆転が起きている。日産自動車は1~7月の中国での販売台数が日本を抜き、建機ではコマツの2009年4~6月の中国売上高が地域別のトップになった。大手メーカーは対外直接投資を米欧中心から中国など新興国に切り替えており、収益面でも対中依存は高まっている。日本を含む先進国市場が伸び悩むなか、中国が日本メーカーの最重要市場になってきた。


(2009/09/08付日本経済新聞朝刊1面より一部抜粋)


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【ニュースの深層】イノベーションのジレンマ
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。


■いまから8年も前、「イノベーションのジレンマ」という書籍を読み、衝撃を受けた記憶があります。


著者のクレイトン・テンセンは、日本語版刊行に当たって現在の日本企業がこれから直面していくであろう予言を行っていたからです。


「すぐれた経営者は、市場の中でも高品質、高収益率の分野へ会社を導くことができる。しかし、会社を下位市場へ導くことはできない。日本の大企業は、世界中の大企業と同様、市場の最上層まで上り詰めて行き場をなくしている」



■いまの日本企業は、クリステンセンの予言通りになっていると言えます。


確かに、中国の需要が日本企業の中で占める割合は大きくなってきます。例えば、日産は10年3月期の連結決算で1000億円の営業赤字を見込む。中国では200億~400億円の利益貢献があるもようです。


しかし、日産自動車がピークで稼いでいた営業利益は約8000億円。これだけ好調であり、すでに世界一の自動車販売大国である中国においても、ピークの5%程度を占めるに過ぎないのです。



■これでは、日産自動車の規模を賄うことはできません。同様にインドも同じでしょう。


インドはすでにスズキがシェア5割を握っています。例えば、この牙城を一瞬で日産やトヨタ、ホンダがシェアを奪いきったとしても、実際に、これら企業群に対して与える影響は数%。


いくらインドの伸びが著しくとも、日本の大企業を救う救世主にはすぐにはなりえないのです。



■ほか日本企業も同様の悩みを抱えています。いままで収益を稼いできた米国市場は、かつてのような収益貢献にまで伸びない可能性があります。


いま、日本企業は、大変な試練に立ち向かっているということは忘れてはいけない事実だと思います。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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