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【投資脳のつくり方】民間債務、ロシア、繰り延べ要請へ

2009年2月10日(火)本日お伝えする内容はこちら!

1. 【ロシア】民間債務、ロシア、繰り延べ要請へ
2.【日本】日産、成長戦略を一時中断
3.【中国】ばら積み船運賃―中国向け回復で底入れ感

─────────────────

1. 【ロシア】民間債務、ロシア、繰り延べ要請へ


(出所)2009年2月10日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●新興国が信用面で再び懸念が台頭している
 ●ロシアの金融危機が波及するのは欧州
 ●債券、外国為替市場から株式市場を分析する


9日、ロシア最大の金融業界団体であるロシア地域銀行協会のアクサコフ会長
が日本経済新聞に明らかにしたところによると、ロシアが民間債務の返済繰
り延べ交渉を欧州をはじめとする外国銀行に要請する。銀行業界幹部による
と、対象となるのは最大4000億ドル(約36兆円)。


自国が金融面で混乱しているということは、他国からの信頼が落ちる、とい
うことに他ならない。実際ロシア国債を多く組み入れている米ETF「EMB(NYSE)
」は、一時は100ドルを回復する動きを見せていたが、ここ最近は下落基調と
なっている。

※iShares JPMorgan USD Emer Mkt Bnd Fd ETF (Public, NYSE:EMB)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3AEMB 


また、日本の金融機関のロシア向け債権は数百億ドルと見られ、影響はそれ
ほど大きくないと見られるが、ロシアや東欧向け融資が比較的多い欧州では
銀行への市場の不信感が強まる可能性が出てきた。その結果、外国為替市場
では、ユーロが対ドルに対し、再び下落基調となっている。

※CurrencyShares Euro Trust (Public, NYSE:FXE)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3AFXE 


債券の不調、欧州の落ち込みは、そのまま世界的な株価下落要因になりうる。
しかし、背景を理解し、注目すべきアセットを知った上で、下落可能性を準
備しておけば、下落時をチャンスと捉えることができる。



2.【日本】日産、成長戦略を一時中断


(出所)2009年2月10日付日本経済新聞朝刊1面等より



 ●日産自動車が守りの姿勢を鮮明に
 ●需要が減退する中、「キャッシュ」が王様
 ●各社リストラモードは、回復に向けての第一歩


日産自動車は9日、2009年3月期の連結決算で最終的なもうけを示す最終損益
が2650億円の赤字(前期は4822億円の黒字)になる見通しだと発表した。従
来予想は前期比67%減の1600億円の黒字。


強気で知られるカルロス・ゴーン氏も「需要急減に円高や金融危機が重なる
三重苦は経験したことがない」と今の苦境を強調する発言、今回の自動車不
況を「全治7年」とし危機感をあらわにしている。


それもそのはず。過剰な生産能力と2兆円超の有利子負債にあえいでいた過去
の日産危機は、やれることがハッキリしていた。村山工場をつぶし、借金を
返していった。さらに、自動車業界自体は好調だった。結果として、V字回復
を遂げたわけだ。


一方で、健全。しかし、最終赤字になるということは、手元流動性を食いつ
ぶして行くことになる。キャッシュを作今回は日産の手元流動性は昨年9月末
で5000億円超。自己資本に対する有利子負債も1.39倍と財務体質はり出して
いかなければならず、守りの姿勢を余儀なくされる。


企業の戦略としては正しい行動だが、各社が一斉にリストラモードに入ると、
今度はマクロ環境全体が落ち込んでしまう「合成の誤謬」に陥る。ただし、
企業が回復するときには、必ず通らなければならない道でもある。本格的な
リストラモードは今年がスタート。裏を返せば、回復に向けて一歩が踏み出
されたと考えることができる。悪材料と見るか、好材料と見るか、私は後者
と考えたい。



3.【中国】ばら積み船運賃―中国向け回復で底入れ感


(出所) 2009年2月10日付日経産業新聞17面より



 ●中国需要に着目すると投資のヒントが満載
 ●具体的には「バルチック海運指数」の上昇に現れている
 ●国際商品市況に着目すると、08年との違いがハッキリする


外航不定期船市場で、鉄鉱石や穀物を運ぶばら積み船の市況が上向いている。

※バルチック海運指数
http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/tm/chart.cgi?code=0807


しかし、これらの事象は、当メールマガジンでも何度かお伝えしてきたよう
に、背景には中国の需要増大がある。特にインフラ需要が増大する中国は、
鉄鋼需要が大きく、原料である鉄鉱石の需要を見ると分かりやすい。実際、
鉄鉱石を運ぶケープ型(積載重量15万トン超級)の運賃は、ブラジル―東
アジア間で現在、1トン20ドル程度。昨年12月初めの安値に比べ3倍に
上がっている。


中国に関しては、投資対象として大きな魅力があるとして、「投資脳のつく
り方~海外株バージョン~」、(http://www.mag2.com/m/0000271838.html
まぐまぐとの共同企画「木下晃伸の中国株ニュース徹底解説」
http://money.mag2.com/invest/china/)を昨年秋から立ち上げている。ご
興味ある方はこちらをぜひご覧いただければ幸いだ。こちらは両方共に無料
となっている。


また、有料のプレミアムメールマガジン「木下晃伸をファンドマネジャーに雇
いませんか?(ゴールドリポート)」(http://premium.mag2.com/lineup/P0006893/
では、昨年12月には中国の需要に着目し、具体的な投資対象を含めた情報をご
提供している。ご興味ある方はこちらもご覧いただきたい。



(文責:木下 晃伸 きのした てるのぶ)

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