●米国雇用統計のインパクト

[曹操さん]

 

１月の非農業部門雇用者数は59万8千件の減少となった（市場予想はマイナス50万件、前月はマイナス52万８千件）。この数字を見る限り米国の雇用統計は更に悪化しているが、事前に市場は雇用統計の更なる悪化を見込んでいたため、影響は限定的。むしろ、来週明けにも採決される大型景気対策に対する期待感が上回り、6日NYダウも200ポイント超の大幅続伸となった。ドル円レートも円高どころか逆に買われる展開となり、92円台までドルが買われる場面もあった。小生的には雇用統計のネガティブインパクトにより株式市場はいったん売り転換になると予想していたが、NYの大幅続伸を受けて来週は買いが優勢になる地合いになりそうだ。とりわけ香港市場は中国当局の産業支援策を背景に騰勢が強くなると思う。ただ、日本市場は企業業績悪化により、売り圧力も強くなると思われ、他国の株式市場にも少なからず影響が及んでくる可能性もある。差し引きでプラスマイナスゼロだったりするかもしれないが当日の寄り付きを見てみないと何とも言えない。今月の最大のマイナスインパクトをもたらす可能性のあった雇用統計をこなしたことで目先の大きな悪材料はなくなった。市場の焦点は米国ビッグスリー融資問題に再度うつっていく。