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9月2日の戻り高値@39,080円を上抜けしたが・・・

昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +260.36 @42,175.11, NASDAQ +108.09 @18,190.29, S&P500 +23.11 @5,745.37)。ドル円為替レートは146円前半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が642に対して、下落銘柄数は928となり、下落銘柄数の方が多かったが、株価指数は大きく上昇した。騰落レシオは115.78%。東証プライムの売買代金は5兆6354億円。

TOPIX +20 @2,741
日経平均 +904円 @39,830円

米国では、新規失業保険申請件数が21.8万件(>予想22.5万件)と予想を下回り、労働市場が堅調なことを示した。8月耐久財受注は前月比変わらず(>予想はマイナス2.6%)、4-6月期GDP確報値は改定値の+3.0%と変らずとなった。米経済はソフトランディングしつつあるとの期待がますます高まった。米長期金利(10年債利回り)は前日の3.78%から3.80%へ上昇した。中国当局は24日に既に預金準備率を引き下げて景気刺激策を打ち出していたが、26日には追加で不動産市場の安定化を図る支援策も打ち出した。中国経済の恩恵を受けやすいキャタピラーやスリーエムなど資源・産業資材関連銘柄が上げた。また、好決算を発表したマイクロンテクノロジーが約15%上昇し、他の半導体関連銘柄も上げた。景気後退しない中での利下げは株高となり易いという経験則がある。FOMO(=Fear of Missing Out: 今行動しないと自分だけ取り残される恐怖)で多くの投資家が株を買うように突き動かされている。

本日9月27日の東京市場では、自民党総裁選挙で高市早苗経済安全保障大臣が得票数トップとなった。彼女はアベノミクスの継承を掲げる政策を公約しているため、日銀の利上げに反対しており、金利低下・円安の「高市トレード」が活発になったことで、日経平均は大幅高となった。外為市場では、1ドル=146円台まで円安ドル高が進んだため、トヨタ自動車など輸出関連銘柄が目立って上げた。配当権利落ち分が約261円あったが、それを完全に撥ね退けて上昇した。

しかし、自民党総裁選挙は大引け後の決選投票で、日銀の独立性を尊重し、金融所得課税強化を訴えている石破茂元幹事長が勝利した。これを受けて、外為市場では146円台から一挙に142円台の円高ドル安となった。日経平均先物は時間外で急落しており、午後9時40分現在、38,000円割れ目前となっている。大阪取引所の夜間取引では、取引開始直後に売りが殺到して前日比2,000円以上安となったため、誤発注などを防止する目的で一時的に強制的に売買停止をする「ダイナミック・サーキット・ブレーカー」が発動された。これは上下に8%動いた場合の通常の「サーキット・ブレーカー」とは別の強制一時売買停止措置である。石破氏の自民党総裁選での勝利を受けて、日銀は利上げがしやすくなり、140円台の円高ドル安は射程圏内に入り、新発10年債利回りは0.805%から一時0.855%へ急上昇した。

日経平均の日足チャートを見ると、目先の目標だった9月2日の戻り高値@39,080円を長大陽線で軽く上抜けした。チャートだけ見るとさらに上に行きそうな勢いだが、株価を動かす原因はチャートそのものでなく、チャートは結果に過ぎない。株価を動かす真因は業績見通し(=予想EPS)と期待(予想PER)の変化であり、数週間以内の超短期では期待の変化が株価を動かし、その結果としてチャートが描かれる。本日の自民党総裁選で石破氏が勝利したことで、株式相場にとっては悪材料となり、既に日経平均先物は急落して動いている。ほぼ確実に来週月曜日は大きく下げて始まりそうである。

33業種中17業種が上げた。上昇率トップ5は、精密機器(1位)、機械(2位)、不動産(3位)、化学(4位)、電気機器(5位)となった。

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