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米利下げによるプラス効果<円高・ドル安によるマイナス効果

先週金曜日の米国株式相場は大きく上昇した(DJIA +462.30 @41,175.08, NASDAQ +258.44 @17,877.79, S&P500 +63.97 @5,634.61)。ドル円為替レートは143円台後半の先週末比円高・ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が773に対して、下落銘柄数は830となった。騰落レシオは104.72%。東証プライムの売買代金は3兆3219億円。

TOPIX -23 @2,661
日経平均 -254円 @38,110円

米国では、マーケットの期待通り、タイミングと幅を示さなかったもののジャクソンホール会議でパルエルFRB議長が近い将来の利下げを示唆した。9月の利下げはほぼ確実で、利下げ幅は少なくとも0.25%、ひょっとしたら0.5%になるのではないか。利下げを先取りして、米10年債利回りは前日の3.862%から3.795%へ低下した。その結果、主要3株価指数は揃って大幅上昇した。他方、日米金利差の縮小を反映して、外為市場では円高・ドル安が進行した。

本日の東京市場では、ほぼ確実となった米利下げ見通しを背景に米国株が大幅高となったこと好感して、日本株は上昇しようとする力が高まった反面、同じ原因で円高・ドル安が進み(1ドル=143円台)日本株を下げる力も増した。トヨタ自動車をはじめとする輸出関連銘柄は売られた。本日のところ、円高・ドル安による株価押し下げ効果の方がやや優勢となった。日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。他方、円高・ドル安の進行で明らかに収益が高まるニトリHDや日ハムなどの内需銘柄は買われた。

明確な理由があって円高・ドル安が進行している。こうなってくると「円キャリートレード」で儲けるのが非常に難しくなるため、これから新規で円キャリートレードを実行しようとする人が激減するだろう。円キャリートレードは(1)日米金利差(ドル金利>円金利)と(2)キャピタル・ゲイン(ドルを安い時に買って高いときに売る=円安・ドル高基調)の2つのメリットを狙う取引だが、後者の(2)が円高・ドル安基調ではキャピタル・ロスとなり、小さくなった金利差による利益を簡単に吹き飛ばしかねないからだ。

日経平均の日足チャートを見ると、長い下ひげを引いた短陰線で終え、ザラバでは大きく下げたが途中で切り返して下げ幅を大きく縮小させた。急速に進行した円高・ドル安の効果により売られる銘柄が多かった。円高・ドル安の動きが一服すれば、この株価押し上げ効果は相場に織り込まれると見る。米利下げ効果で米国経済がソフトランディングすると期待されて米国株が上昇すれば日本株だけが下げ続けることは考えにくいが、さて、どう動くか。

33業種中19業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、銀行(2位)、ゴム製品(3位)、保険(4位)、非鉄金属(5位)となった。

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