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日銀が「ゼロ回答」、財務省まで「ゼロ回答」はあるか?

昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -375.12 @38,085.80, NASDAQ -100.99 @15,611.76, S&P500 -23.21 @5,048.42)。ドル円為替レートは156円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,189に対して、下落銘柄数は420となった。騰落レシオは93.50%。東証プライムの売買代金は4兆9674億円。

TOPIX +23 @2,686
日経平均 +306円 @37,935円

米国では、メタ・プラットフォームズが弱い業績見通しを示したことで10%以上急落し、1~3月期GDP速報値は予想を大幅に下回った(年率+1.6%増<予想+2.4%)。さらに発表されたインフレ指標である2023年1~3月期個人消費支出(PCE)指数のコア指数の伸びが予想以上に強かったため(+3.7%>2023年10~12月期+2.0%)、米10年債利回りが大幅に上昇して(4.73%)、株価の重石となった。そのためダウ工業株30種平均は一時700ドル以上下げた。それでも売りが一巡すると、エヌビディアが反発し、テスラが大幅続伸したため、主要3株価指数は下げ幅を縮小して終えた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.96%上げ、4日続伸した。

本日の東京では、日銀が26日まで開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。追加利上げは見送り、政策金利の無担保コール翌日物の金利を0~0.1%に据え置いた。会合後に発表した「経済・物価情勢の展望リポート(展望リポート)」で2026年度の物価上昇率を1.9%と予想しており、2年先でもまだ2%に届かないと判断している。ということは追加利上げを加速する気配も根拠もまだどこにも見当たらないと解釈できる。

緩和的な金融政策が当分の間継続するとの見通しから株は買いが優勢となった。国内債券市場で長期金利が上昇幅を縮小し、昨日大きく反落した分だけ自律反発狙いの買いも入り、日経平均は470円近く上げる場面もあった。上がらない金利を好感して三井不動産など不動産株が上げ、円安・ドル高を好感してホンダやマツダなど自動車株の一角が買われた。

外為市場では、高止まりのドル金利と上がらない円金利を背景に1ドル=156円台の円安・ドル高水準、1990年5月以来、34年ぶりの円安・ドル高水準となった。円相場は3月12日には146円60銭だったものが1カ月半で10円も下落した。にもかかわらず、鈴木財務大臣は「しっかり対応していく」といつもの調子であり、口先介入のトーンが変わっていないため、マーケットは逆にいつ市場介入してきてもおかしくないと身構えているのではないだろうか。

円安進行阻止に関して日銀が「ゼロ回答」だったからには、財務省まで「ゼロ回答」はあり得ないだろう。ただ、何か大きな問題が起った時に、日本の政治家や官僚は伝統的にただ時間稼ぎをするだけで何も具体的な手を打たない、或いは手を打ったとしても「遅すぎて、且つ、規模が小さすぎる」ことは「日本のお家芸」でもある。日銀も財務省も何もせず成行に任せるというシナリオもある。

それでも早晩必ず円安・ドル高の動きは少なくとも一旦は止まり、反転するはずである。なぜなら、1ドル=145円台から円売り・ドル買いのポジションを積み上げて来たトレーダー(長期のポジションを持たず、相対的に短期間で反対売買をして利益確定する)たちはすでに十分すぎるほどの含み益があるので、一旦、含み益を実現益にするために円買い・ドル売りに転じるはずだからである。そしてその転換は何らかのきっかけさえあれば急激に起る。例えば、政府・日銀による市場介入の他に、米FRBパウエル議長の姿勢が現在のタカ派気味から少しハト派気味に変わり、利下げ開始の時期が現在悲観しているほど遠くはないと匂わせるような場合だろう。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の大陰線に対して上下にひげを引いた陽線で終え、上下のひげまで考慮すると昨日の陰線の実体部分を一時的ではあるがすべて打ち消した。今夜の米国株式相場の動き次第だが、来週火曜日(4月30日)の日本株はさらに反発すると見る。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、不動産(2位)、その他製品(3位)、医薬品(4位)、保険(5位)となった。

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