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2022/07/07 - グローセル(9995) の関連ニュース。■業績動向1. 2022年3月期の連結業績概要(1) 損益状況グローセル<9995>の2022年3月期の連結業績は、売上高が67,259百万円(前期比12.4%増)、営業利益953百万円(前期は493百万円の損失)、経常利益が1,199百万円(同261百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が362百万円(同367万円の損失)となった。前期(特に上半期)がコロナ禍の影響を受けた時期であったことから、その反動もあり業績は大きく回復した。主要仕入先であるルネサスの商流移管(2021年4月から)の影響で、売上高は約8

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グローセル Research Memo(4):2022年3月期はコロナ禍からの回復で営業利益を計上

配信元:フィスコ
投稿:2022/07/07 16:24
■業績動向

1. 2022年3月期の連結業績概要
(1) 損益状況
グローセル<9995>の2022年3月期の連結業績は、売上高が67,259百万円(前期比12.4%増)、営業利益953百万円(前期は493百万円の損失)、経常利益が1,199百万円(同261百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が362百万円(同367万円の損失)となった。

前期(特に上半期)がコロナ禍の影響を受けた時期であったことから、その反動もあり業績は大きく回復した。主要仕入先であるルネサスの商流移管(2021年4月から)の影響で、売上高は約8,400百万円目減りしたが、それでも前期比で2ケタの増収を確保した。

利益面では、利益率の高い「STREAL」が伸びたことに加え、商流移管により低採算品の比率が下がったことで、全体の粗利率は前期比1.3pt改善した。その一方で、「STREAL」研究開発費の増加や海外の売上高増に伴う物流費増加などにより同1.9%増となった。この結果、営業利益は前期に比べて大きく改善し、3期ぶりに営業黒字を計上した。注力商品である「STREAL」の売上高は同66.7%増となり、順調に拡大している。ただし最終損益は、経営基盤強化施策推進に伴う構造改革費用1,152百万円を特別損失として計上したことにより362百万円の損失となった。

(2) 製品別状況
製品別売上高は、集積回路が42,695百万円(同8.6%増)、半導体素子が10,043百万円(同0.8%増)、表示デバイスが1,667百万円(同17.7%増)、一般電子部品が12,853百万円(同40.4%増)となった。すべての製品が増収となったが、金額では自動車向けが多い集積回路や「STREAL」を含む一般電子部品が大きく増加した。民生用やOA向けも回復したことから半導体素子や表示デバイスも増収となった。海外拠点の売上高は4,160百万円(同31.6%増)であった。

(3) 分野別状況
分野別売上高は、産業用が24,770百万円(前期比5.4%増、売上高構成比率36.8%)、自動車が35,180百万円(同20.5%増、同52.3%)、民生が4,340百万円(同1.4%増、同6.5%)、OAが1,780百万円(同24.5%増、同2.6%)、通信が1,010百万円(同12.9%減、同1.5%)、アミューズが180百万円(同40.0%減、同0.3%)であった。産業用は商流移管の影響もありやや停滞したが、自動車が顧客の生産台数増により大きく回復し、対売上高構成比も前期の48.8%から52.3%へ上昇した。民生及びOAも回復したが、通信とアミューズは商流移管の影響を受けて売上は大きく減少した。

(4) 構造改革について
既述のように、ルネサスの特約店政策変更に伴い、同社は2021年12月までに構造改革を実施した。その概要は以下のようであった。
・ 希望退職を募集、拠点再編を進めた。年間約700百万円弱のコストを削減(注:2022年3月期は3ヶ月間の効果)
・これに伴う構造改革費用1,152百万円を2022年3月期に特別損失として計上
・拠点再編では、九州と名古屋、立川を閉鎖しシンガポールを休眠化、新たに広州(中国)と宇都宮を開設
・連結従業員数は468名(2021年3月末)から363名(2022年3月末)へ減少、平均年齢(単体)も44.8歳から42.7歳へ低下

2. 財務状況
2022年3月期末の流動資産は前期末比で5,869百万円増加し34,733百万円となったが、主に現金及び預金の減少770百万円、受取手形及び売掛金の増加1,531百万円、商品及び製品の増加4,937百万円などによる。固定資産は3,948百万円(前期末比841百万円減)となったが、主に償却による有形固定資産の減少473百万円、投資その他の資産の減少357百万円による。この結果、2022年3月期末の資産合計は38,682百万円(同5,028百万円増)となった。

一方で、負債合計は前期末比5,249百万円増の16,401百万円となったが、主に流動負債のうち、買掛金が769百万円増、短期借入金が3,719百万円増、固定負債のうち、長期借入金が323百万円増などによる。純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純損失の計上や配当金支払いによる利益剰余金の減少677百万円などにより前期末比221百万円減の22,280百万円となった。この結果、2022年3月期末の自己資本比率は57.6%(前期末は66.9%)となった。

3. キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは5,163百万円の支出となったが、主な支出は税金等調整前当期純損失の計上88百万円、売上債権の増加1,424百万円、たな卸資産の増加4,638百万円などで、主な収入は減価償却費179百万円、仕入債務の増加643百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは333百万円の収入となり、フリーキャッシュフローは5,496百万円のマイナスとなった。財務活動によるキャッシュ・フローは3,761百万円の収入であったが、主な収入は長短借入金の増加4,041百万円、主な支出は配当金の支払額312百万円であった。この結果、2022年3月期中の現金及び現金同等物は770百万円減少し、期末残高は2,625百万円となった。たな卸資産の増加については大半が引取期限の決まった保守品であるため、大きな問題はないとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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配信元: フィスコ

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