27日の米国株式市場は小幅続伸。ダウ平均は36.26ドル高(+0.09%)の39164.06、ナスダック指数は53.53ポイント高(+0.30%)の17858.68、S&P500は4.97ポイント高(+0.09%)の5482.87で取引を終了した。寄り付きは下落。マイクロンやウォルグリーン・ブーツ・アライアンスなど、さえない企業決算が投資家心理を冷やした。米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する5月PCE価格指数の発表を控え様子見姿勢が続いているが、マイクロンの見通しが物足りなかったことでAIブームの持続力に懐疑的な見方が生じ、エヌビディアなど半導体銘柄が売られた。一方、前日に時価総額が2兆ドルに達したアマゾン・ドット・コムやアップルなど大手ハイテク株には買いが続き、相場を支えた。
米国株上昇を受けて、東京市場はハイテク株中心に買い優勢で取引を開始した。
日経平均は39500円台でスタートするとじりじりと上昇し、26日につけた戻り高値とほぼ同じ39783.70円まで上げ幅を広げる場面も見られた。引き続きメガバンクなど時価総額が大きい金融株が買われたことから、TOPIXは3月22日の年初来高値2813.22ポイントを更新した。
日経平均採用銘柄では、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、ソフトバンクグループ<9984>など半導体関連銘柄の一角が買われたほか、MS&AD<8725>、三菱UFJ<8306>、T&Dホールディングス<8795>、東京海上<8766>、三井住友<8316>、みずほ<8411>など金融株の上げも目立った。このほか、住友ファーマ<4506>、荏原製作所<6361>が買われた。
一方、証券会社によるレポートがネガティブ視されて日野自動車<7205>が売られたほか、資生堂<4911>、花王<4452>、ニデック<6594>、オムロン<6645>など足元構造改革などを実施している銘柄の下げがやや目立った。このほか、シャープ<6753>、NEC<6701>、オリンパス<7733>が売られた。
業種別では、保険業、銀行業、証券・商品先物取引業、海運業、卸売業などが上昇した一方、電気・ガス業、空運業、パルプ・紙、食料品、小売業なども下落した。
為替は、10時過ぎに1ドル161円20銭台水準まで円安ドル高が進行した。10時の値決めのタイミングでドル買い需要が強まったとの観測だが、米国で行われている大統領選挙に向けた第1回のテレビ討論会で「トランプ優勢」との見方が強まったことでドルが買われたとの声も聞かれる。また、為替介入の陣頭指揮を執っていた神田財務官が交代し、後任に三村国際局長が就くと伝わったことも円安基調を強める材料となったもよう。
為替市場が円安ドル高で動いていることから、後場は、政府・日本銀行による円買いドル売り介入実施への警戒感がより高まり日本株上昇は一服となろう。日経平均、TOPIXは為替動向を睨んだ神経質な展開となりそうだ。
<AK>
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