反対に後場は強含む場面もみられており、大引け間際には23370.13円とプラスに転じていた。グローベックスの米株先物はNYダウ先物がプラス圏で推移していたほか、日本銀行の黒田総裁と、菅首相との会談が行われ、政府と日銀が連携して政策運営することで一致したと伝わったことが材料視されたようである。
東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、鉱業、鉄鋼、非鉄金属、保険、パルプ紙、建設、不動産、銀行が軟調。半面、陸運、小売、海運、その他製品、卸売、サービス、電力ガスがしっかり。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>が軟調。一方で東エレク<8035>、エムスリー<2413>、NTTデータ<9613>、中外薬<4519>、富士フイルム<4901>が堅調。
日経平均は想定以上に底堅い相場展開となっており、テクニカル面では25日線が支持線として機能している。上値を切り下げて推移していることもあり、次第に煮詰まり感が意識されてきている状況である。米国市場の動向や欧州で拡大している新型コロナウイルス感染症の行方などが気掛かりではあるが、相対的に日本株の底堅さが意識されており、海外勢による資金流入への思惑も高まりやすいところであろう。
米クオリティ株などFANG銘柄に変わる銘柄はないだろうが、成長期待としてはマザーズ銘柄への物色が意識されやすく、中小型株ファンド等を経由した物色も期待されている。また、米クオリティ株への押し目買い意欲は強そうであるが、足元では大きく傾いたポジションをある程度バリュー株にシフトする動きが意識されている。そのため、日本のバリュー株への資金流入が徐々に増えてくる可能性もあるため、政策期待が高まるなかにおいて、引き続き相対的な底堅さが意識されやすいだろう。
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