1日の米国株式市場のダウ平均は221.71ドル高(+0.67%)、S&P500は44.06ポイント高(+1.05%)、ナスダック総合指数は210.23ポイント高(+1.64%)とそれぞれ上昇した。ADP雇用統計が予想を下回り、長期金利の低下に伴って買い優勢の展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り、政策金利据え置きを2会合連続で決定した。パウエルFRB議長も警戒されたほどタカ派姿勢を表明せず、終盤にかけ上げ幅を拡大した。米株高の流れを引き継ぎ、日経平均は前日比385.37円高の31987.02円と2日連続で大幅上昇スタートとなった。ただ、明日から国内は3連休となることで利益確定売りも出やすく、前場は節目の32000円を意識した攻防となった。
個別では、前日から続伸のトヨタ自動車<7203>をはじめ、日産自<7201>、日野自<
7205>らが堅調。そのほか、ぐるなび<2440>、デクセリアルズ<4980>、オルガノ<6368>、アドバンテスト<6857>なども値上がり率上位に並んだ。東証スタンダードでは、三菱食品<7451>、テーオーHD<9812>、東証グロースではアマナ<2402>、ベルトラ<7048>、マイクロアド<9553>などが上昇した。
一方、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>など鉄鋼セクターが下落。TIS<3626>、テイカ<4027>、レック<7874>、ヤマハ<7951>、ケーズHD<8282>などが値下がり率上位に並んだ。東証スタンダードでは安永<7271>、三共生興<8018>、カンダ<9059>、日本テレホン<9425>、東証グロースではファンデリー<3137>などが下落した。
セクターでは、輸送用機器、電気機器、サービス業を筆頭に上昇。一方、鉄鋼、その他金融業、鉱業を筆頭に下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は49%、対して値下がり銘柄は48%となっている。
日米の金融イベントは波乱なく通過し、決算関連に目線が集中する形となっている。円安効果で市場予想を上回るトヨタが本日も続伸となっており、円安で恩恵を受ける輸出企業は改めてスポットがあたっている。財務省が10月に為替介入を実施しなかったことを公表し、ドル・円は一時1ドル=151円台に突入し、上値を試す展開となっている。神田財務官の円安けん制発言を受け、やや円高方向に戻したものの、下値は1ドル=150円台にかたまりつつあり、日経平均にとっては下支えとなりそうだ。
また、昨日発表された10月ADP雇用統計では市場予想を下回る結果となり、明日発表の米雇用統計も9月のような雇用市場の過熱感を示唆するような結果とはならない公算が大きい。中東情勢についても報道を追う限り戦線拡大など最悪な事態は想定しづらい状況にあり、外部要因への懸念は一旦あく抜けとなりそうだ。後場は引き続き利益確定売りが出やすいと思われるが、来週のSQ週に向けて終値で32000円台に乗せてくるか注目したい。
(二階堂千穂)
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