ビジョン、2Qは売上高・各利益ともに過去最高値を更新 営業益は前年比36.7%増と好決算に
2019年12月期第2四半期決算概要(連結)
佐野健一氏:みなさま、こんにちは。株式会社ビジョンの佐野でございます。本日は猛暑のなか、わざわざお越しくださいまして、誠にありがとうございます。それでは、弊社2019年12月期第2四半期決算説明をさせていただきたいと思います。
業績のハイライトです。売上・各利益ともに過去最高値を更新しました。まず売上ですが、昨年98億5,500万円だったものが129億3,700万円で、31.3パーセント伸びました。また、営業利益ですが、昨年12億3,600万円だったものが16億9,000万円で、36.7パーセントと大幅に伸びています。親会社株主に帰属する四半期純利益は、昨年8億900万円だったものが10億7,500万円で、こちらも32.9パーセントと順調に伸びています。
営業利益増加要因
営業利益増加要因です。営業利益率が12.5パーセントから13.1パーセントへ伸びた要因ですが、販売管理費の比率が1.6ポイント低下しています。また原価率は1.1ポイント増えています。
売上は、グローバルWiFi、情報通信ともに伸長したところが大きなポイントです。また、グローバルWiFiのボリュームディスカウントによる仕入の条件等が改善しています。
我々はクラウドのWiFiを採用していますが、そちらによる原価の低減で、売上原価自体がボリューム的、比率的には下がってきているということです。また原価は1.1ポイント増えていますが、その要素は「ProDrivers」の人件費が増えているということです。
販売管理費に関しては、AI、もしくはRPAを積極的に導入していますので、人が関わるところがシステムに置き換わることによって、販売管理費が低減しているということです。
セグメント業績
セグメントの業績ですが、グローバルWiFi事業は、売上が前年比で36.7パーセント増となりました。セグメント利益に関しても、38.9パーセント増です。また情報通信サービスも売上が17.8パーセント増で、セグメント利益が31.2パーセント増です。
グローバルWiFiは、昨年59億8,700万円だったものが81億8,400万円になり、情報通信サービスは38億2,700万円だったものが45億900万円になりました。また、利益に関しても、グローバルWiFiは11億4,900万円だったものが15億9,600万になり、情報通信サービスは6億3,400万円だったものが8億3,200万円となりました。
グローバルWiFi事業 業績推移
グローバルWiFiのここ5年間の業績推移です。日本から海外に行く方々、そして海外から日本に来るインバウンドの方々の数字自体、全体の分母そのものも過去最高を更新しており、我々も順調に推移して増収増益を継続しているところです。
市場シェアですが、2018年は14.9パーセントと発表していましたが、この第2四半期の累計では17.9パーセントで、約3ポイントほど上昇しているということです。
また、この要因についてですが、法人を中心に「グローバルWiFi for Biz」を導入していたり、もしくは無制限プランという新しいプランを導入して、今は71の国と地域に提供していますが、そのような新しいものがお客さまに受け入れられています。そして、先ほど申し上げた原価効率やオペレーション改善が、収益性の向上に寄与しているということです。
今回も上方修正させていただきましたが、上方修正後のグローバルWiFiの売上高の予測が163億9,500万円で、修正後の進捗率が49.9パーセントとなっています。セグメントの利益は修正後が29億1,600万円で、こちらは進捗率が54.7パーセントとなっています。
情報通信サービス事業 業績推移
情報通信サービス事業の業績推移です。こちらは増収増益を継続しており、安定的な成長を続けています。
まず、我々のメインターゲットであるスタートアップ、新設法人、ベンチャー企業の獲得が、引き続き順調に推移しています。また、単純に獲得するだけではなく、中長期的にお客さまと付き合っていくビジネスモデルになっていますので、きちんとお客さまとリレーションシップを取っていくところが功を奏して、顧客が離反しない分、ストック自体が反り上がっていくということです。
また、既存のお客さまに対するアップセル、クロスセル戦略ですが、ここは収益だけではなく、お客さまのニーズに合ったものを、適切なタイミングで投入します。やはり接点が増えれば、お客さまとの関係性は非常に強固なものに変わっていきますので、そのあたりをタイミングセールスとしてしっかり見計らって、提供しています。
そのなかで、2018年にクラウド型のワークフローを発表しました。今までは、世にあるものをみなさまに提供するというかたちで、基本的にはインフラや情報通信を提供していました。
しかし、いよいよ自社サービスをクロスセルの商品として開発しました。社内でもこのワークフローを数年間使いこなして、上場企業でも使える水準を実現できていますので、そのようなものをスタートアップのみなさまに提供し始めています。
新しいサービス、ワークフロー等も、最初に使ったものをずっと継続的に使い続けていく(傾向にあります)。もちろん、どんどんアップデートしており、お客さまの声を聞きながら、もっと使いやすい構造を実現していることもご評価いただいて、獲得数が伸びているということです。
(情報通信サービスは)昨年の売上高が77億円でしたが、上方修正後は85億8,700万円で、進捗率が52.5パーセントになります。セグメント利益は15億4,300万円で、修正後の進捗率は53.9パーセントと順調に推移しています。
通期連結業績予想修正(2019.8.9取締役会決議)
上方修正させていただきました数字です。売上高は、前回発表が244億7,000万円でしたが、257億9,300万円と、約13億円ほど上方修正させていただきました。
営業利益は30億1,200万円から32億6,400万円。親会社株主に帰属する当期純利益は20億300万円から21億1,600万円に上方修正させていただいています。
この中身は、上半期に実績を出した数字に、そもそも下半期の目標で発表させていただいている数字を足したものです。
今まで、もっと上振れるのではないかなどさまざまなお声をいただいたことがあったのですが、より精緻に近い数字をきちっと公表していこうということで、今回のような取り組みをさせていただきました。
今期業績予想
今期の業績予想です。こちらも先ほどの数字が含まれて、何度か出てきたものです。前年同期比で売上が19.9パーセント増、営業利益が前年同期比で31.4パーセント増という数字を目標として取り組んでいます。
セグメント業績予想
その内訳、セグメントの各売上、利益です。グローバルWiFiは前年同期比の売上で21.4パーセント増、セグメント利益で20.8パーセント増、情報通信サービス事業は売上で10.4パーセント増、セグメント利益で26.6パーセント増です。
通期業績見通し(四半期別推移)
2016年第1四半期から、この中間の四半期までの数字が時系列で並んでいますので、こちらはご覧いただければと思います。
「クラウドWiFi」活用推進
2019年12月期の取り組みの進捗です。
まずは「クラウドWiFi」です。スライドにあるようなWi-Fiルーターを空港でレンタルしたり、もしくは企業さまにも置型で提供したりしていますが、国内外ともに、外に出られるときにインターネットを快適に使っていただくかたちのサービスです。今回は新しく、世界初のスマホ型グローバルWiFi「GW01」というオリジナル端末を導入させていただきました。
これによって、画面が非常に大きくなり見やすくなりましたし、軽量化され、バッテリーの連続持ち時間も12時間に伸びました。以前から言っていることですが、位置情報であったり、もしくは、みなさまが必要不可欠とするような情報を提供していくのが、旅行プラットフォームのなかでもともと説明されているもので、画面が大きくなったことで、そのあたりも含めて、今後は非常に活用しやすくなってくるであろうということです。
もともと、このようなことをやりますよとは全体的に発表していたわけですが、細かなサービスに関しては、いろいろ準備ができ次第、みなさまにお伝えしていきたいと思っています。
店舗スマート化戦略(テンスマ)
「店舗スマート化戦略」です。これも何度か繰り返しお聞きになっているかもしれませんが、今回この仕組みで業界初の取り組みを展開しております。
新スタイル店舗(無人店舗)設置
新スタイル店舗ということで、無人店舗を北九州に設置しました。空港は土地自体が限られていますので、(そこで借りようとする)お客さまが多くなったり、大行列になることでお客さまのストレスにならないようにするためのものです。もしくは、さまざまなロケーションで、受渡や返却ができる仕組みを構築していこうというものでもあります。
羽田や成田もそうなのですが、1回借りていただいたお客さまは、2回目から「スムーズに借りられればいい」ということで、QRコードをかざすと、ガチャッとロッカーが開く仕組みを作っていました。
北九州は、今まで郵送して対応したりしていましたが、サービスを使ったことがあるお客さまは、今後は「スマートピックアップ」の無人店舗をご利用いただくことができるようになりました。
そのような意味では、次の新しいロケーションにとらわれない取り組みが、人を介さなくてもできるという部分で、可能性が大きく広がっていくと考えています。
我々は、ずっと「Wi-Fiだ」と言い続けてきたわけですが、今回、初めてSIMカードを提供します。実はSIMカードも空港のカウンターで扱ってはいたものの、やはりSIMカードには一定のニーズがありますので、我々としても「やらない」というわけではなく……「Wi-Fiだけをやる」という意味合いではなく、「世界中で、国を超えて、みなさまにより快適なインターネット環境を提供する」というコンセプトで取り組んでいます。
原価というところでもご説明しているとおり、我々はSIMカード自体も世界中の仕入れ、もしくは日本の仕入れにおいて優位性がどんどん増してきています。今回、スマートピックアップに加えてSIMカードも自動販売機で提供を始めることにしました。
より省スペースで展開することが可能になってきますので、今後もこのような展開を積極的に続けていきたいと考えています。
空港カウンター及びスマートピックアップ(SmartPickup)
昨年は、空港のカウンターは15ヶ所だったのですが、2019年に北九州と鹿児島がオープンしたことで17店舗となりました。こちらは、地方からも海外に飛ばれる方々が多くいらっしゃいますので、そのような方々のニーズに応えるべく、空港の開拓は続けていきたいと考えています。
無制限プランの提供(エリア拡大)
「無制限プラン」の導入です。先ほど申し上げたように、「71の国と地域で無制限で使えるように」という取り組みを進めています。ソーシャルメディア、もしくはスマホがライフスタイルの一部になっていますし、とくに海外、また国内でも行ったことのない地域に行かれた場合は、ふだんの生活と違うものが目の前にあるわけですから、旅行ではどうしても写真を撮りたくなり、そして見せたくなるものです。
お客さまから「もっとアクティブに使いたい」という声をいただき、形にしようということで、この「無制限プラン」を導入しているということです。また、ビジネスユースでも非常に好評で、「オンラインでテレビ会議をしたい」など、さまざまなニーズがありますので、その要望に応えることができるようになったと考えています。
情報通信サービス事業の進捗(詳細トピックス)
続きまして、情報通信サービス事業の「ビマケ(Vision Business Market)」です。こちらは、ビジョンのさまざまな取り扱い商材や情報をお客さまに届けていくものですが、これもお客様との連続的な取引と言いますか、連続的な接点を作ろうと思い、シェアリング活動をきちんと展開することでクロスセル、アップセルにつながってきます。また、より新しい、いいサービスがあれば紹介していくという取り組みです。
スライド右側が「VWS WEB CALL SYSTEM」です。我々が自社で使っているコールシステム自体をお客さまにサービスとして提供し始めているということです。こちらは「IT導入補助金」の対象サービスとしても認定されています。
旅行関連サービスプラットフォーム
こちらは旅行関連サービスプラットフォームです。「グローバルWiFi」「NINJA WiFi」の年間利用者数が2018年は360万人です。延べ宿泊数は2,522万泊であり、我々はそれだけの数のビジネスチャンスがあると捉えています。まず、「グローバルWiFi」は、少なくともみなさま必要不可欠な通信を提供するもので、こちらが面を取りに行く取り組みになります。
その次に、ご存知「POCKETALK(ポケトーク)」であったり、もしくは「ili(イリー)」といった翻訳の部分です。海外に行ったときの言語の壁を我々が取っ払っていくということで、さまざまな翻訳機をお客さまに貸し出しています。
もしくは、保険会社さまと提携させていただき、海外で何かリスクが起きたときに、すぐ現地に行けるようなサービスも提供しています。また、空港までの移動であったり、ホテルまでの移動であったりといった送迎サービスも入っています。
ProDrivers(プロドラ) (旅行関連サービスプラットフォーム拡充)
我々は旅行業を持っており、スライドは「ProDrivers(プロドラ)」と旅行をセットにした取り組みになります。わかりやすく言いますと、朝、羽田に着いてもチェックインが15時といった経験をお持ちの方もいるかと思います。「この時間、どうしよう」「チェックインできないし、荷物もある」となります。
この環境を打破にすることによって、政府も推進している「手ぶら観光」(を進めることができます)。チェックインするまでの間も消費してもらい、日本を楽しんでもらう。そして、箱根、軽井沢、もしくは東京近郊を、半日、もしくは1日チャーターしてもらうかたちにして、15時以降にチェックインするということで、より充実度を高める取り組みも行っています。
最近、企業の視察で日本に来られる方が非常に多くいらっしゃいます。視察が終わったあとの2日間ぐらいは「せっかく日本に来たから、日本を楽しみたい」ということで、各企業の方にプロドラを使っていただいています。そのように、外国人の方々をさまざまなところにお連れするシーンでご活用いただけるようになってきました。
みなさまが旅行したとき、「このようなこと、あったらいいな」というものが、まだまだたくさんあります。それを1つずつかたちにしながら、収益の拡大とユーザー満足度の向上がイコールになるところを目指していきたいと考えています。
逆に、日本から海外に行くところでは、DLGB社というベンチャー企業に出資しており、世界150の国と地域、そして500都市の空港、ホテル、もしくは取引先や訪問先などで、2~3日チャーターできるようになっています。
ハワイ等はタクシーよりも安い料金でエアポートからワイキキへ行けるサービスを提供していますし、グローバルWiFiも多くのお客さまに快適に使っていただいています。
中期的な成長イメージ
今までもご説明したとおり、成長戦略では、まず(グローバルWiFiは)アウトバウンド、インバウンドでしっかり獲得数を伸ばしていくことです。そして、情報通信サービスは新しいサービスをどんどんアドオンすることで収益の拡大と、お客さまとのリレーションシップの強化を、引き続き進めていきたいと考えています。
グローバルWiFi事業・ビジネスモデル・競争優位
グローバルWiFiの商品サービス説明になりますので、後ほどご覧いただければと思います。
グローバルWiFi事業 成長ストーリー
31ページ目が、シェア品数です。先ほど(利用シェアが)3ポイント伸長したとお話しました。インバウンドに関しては、2018年第2四半期が2.5パーセントだったものが、2019年第2四半期では2.9パーセントということで、0.4ポイント拡大しています。
しかし、インバウンドとアウトバウンドを足しても8.2パーセントが実態の数字です。まだまだしっかりと伸ばしていかなければいけないフェーズになるのではないかと考えています。レンタル件数に関しても、2018年は223万件でしたが、中間(決算)までで139万件と大幅に伸びてきています。
ただし、海外は拠点を増やしていない関係で数字が伸びていません。また、海外から日本に来るインバウンドの数字に関しては、台湾、韓国、アメリカがかなりの数字を取っています。
訪日に関しては(グラフの)赤いところにインクルードしています。本来は緑(のグラフのところ)でもおかしくないものですので、海外が伸びていないわけではありません。海外も伸びているのですが、国内の(赤いグラフの)「28」と書いてあるところにインクルードされています。
グローバルWiFi事業 市場規模
海外のグローバルWiFi全体の市場です。アウトバウンド自体もずっと伸びており、日本の企業さまが海外にどんどん積極的に出ているということです。
そして若年者の学生のみなさまが、卒業旅行で海外に行くのがかなり定着してきています。先進国の若い人は、今までパスポート付与率は低かったわけですが、この流れが続けばパスポートを保有している人がどんどん増えて、イコール、海外に行く人が増えていきます。
また、インバウンドで日本国内に外国人が増えれば増えるほど、国内のホテルの料金が上がってきます。アウトバウンドの数字が伸びている背景は、海外に行ったほうが安いということと、気軽に行ける環境が整ってきているからではないかと認識しています。
一方で、世界でも2030年までには約18億人が国を超えて仕事やレジャーを楽しむ時代になってくると予測しています。みなさまもご承知のとおり、ものすごく海外渡航自体が増えています。
これは、経済の伸びも大きく後押ししているわけですが、アジア全体でいうと、「憧れの国、日本」と思ってくださっている外国人の方が非常に多くいらっしゃいます。これからも、インバウンドは伸び続けていくのではないかと考えています。
情報通信サービス事業 市場規模
情報通信サービスのお客さまの社数は、月間で1,500社ぐらいずつ増えています。ほかのベースはそんなに変わっていないのですが、我々の商品も含めて、お客さまとの関係を強化しながら収益を上げることに取り組んでいますので、しっかり収益を上げる軸を作り込んでいくことも大事です。
右肩上がりではあるのですが、その中でも、中身の踊り場を作りながら、いかにしてさらなる伸長を進めようか、仕組みを作っていくのかにこだわりを持って、現在取り組んでいる次第です。
情報通信サービス事業 成長戦略(カスタマーサービス)
ある意味で、我々の最大の強みであるカスタマーサービスで、カスタマー・ロイヤリティ・チーム(CLT)です。
約100名近いスタッフがおり、情報通信サービス、グローバルWiFi、プロドラで、空き時間をうまく利用しながら、複数ジョブを運用できるような仲間たちが声をかけ合うことで、さまざまな効率改善につながっています。
また、チャット、もしくはチャットボットなど……AIもそうですが、積極的に導入しています。(事業を)開始した当時から(人員はそれぞれ)2割ぐらいしか増えていませんが、それ以上に情報通信もグローバルWiFiも成長していますので、いかに労働集約型にせずに、いかにテクノロジー活用型、ノウハウ型で(あるかがおわかりいただけるかと思います)。
また、どの電話でも出られるように協力する、もしくはそのような取り組みで、構造的に収益を上げられる仕組みができています。非常に低い離職率も、ノウハウが溜まっている要因です。
情報通信サービス事業 成長戦略(マーケティング)
「Webマーケティング×営業×CLT」の3つの仕組みがかけ合わさったものを、社内では「ハイブリッドシナジーモデル」と呼んでいます。
もっともお客さまのニーズに合ったかたちの提案をしていくこと、そして勉強していくことが非常に重要です。営業マンは、販売したあとはお客さまのフォローは原則しません。そこはすべて、CLTチームがコンシェルジュとしてお客さまの内容をすべて把握したうえで対応していく仕組みになっています。
営業マンは、営業中にお客さまから電話がかかってきても電話に出ることができません。しかし、お客さまは何か重要なことがあるからこそ電話しているわけです。ですので、クイックレスポンスで返すとなると、それ自体は営業マンには不可能ですので、そこはコンシェルジェが対応します。
中長期的につながることで、お客さまの満足度を上げ続けていく。その営業マンが部署異動しても、お客さまを引き継ぐ作業がありませんので、すべての絶対時間数を営業に使うことができるということで、これが最大のパフォーマンスを上げていく仕掛けです。
また、我が社では社内で紹介し合う制度があります。これが普通のカルチャーで「隣の社員に負けるな」という制度ではなく、「隣と一緒に成長しよう」というもので、自分の部署の商品以外も必ず紹介する(ところも評価する)評価制度になっています。自部門の評価が50パーセント、そして他部署に貢献した評価が50パーセントという仕組みになっています。
我々は社内で、チーム以上の規模で取り組んでいますが、お互いがお互いを高め合っていく仕組みになっており、2005~2006年ぐらいから取り組んできたモデルです。これは、表面的には真似できそうなのですが、もっとも大事なのは文化(になるかどうか)でして、簡単には真似できないところが我々の強みの1つでもあるということです。
情報通信サービス事業 成長戦略(ビジネスモデル)
我々がスタートアップに集中しているのには理由があります。近年のスタートアップの成長に、目まぐるしい勢いを感じられている方も多いと思いますが、まさしくそのとおりです。人材も資金も環境も整ってきたところでは、3人で始めたベンチャーが1年後には30人になっていることもよくあります。
これだけマーケットに変化を起こせるところで言うと、すべてのステージのなかでスタートアップが一番伸長率が高いため、我々はそこにフォーカスして、お客さまとともに育っていくスタイルにしています。
サステナブルな成長と企業価値向上ーESGへの取り組み
ESG投資に関して、少しご説明していきたいと思います。我々は、ESGとSDGsに関しては非常に積極的に取り組んでいます。
まず、Eの部分ですが、ここに関しては「震災リゲイン」や、CO2の削減に取り組む「グリーンサイトライセンス」などで、正確ではないですが10年以上取り組んでいます。
「震災リゲイン」に関しては、震災があったときにどう対応すればいいのかといったことがまとまっている資料を発行しているNGO法人で、港区のほぼすべての小学校に無償で配っています。我々のお客さまでもこの資料が欲しい方には、無償で配っています。
例えば、震災で机や椅子が倒れたり壊れたりしたときに、どう対応したらいいのかや、保険が適用されるのかされないのか、またどこに連絡すればいいのかなど、ふだんわからないさまざまなことがわかる会報を、3ヶ月に1回出しています。我々は、このメインスポンサーとなって、応援させていただいております。
また、LEDのレンタルも積極的に行っています。より環境に優しい取り組みということで、ペーパーレスも推進しています。コピーは売っているものの、ペーパーレスも並行して進めており、社内では全員にiPadを支給していたり、拠点間の移動も極力少なくしてテレビ会議を活用したり、またワークフローも紙ベースではなく、すべて電子帳票化したりしています。紙を使った場合、余った紙はすべてリサイクルに回すために業者さまを選定させていただくなど、こうしたことに長年取り組んでいます。
社会(Social)取り組みの例①
また、Socialでは、公正な採用ということで、男女・年齢・国籍問わず採用活動を行っています。我々は日本人か外国人かはまったく気にしていないのですが、今は、外国人の従業員が18.5パーセントになっています。
障害者採用の面でも2015年からずっと表彰されています。もともとの採用の必要人数よりも多く採用していますが、ここに意味があると思っており、我々はIPOする前から積極的に取り組んでいます。
また、時代環境に則した人事制度、独自の福利厚生制度としては、時短勤務やシフト制、フレックスタイム、半休や時間休、さらに奥さまの誕生日はぜひ休んでもらっています。
そのほか、7月以降は水分補給手当てが出たり、インフルエンザの時期には、一緒のオフィスではリスクがありますので、会社で(予防接種の)補助をしていたり、もしくはテレワークもかなり昔から実施しています。
また、正確な数字を申し上げなければいけないのですが、妊娠しても自宅で働けるようになっており、従業員のほぼ100パーセントが復職しているのも我々の会社の特徴です。
「やれることは積極的にやろう」という考え方の会社ですので、ESGという言葉があるからやるのではなく、そもそもみんながもっと働きやすいようにしようということで取り組みをしてきました。
また、平均年収を上げていこうという取り組みもずっと行っています。実は、我々の会社は採用数が少ないです。その代わりに、離職率もものすごく低い。それでも従業員は毎年伸びていくわけですが、絶対営業効率を高くしていくところで、やはり生産性を上げていくところと一体でなければならないため、AIも積極的に導入したり、RPAによる自動化の作り込みもしたりしていますので、近年はずっと平均年収が伸び続けています。
社会(Social)取り組みの例②
また、Socialの取り組みとしては企業主導型の保育事業ということで、「ビジョンキッズ保育園」を2019年4月に開園させていただきました。会社には、約100名の働く仲間たちがいるわけですが、シングルマザーだったりする方もいます。それがマイナスにならない取り組みを積極的に進めていこうと考えています。
この保育園は365日開いていますので、近所の方で預けたいという声もすでにいただいています。朝に預けて、夕方一緒に帰れるところも、採用優位性では非常に有利に働いているのではないかと思います。
子供とランチも一緒に食べるのかなと思ったら、ランチをすると寂しくなっちゃうみたいですが、これを作って本当によかったと感じている次第です。
このような取り組みを進めながら、持続可能な成長のさまざまな下支えを積極的に作り上げていきたいと思います。
企業統治(Governance)体制
最後に、Governanceです。独立役員体制ということで、取締役総数6名中、独立社外取締役が3名と、半数います。そのうち女性の取締役が1名となります。みなさま、Webマーケティング、インバウンドビジネス、金融業界・グローバルビジネスに精通したプロフェッショナルの方を採用しています。
監査役は4名で、独立社外監査役が4名です。公認会計士、検事、弁護士、企業経営者ということで、さまざまな知見を持っている方々を採用することでガバナンス体制を築いています。
また、情報セキュリティではISMSを取得していたり、コンプライアンスやリスクマネジメントなど、内部統制活動の研修を定期的に実施しています。
長々と話してしまいましたが、ここで終わらせていただきたいと思います。この上半期も、非常に多くのお客さまに我々のサービスを選んでいただいたおかげで、しっかりした数字を作れました。まずはお客さまに感謝を申し上げるとともに、我々の仲間も、どうすればお客さまの満足を上げていけるのかを真摯に考えて実行し、それがかたちになってきています。
また、多くの株主のみなさまに応援いただいた結果がこの結果であります。再び新しいスタートラインに立ったわけですので、ここから気を引き締めてがんばっていきたいと考えています。
ご清聴ありがとうございました。
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