アイスペースが今期最終益予想を上方修正、「ミッション３」打ち上げは２６年に延期

　ｉｓｐａｃｅ<9348.T>は２８日の取引終了後、２４年３月期の連結業績予想について、最終損益の赤字額が７８億８９００万円から４５億４００万円に縮小する見通しを発表した。前期は１１３億９８００万円の最終赤字だった。民間月面探査プログラム「ＨＡＫＵＴＯ－Ｒ」のミッション１において、月面着陸が確認できなかったことに伴う保険金を受領しており、業績予想に反映した。

　売上高の見通しは６１億９６００万円から３０億５０００万円（前期比３．１倍）に引き下げた。ミッション３の原価発生に遅れが発生。原価回収基準による会計処理に基づき、計上可能な売上高が想定を下回る見込みとなった。

　米国では開発計画の一部を見直す必要に迫られたほか、ランダー（月着陸船）の一部部材調達の契約締結にも遅れが発生。今回、ミッション３の打ち上げスケジュールを２５年から２６年に変更した。ミッション２のスケジュールに変更はないものの、ミッション４以降の想定からスケジュールを後ろ倒しする方向で調整しているという。

　あわせて同社は米国の子会社がミッション３に関し、ランダ―の基本設計審査が完了したと公表。また、スウェーデンの鉱山機械メーカーのエピロックとのコーポレートパートナー契約と、月輸送物資である顧客の荷物（ペイロード）のサービスに関する米国の民間企業との契約について取締役会で了承決議をしたことも開示した。

出所：MINKABU PRESS