● 2025年6月期の業績見通し
2025年6月期の連結業績は、売上高で前期比5.5%増の23,350百万円、営業利益で同5.4%増の4,620百万円、経常利益で同5.3%増の4,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.5%増の3,080百万円と増収増益の見通しだ。ただ、利益率の高い医薬品セグメントの増益を予想するなかで、営業利益率を前期と同水準の19.8%に見込んでおり、保守的な業績予想と言えよう。
ジェネリック医薬品業界の見通しについては、「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」により、ジェネリック医薬品産業のあるべき姿の明確化や、安定供給等の企業情報の可視化、少量多品種構造の解消、生産効率の向上、サプライチェーンの強靭化などについて検討が進められている。このような状況の下で、同社グループは品質が確保された医薬品の安定供給を最優先に努め、中長期的な視点で各事業に取り組む方針だ。
セグメント別には、原薬セグメントは、新規採用品目の増加と既存品の販路拡大により、売上高15,890百万円(前期比2.8%増)、営業利益2,850百万円(同2.9%増)を見込む。また、医薬品セグメントは、主力製品の増産により売上・利益を確保し、蔵王工場の受託事業を本格的に展開することで、売上高8,660百万円(同3.1%増)、営業利益1,790百万円(同5.4%増)を見込んでいる。
また減価償却費は706百万円(前期比2.8%減)を計画する一方、研究開発費は192百万円(同45.5%増)、設備投資額も3,333百万円(同147.3%増)と大幅増加を計画しており、引き続き拡大・成長を目指す。なお、研究開発費は販管費に含まれる。また、設備投資の増加は蔵王第2工場への投資であり、売上原価の増加要因となるが、影響は小さい。蔵王第2工場が2027年7月に立ち上がれば、以降は減価償却費に変わる予定だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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