6日の米国株式市場のダウ平均は34.54ドル高(+0.10%)、S&P500は7.64ポイント高(+0.18%)、ナスダック総合指数は40.50ポイント高(+0.30%)とそれぞれ小幅に上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクル終了期待を受けた買いが先行した。先週の大幅な金利低下の反動で米長期金利が上昇したため一時売りに転じたが、ピーク金利観測は根強く、終日底堅く推移した。さらに、米中首脳会談の開催を控え、イエレン財務長官と何中国副首相が今週会談を開催することが明らかになり、中国との関係修復期待も下支え要因となった。前日の大幅上昇の反動もあり、日経平均は前日比156.71円安の32551.77円と反落スタート。ただ、下値の堅さも感じられ、昨日安値の32395.50円付近を大きく下回らずに前場の取引をおえた。
個別では、アイロムG<2372>、あすか製薬HD<4886>、ウェルビー<6556>、メイコー
<6787>東証スタンダードでは、ガーラ<4777>、阪神内燃機工業<6018>、デザインワン<6048>、東証グロースでは、イルグルム<3690>、GMOメディア<6180>、アディッシュ<7093>などが値上がり率上位に並んだ。
一方、味の素<2802>、力の源HD<3561>、セ硝子<4044>、東証スタンダードではジャパンエン<6016>、東証グロースではアマナ<2402>、GMOTECH<6026>などが値下がり率上位に並んだ。日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>、東証スタンダードの内海造船<7018>、明海グループ<9115>など海運株が下落。ただ、日立造船<7004>は業績上方修正で大幅続伸となっている。阪神の38年ぶりの優勝で昨日ご祝儀買いが見られた阪急阪神<9042>、上新電機<8173>なども下落した。
セクターでは、電気・ガス業、陸運業、保険業を筆頭に多くのセクターで下落した。一方、上昇したのは水産・農林業、鉄鋼、石油・石炭製品、卸売業のみ。東証プライム市場の値上がり銘柄は29%、対して値下がり銘柄は67%となっている。
本日は前日の反動でやや利益確定売りに押される動きはあるものの、週末のオプションSQに向けてヘッジの動きも意識されることから下値の堅さも感じられる。後場も引き続き決算関連の動きがメインになるとみられ、旭化成<3407>、エーザイ<4523>、NTT<9432>など後場に発表が予定されている銘柄もあるため、注目していきたい。
今週はオプションSQに向けて日経平均は上昇基調が想定されるものの、その後はまた日米の金融政策動向を模索する展開が想定されよう。本日寄り付き前に厚労省より発表された毎月勤労統計調査9月速報値は、現金給与総額は前年同月比1.2%増と市場予想通りであった。
一方、実質賃金は前年同月比2.4%減と市場予想(2.3%減)よりもマイナス幅が大きかった。マイナス幅は前月(2.8%減)からは縮小したものの、18ヶ月連続のマイナスとなっている。また、総務省発表の9月家計調査では、物価変動を除く実質ベースで前年同月比2.8%減と、市場予想(2.9%減)よりはマイナス幅が小さかったものの、前月(2.5%減)よりもマイナス幅を広げた。物価上昇に賃金上昇が追い付いておらず、消費に結びついていないという現状を確認する結果といえ、日本銀行の期待どおりに賃金上昇が物価上昇へ結びつく流れとなるか、引き続き注視する必要がありそうだ。
(二階堂千穂)
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