今晩発表予定の5月消費者物価指数(CPI)の改善期待から買いが先行。今晩から開催される連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ停止の思惑も強く、終盤にかけて上げ幅を拡大した。ナスダック総合指数は+1.52%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+3.31%とそれぞれ3日続伸。米株高を引き継いだ日経平均は半導体などハイテク株を中心に買いが膨らむなか、234.95円高からスタート。前場の間に一時33000円手前まで上げ幅を拡大したが、心理的な節目を前にいったんは騰勢が一服。一方、午後に入ると今晩の岸田首相の会見に対する思惑的な買いも強まり、日経平均は節目を突破して33127.36円(693.36円高)まで上値を伸ばした。その後も33000円台を維持した底堅い基調が続いた。
大引けの日経平均は前日比584.65円高の33018.65円となった。東証プライム市場の売買高は14億1346万株、売買代金は4兆1489億円だった。セクターでは輸送用機器、卸売、電気機器が上昇率上位に並んだ一方、パルプ・紙、電気・ガス、海運が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の58%、対して値上がり銘柄は38%だった。
個別では、レーザーテック<6920>、ルネサス<6723>などの半導体関連が軒並み高で、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、ソシオネクスト<6526>は目標株価引き上げもあり急伸。イビデン<4062>、新光電工<6967>、三井ハイテック
<6966>、ローム<6963>などハイテクも全般高い。ファーストリテ<9983>、信越化学<4063>、ダイキン<6367>の値がさ株、丸紅<8002>、三菱商事<8058>の商社、クボタ<6326>、コマツ<6301>の建機、マツダ<7261>、日産自<7201>、デンソー<6902>の輸送用機器なども大幅高。トヨタ自<7203>は全固体電池を搭載した電気自動車(EV)の投入計画が好感された。ほか、メルカリ<4385>やベイカレント<6532>のグロース株が高い。
ソフトバンクG<9984>は米Open AI社の経営者との面会報道を手掛かりに急伸。決算や上方修正など業績関連ではアクシージア<4936>、萩原工業<7856>、トーホー<8142>
が急騰。高水準の自社株買いと配当方針の変更を発表したセイノーHD<9076>はストップ高比例配分となった。東証プライム市場の値上がり率上位にはソシオネクスト、マクニカHD<3132>などがランクイン。三桜工業<6584>は全個体電池関連として人気化した。
一方、郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運は続落。外資証券による原油価格見通しの引き下げを受けて石油資源開発<1662>、コスモエネHD<5021>が軟調。月次動向を受けてMonotaRO<3064>は大きく下落。ほか、決算絡みでアセンテック<
3565>、グッドコムアセット<3475>、鎌倉新書<6184>、ラクーンHD<3031>などが大幅安となった。
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