■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週ぶり反発、3万9000円台を維持
2.週明け反発、前週末の雇用統計受け心理改善
3.CPIは事前予想上回る、米金利上昇・株安に
4.日本株も下落、円安進行で輸出株買われ下支え
5.三井不が経営方針発表で大幅高、不動産株上昇
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比531円(1.4%)高の3万9523円と、3週ぶりに上昇した。
今週は米国の重要経済指標に相場が左右された。前週末の雇用統計を受けて東京市場は週明け上昇スタートとなったが、週半ばの米消費者物価指数(CPI)の発表で一転リスク回避モードに。とはいえ日経平均は3万9000円台割れとはならず、底堅く推移した。
週明け8日(月)の東京株式市場は反発。前週急落の反動でリバウンド狙いの買いが流入した。前週末に発表された3月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数の伸びが事前予想を上回ったが、平均時給の伸びが鈍化し予想と合致。これを受け米国株市場は市場センチメントが改善して反発し、東京市場もこの流れを引き継いだ。9日(火)も上昇。日経平均は3万9700円台まで上値を伸ばした。前日の米株市場が高安まちまちで方向感に欠け、前場は模様眺めムードだったが、後場に入ると売り物薄のなか次第高となった。10日(水)は反落。この日夜の米CPI発表を控え様子見の地合いに。注目されたCPIの結果は事前予想を上回る強い内容だった。米長期金利は急上昇し、この日の米株市場は大きく下値を探る展開となった。これを引き継いで11日(木)の東京市場も総じて売り優勢に。日経平均は一時500円を超える下げで3万9000円近辺まで売られた。一方、外国為替市場では1ドル=153円台まで円安が進行。これを受け輸出ハイテクセクターの一角には買いが入り、相場全体を下支えした。日経平均は大引けにかけて下げ渋った。12日(金)は反発。前日の米株高の流れを受けて主力の半導体関連株が買われたほか、新たな長期経営方針を発表し大幅高となった三井不動産 <8801> [東証P]を筆頭に不動産セクターの上昇も目立った。日経平均は再び3万9700円台まで水準を切り上げたが、買い一巡後は週末要因もあって上げ幅を縮めた。
■来週のポイント
来週は米国が決算シーズンに入る。ここ半導体関連株が相場を牽引するなか、TSMC
重要イベントとしては、国内では15日朝に発表される2月機械受注、19日朝に発表される3月と2023年度の全国消費者物価指数が注目される。海外では、15日に発表される米国3月小売売上高、16日に発表される中国3月の鉱工業生産指数と小売売上高、中国1-3月期GDP、米国3月の住宅着工件数と鉱工業生産指数、18日発表の米国3月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(4月8日~4月12日)
【↑】 4月 8日(月)―― 反発、米株高を受けリスク選好の買い優勢
日経平均 39347.04( +354.96) 売買高15億6579万株 売買代金 4兆0633億円
【↑】 4月 9日(火)―― 続急伸、円安を受けハイテク株中心に買い優勢
日経平均 39773.13( +426.09) 売買高15億5143万株 売買代金 3兆9596億円
【↓】 4月10日(水)―― 3日ぶり反落、米CPIを控え持ち高調整の売り優勢
日経平均 39581.81( -191.32) 売買高14億6306万株 売買代金 3兆8033億円
【↓】 4月11日(木)―― 続落、米株安を受け急落も売り一巡後は下げ渋る
日経平均 39442.63( -139.18) 売買高16億0735万株 売買代金 4兆1293億円
【↑】 4月12日(金)―― 3日ぶり反発、半導体関連中心に買い優勢
日経平均 39523.55( +80.92) 売買高16億3518万株 売買代金 4兆5786億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、28業種が値上がり
(2)非鉄市況高騰追い風にフジクラ <5803> など非鉄株が上昇率トップ
(3)資源株は非鉄のほかINPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油も大きく買われた
(4)トヨタ <7203> など自動車、東エレク <8035> など電機、ディスコ <6146> など機械といった輸出株が高い
(5)内需株は三井不 <8801> など不動産が大幅高、三菱倉 <9301> など倉庫・運輸やキユーピー <2809> など食料品もしっかり
(6)野村 <8604> など証券、みずほFG <8411> など銀行、オリックス <8591> などその他金融といった金融株も堅調
(7)値下がり率トップはファストリ <9983> など小売
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(2) 半導体
2(3) データセンター
3(4) 人工知能
4(12) 水素 ── 国策テーマとして関心続く
5(5) 生成AI
※カッコは前週の順位
株探ニュース
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