―「半導体製造装置」「再生エネ」「EV」「アフターコロナ」に妙味膨らむ―
2021年の株式市場は7月から後半戦に突入した。2月には日経平均株価が30年半ぶりに3万円台を回復したが、その後は高値波乱状態。足もとでは2万7000円台へと調整している。米国のテーパリング(量的緩和縮小)に向けての警戒感や新型コロナウイルスの感染再拡大懸念が、相場の警戒要因となっている。しかし、新型コロナワクチン接種の効果による経済回復が期待でき、世界景気は成長基調をたどるとの期待は強い。年後半相場の牽引役を果たすのは、 「半導体製造装置」「再生可能エネルギー」「電気自動車(EV)」 「アフターコロナ」の主力4テーマだ。そこで各テーマのポイントと注目3銘柄を紹介する。第4回は「アフターコロナ」を取り上げる。
(4)【アフターコロナ】
ワクチン接種加速で経済正常化へ期待高まる
今年に入り新型コロナワクチンの接種加速を背景に、世界の株式市場ではアフターコロナへの期待が高まった。ここにきてデルタ株による感染再拡大が警戒される状況にあるが、ワクチン接種が進んでいる国では感染者数の増加に比べ、重症者数は抑制傾向にある。政府は今秋までに希望する全ての人への接種を完了させる方針を掲げており、経済正常化への期待が膨らむなか年後半は再度アフターコロナを見据えた物色機運が高まりそうだ。
●サンマルクホールディングス <3395> ~業績急回復で株価は大底離脱へ
コーヒー店「サンマルクカフェ」をはじめ、レストラン「サンマルク」「鎌倉パスタ」などを全国展開する飲食チェーン。21年3月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、06年の持ち株会社移行後で初となる最終赤字に転落したものの、続く今3月期は業績が急回復の見通しにある。配当利回りは2%台後半だが、PBRは1倍割れ水準と指標面からの割安感は強い。株価は、15年以降の長期下落トレンドに終止符を打ち、大底圏離脱の動きをみせる。
●フィンテック グローバル <8789> [東証2]~今期最終黒字に転換
財務助言や資金アレンジなど投資銀行業務のほか、傘下で「ムーミン」の テーマパーク運営を手掛ける。テーマパーク事業はコロナ禍による逆風が続いているが、4月に運営子会社が松屋 <8237> などを引受先とする第三者割当増資を実施しており、財務面での不安はない。足もと21年9月期中間期は主力の投資銀行業務が好調だったことから、増収・最終黒字転換で着地。通期見通しも売上高は前期比3割増の90億円、最終損益は2億5000万円の黒字浮上を見込む。
●SKIYAKI <3995> [東証M]~エンタメ業界の回復追い風に
音楽アーティストなどのファンクラブ運用やチケット・グッズ販売などを手掛ける。コロナ禍にあってもファンクラブサービスは堅調で、グッズのEC販売も好調。5月に業績不振が続くライブ制作子会社を連結から除外し、業績の下押しリスクは後退している。今後、エンターテインメント業界が回復に向かうなか、同社の収益環境に対する追い風は強まっていくと予想される。22年1月期の業績予想は小幅増収、最終黒字転換の見通し。
株探ニュース
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