11日の米国市場はまちまち。ダウ平均は46.97ドル高(+0.12%)の38769.66ドル、ナスダックは65.84ポイント安(-0.41%)の16019.27、S&P500は5.75ポイント安(-0.11%)の5117.94で取引を終了した。重要インフレ指標の発表を控えた長期金利の上昇を嫌気し、寄り付き後、下落。その後、ソフトランディング期待を受けた買いにダウは持ち直し、終盤にかけプラス圏を回復し相場を支えた。一方、ナスダックは金利高や半導体セクターの利益確定売りが継続し上値が抑制されプラス圏を回復できず、まちまちで終了。
ナスダック下落や半導体最大手エヌビディア株の弱い動きなどを受けて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。日経平均は38271.38円まで下げ幅を拡大する場面が見られたものの、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>など半導体株の一角が切り返したことや、日経平均構成ウェートトップのファーストリテ<9983>も切り返したことで、下げ渋る動きが見られた。
日経平均採用銘柄では、三井物産<8031>、丸紅<8002>、伊藤忠<8001>など商社株の下げが目立ったほか、東エレク<8035>、ルネサスエレクトロニクス<6723>が下落。また、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>など銀行株や、T&Dホールディングス<8795>、SOMPOホールディングス<8630>など損保株も売られた。
一方、アドバンテスト、レーザーテックのほか、スクリーンHD<7735>、SUMCO<3436>も切り返すなど半導体株の一角が底堅い動きを見せたほか、ダイキン<6367>、キッコーマン<2801>、シャープ<6753>がしっかり。また、「ゴジラ-1.0」が米アカデミー視覚効果賞を受賞したことで東宝<9602>が買われた。
セクターでは、卸売業、銀行業、保険業、電気・ガス業、鉱業などが下落した一方、パルプ・紙の1セクターのみ上昇した。
午前に開催された参議院財政金融委員会にて、植田和男日銀総裁が「個人消費は価格上昇幅が大きかった食料品など非耐久財への消費に弱めの動きがうかがわれる」と発言したことで、3月の日本銀行による金融政策決定会合での「金融政策の正常化」に踏み出すといった思惑がやや後退。為替は1ドル147円30銭台と寄付き時点との比較では、60銭ほど円安ドル高に振れている。先週末辺りからやや強まっていた日経平均の下値模索懸念は、いったん25日移動平均線(38506円)に到達したことで達成感も意識されたようだ。後場の日経平均は25日移動平均線水準でのもみ合いとなろう。
<AK>
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