■今週の相場ポイント
1.日経平均は4週ぶり反落、大発会に一時700円安
2.米ハイテク株安が重荷、半導体関連株に売り
3.元日に能登地震が発生、影響懸念した売りも
4.建設関連株に物色、復旧・復興需要への思惑で
5.米雇用統計控え様子見、連休前の持ち高調整も
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比86円(0.3%)安の3万3377円と、4週ぶりに下落した。
今週は年末年始の休場を経て木曜が大発会となったため、立ち合いは2日間のみとなった。米ハイテク株安と元日の能登半島地震という2つの懸念材料に見舞われ、新年早々波乱の幕開けに。日経平均は大発会に一時急落するなど荒い値動きをみせた。
年明け最初の取引となった4日(木)の東京株式市場はリスク回避ムードが高まり、日経平均は一時700円以上下落した。一足早く今年の取引を始めていた米国株市場でハイテク株安の流れが強まり、これを受け大発会の東京市場も半導体関連株を中心に売りが加速。元日に発生した能登半島地震の影響を懸念した売りも下げを助長した。しかし、その後は急速な戻り足に。今月から新NISAがスタートしたことに伴い、新たな個人投資家層の買いへの期待感が相場を支えた。日経平均は結局、前営業日比175円安で取引を終えた。個別では能登半島地震からの復旧・復興需要への思惑から建設株やその周辺の銘柄が物色された。5日(金)は反発。前日に発表された米ADP雇用統計が堅調な内容だったことで早期の利下げ期待が後退し、米長期金利が上昇。為替市場でドル高・円安が進み、これが輸出関連株に追い風となって全体相場を押し上げた。日経平均は一時200円を超える上昇となったが、買い一巡後は後場にかけて上げ幅を縮小。この日夜に米雇用統計の発表を控えていたほか、東京市場は成人の日を含む3連休前ということもあり投資家の様子見姿勢が強まった。日経平均は前日比89円高で大引けを迎えた。
■来週のポイント
来週から1月相場が本格スタートする。新NISA開始による個人資金流入によって日本株市場は堅調に推移することが期待されている。ただ、昨年同様に米金利や為替の動向に左右される展開も想定される。昨晩発表された米雇用統計や11日発表の米国12月消費者物価指数(CPI)など、米景気指標に十分な注意を払う必要がある。
重要イベントとしては、国内では1月11日に発表される11月景気動向指数、12日のオプションSQ算出が注目される。海外では前述の米国12月CPI、12日に発表される中国12月の貿易収支と消費者物価指数および生産者物価指数、13日の台湾総統選投開票に注視が必要だろう。
■日々の動き(1月4日~1月5日)
【↓】 1月 4日(木)―― 3日続落、欧米株安も売り一巡後は下げ渋る
日経平均 33288.29( -175.88) 売買高16億7612万株 売買代金 4兆1136億円
【↑】 1月 5日(金)―― 4日ぶり反発、円安進行で輸出関連が買われる
日経平均 33377.42( +89.13) 売買高16億3981万株 売買代金 3兆9358億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、27業種が値上がり
(2)海上運賃上昇思惑で郵船 <9101> など海運が上昇率断トツ
(3)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行、オリックス <8591> などその他金融といった金融株が高い
(4)輸出株はトヨタ <7203> など自動車が買われたがHOYA <7741> など精密機器は値下がり率トップ、レーザーテク <6920> など電機も安い
(5)内需株は三菱倉 <9301> など倉庫・運輸、大成建 <1801> など建設、菱地所 <8802> など不動産の上昇率が大きい
(6)ENEOS <5020> など石油、INPEX <1605> など鉱業、三菱商 <8058> など大手商社といった資源株も高い
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) 半導体
2(88) 防災 ── 令和6年能登半島地震発生で関心度も急上昇
3(223) 復興
4(2) 円高メリット
5(3) 半導体製造装置
※カッコは前週の順位
株探ニュース
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