サンワテクノス<8137>は株主還元について、配当によることを基本としている。配当方針としては、安定的かつ継続的な配当を行うことを重要視している。そうした配当方針は過去の配当実績に如実に表れており、一時の業績急拡大による大幅な増配などはないが、利益成長に応じて着実に増配を行ってきた実績がある。
2018年3月期について同社は、前期比2円増配の30円配(中間配14円、期末配16円)の配当を決定した。1株当たり利益222.65円に基づく配当性向は13.5%となる。2019年3月期については前期比4円増配の34円配(中間配17円、期末配17円)の配当予想を公表している。予想1株当たり利益196.35円に基づく配当性向は17.3%となる。前述のように2019年3月期は増収増益が予想されており、順調な業績拡大を反映して増配に踏み切ったものと考えられる。
2018年3月期と2019年3月期の配当性向が20%を下回ったことで、配当性向が低いと評する向きもあるだろうが、歴史的には同社の配当性向は基本的に10%台で推移してきた。2016年3月期と2017年3月期は純利益が減益となった結果として配当性向が20%を超えたということだ。
配当の安定性を重視するスタンスがこれまでの配当及び株主還元に現れているが、同社自身は株主還元への意識は高く、将来的には様々な方策を検討しているものと推測している。当面予定されているイベントとしては、同社が2019年11月に設立70周年を迎えることが挙げられる。
■情報セキュリティについて
顧客情報等に関し万全の対応
同社はサイバーテロなどの情報セキュリティに関しては、上場企業として高い問題意識を有している。また、技術系商社としてIT関連の高い知見を生かし、万全の対策を取っている。投資家が情報セキュリティという観点でリスクを考える場合、個人情報やクレジットカード情報の紛失・漏えいなどが中心と思われる。その観点から言えば、同社はBtoCの事業は展開していないため情報セキュリティに関するリスクは低いと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<MH>
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