パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が上院での証言で利上げペース加速の可能性などに言及したため警戒感から売りが先行。2年債利回りが2007年来の高水準に達する中、FRBの利上げを織り込む売りが継続し、終盤にかけて下げ幅を拡大した。ナスダック総合指数は-1.24%と続落。米国株安を引き継いで日経平均は71.95円安からスタート。ただ、前日から1円超も進んだ為替の円安を支援要因に早々に切り返すとプラスに転換した。一方、香港ハンセン指数の大幅下落なども重しとなる中、心理的な節目の2
8500円手前では上値が重くなった。それでも、じわじわと進む円安を追い風に後場に再び強含むと、大引け直前に28469.41円(160.25円高)とこの日の高値を付けた。
大引けの日経平均は前日比135.03円高の28444.19円となった。東証プライム市場の売買高は11億677万株、売買代金は2兆7203億円だった。セクターでは陸運、小売、不動産が上昇率上位となった。一方、鉱業、非鉄金属、石油・石炭が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の67%、対して値下がり銘柄は28%だった。
個別では、円安を追い風にマツダ<7261>、三菱自<7211>、SUBARU<7270>が上昇。オークマ<6103>、安川電機<6506>、日ぺHD<4612>などの中国関連株の一角のほか、TDK<6762>、太陽誘電<6976>、レーザーテック<6920>などハイテクの一角が堅調。JR東海<9022>、JR西日本<9021>、共立メンテ<9616>、パンパシHD<7532>、マツキヨココカラ<3088>、高島屋<8233>、三越伊勢丹HD<3099>などのインバウンド関連は全般強い動き。米中古車価格指数が前月比で上昇したことを手掛かりにIDOM<7599>、ネクステージ<3186>も高い。タクマ<6013>はレーティング格上げ、NTN<6472>は目標株価引き上げが好感されて大きく上昇。鳥貴族<3193>は既存店売上動向が好感された。
一方、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>、住友鉱山<5713>、共英製鋼<5440>、東京製綱<5981>、阪和興業<8078>など資源関連・景気敏感株が下落。マネーフォワード<3994>、ギフティ<4449>、メドレー<4480>などのグロース(成長)株も軟調。日産自<7201>はS&Pグローバル・レーティングが同社の長期発行体格付けを投機的水準に引き下げたことが嫌気された。ファーマフーズ<2929>は堅調な決算もサプライズに乏しく利益確定売りが膨らんで急落。
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