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2023/02/22 - イトーキ(7972) の関連ニュース。 本日のサマリー森谷仁昭氏:株式会社イトーキ管理本部長の森谷でございます。本日はお忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございます。最初に私から、2022年12月期の業績についてご報告します。

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イトーキ、各種構造改革が奏功し利益率が大幅に改善、当期純利益も過去最高益 マーケットの好調も追い風に

投稿:2023/02/22 15:00

本日のサマリー

森谷仁昭氏:株式会社イトーキ管理本部長の森谷でございます。本日はお忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございます。最初に私から、2022年12月期の業績についてご報告します。

主な経営指標の推移

スライドのグラフでは、売上高と利益面が大きくV字回復していることを示しています。売上高は、収益性を最重視することで若干影響が出ると想定していましたが、マーケットの好調にも支えられ、増収となりました。

営業利益・営業利益率は、良いものを適正な対価で提供することを徹底した結果、急回復しています。その結果、ROEも大きく改善してきています。

連結損益計算書サマリー

業績についてです。増収と利益率の改善に加え、特別利益の計上も寄与し、当期純利益は過去最高益を更新しました。売上高は1,233億円で前年比6.4パーセントの増収、営業利益は45億円で前年比79パーセントの増益です。営業利益率は3.7パーセントまで改善しています。

特別利益は、資産の効率化のため大きく計上しました。一方、今回は前向きな減損を計上しています。税金控除後の当期純利益は52億円で、前年比353.9パーセント増となり過去最高益を更新しています。

連結貸借対照表およびキャッシュ・フロー計算書サマリー

財政状態とキャッシュ・フローです。総資産は、現預金の増加により増加しています。流動資産は、一時的に132億円ほど増加しています。構造改革で資産の効率化を図っており、売却益も加えて現金が大きく増えたためです。

一方で、固定資産はシステム資産も含め思い切って圧縮したため、若干減少しています。株主資本は、増収増益により48億円増加しました。

キャッシュ・フローでは、営業利益で58億円のキャッシュを獲得しています。また、今回は不動産の売却等で益を上げるなど投資活動においても増加し、フリーキャッシュ・フローの合計は107億円と大きく確保できました。結果、資金残高は95億円増加し254億円と、十分保有できています。

セグメント別の損益状況

セグメント別では、主要セグメントでは増収で、利益面もすべてのセグメントで大幅増益でした。

主力事業のワークプレイスは増収増益で、設備機器・パブリックも子会社の貢献も含め増収で、大幅増益となっています。

IT・シェアリングは、シェア的には小さい分野です。清算したグローバルツリーハウスの売上分が減少したものの、結果的に利益が大きく改善し黒字化しています。

営業利益の増減要因(前年度からの分析)

営業利益の増減要因です。売上高の増加に伴う効果の26億円は、売上高が増加し、売上総利益は前年並みと仮定した場合の算定値です。実際には、売上総利益率が大きく改善した効果で14億円増益しています。

販管費は、計画的に戦略的な支出をしており23億円減らしています。一方で、これまで大きな課題だった物流費は今回大きく改善して、3億円の増収効果を生んでいます。差し引きで前年比20億円の増益となりました。

構造改革プロジェクトの取り組み

構造改革は、営業改革、生産・供給改革、資産の効率化の3本柱で進めています。いずれも極めて順調に成果を出しており、営業利益の向上や特別利益の計上に反映されています。

株主還元(2022年12月期 配当)

今回の業績を踏まえ、株主還元を強化します。普通配当は2円増配の17円、さらに特別配当の20円も加え、合計37円の配当としています。配当性向は31.6パーセントです。なお、2023年12月期は普通配当で25円への増配を予想しており、おかげさまで好調に推移しています。

続いて社長から、今後の展開についてご説明します。

2023年12月期業績予想及び今後の展開

湊宏司氏:本日は本当にお忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございます。社長の湊でございます。2023年度の業績予想、および今後の取り組みや展開についてお話しします。

2023年12月期 業績予想

2023年度は増収増益の業績予想です。売上高は、昨年度1,233億円でしたが、今年度は1,300億円を見込んでいます。昨年度はおよそ6パーセント増でしたが、今年度は前年比5.4パーセント増の予想です。

営業利益は、昨年度の45億円から今年度は65億円で、42パーセント増の予想です。その結果、営業利益率は昨年度の3.7パーセントから5パーセントになる見込みです。

今年度が3年目の締めくくりとなる中期経営計画「RISE ITOKI 2023」では、売上高は1,330億円、営業利益は60億円が目標値でした。今回の予想との差額は、売上高はマイナス30億円、営業利益はプラス5億円です。

もともとイトーキは売上に強くこだわるようなところがありました。その結果、2019年、2020年と純利益が赤字になる悪循環に陥っていました。

2022年3月から私が社長に就任して、とにかく一番力を入れたのが、営業利益の改善です。営業利益の目標を65億円に上げ、売上高をやや下げた背景には「これからは営業利益にこだわっていく」というメッセージも含まれています。

セグメントの状況(ワークプレイス事業)

2つのセグメントについてお話しします。今年度のワークプレイス事業は絶好調、設備機器・パブリック事業は昨年度と大きな差はないイメージです。

ワークプレイス事業は、特に首都圏、あるいは九州(福岡・熊本)、大阪で堅調と予測しています。新築のオフィスの供給量がかなり増え、新規需要が大きく見込まれる状態です。

当社は価値提案に重きを置く方針で、オフィス1.0、2.0、3.0というお話をよくメディアで発信しています。かなりITに近い世界でもあります。当社の基本ビジネスはオフィス家具の販売ですが、家具を売っているだけでは付加価値をつけることがなかなか難しいため、結果的に価格競争になります。

価格競争になると、どうしても営業利益を棄損しながら安売りしてしまうため、トップラインは達成できても利益が少ない構図に陥ります。このため、オフィス2.0で付加価値提案をしていくのが理想的なシナリオと考えています。

イトーキでは、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の導入をご支援する「ABWコンサルティング」をご提供しています。 まずお客さまのところに入り、働き方や「働くとはどのようなことなのか」をディスカッションします。

当社には、120名のインテリアデザイナー(空間デザイナー)がいます。お客さまとの間で決めた新しいワークスタイルを実装するため、オフィスのレイアウトはどうあるべきかを考えながら、インテリアデザイナーがレイアウトをデザインしています。

その後、内装工事を担当する子会社が、実際に決めたレイアウトに基づき、竣工から内装工事まで行います。この過程において、当社のオフィス家具をスペックインとするのが理想的なモデルです。

この付加価値提案において、働き方のコンサルティングからレイアウトまでさまざまなものをご提供しながら、きちんとマネタイズしていく取り組みを行っています。その中で、具体的には案件サイズを大きくする、案件そのものの数を増やす、勝率が高くなる上流のところにフォーカスするなど、現在はとにかく、上流の工程でソリューション提案していくということを進めています。

セグメントの状況(ワークプレイス事業)

少し興味深い数字をお知らせします。スライド左側に記載しているのは、当社単体における商談種別売上構成の推移です。大きく2つに分けて、下の薄い青が新築・移転案件、上の濃い青がリニューアル案件です。

新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年からの3年間で、リニューアル案件が大きく増えています。その状況が落ち着き、社員がオフィスに戻ってきた今、経営者がオフィスのあり方を真剣に考えるトレンドが起きています。

以前は、総務部長などの役職の方から「オフィスは何平米のスペースがあり、社員は何人いて、予算はこれくらいです。これで家具を見繕ってください」とご相談いただくことが通例でした。

業界用語では「島型対向式」と言って、ほとんどのオフィスのレイアウトは、役職者の席があり、その前に社員が並ぶ「島」があるのが一般的でした。基本的にはそのご要望からコストにあわせて決める流れが、過去のパターンでした。

しかし、現在は魅力的なオフィスを作らなければ、社員が出社しない状況に変化しています。新しい働き方とはどうあるべきかを考え、よいオフィスを作り、人材を引き付けて留め、イノベーションを生み出す、そのようなオフィス作りを経営者が真剣に考えているというのが大きなトレンドです。

とは言え、出社する社員数は減っているため、これからは在宅勤務も含めたハイブリッドになります。「在宅が増えた今、オフィスは今後どうなるのか」とよく聞かれますが、おそらく二項対立にはならないと考えています。

魅力的なオフィス作りというトレンドにおいては、オフィスに来る人数は減っており、必要なスペースも縮小しているため、今までは10階分借りていたけれど、7階分でよいということになります。これを30パーセントのコスト削減とするのではなく、浮いた30パーセントでオフィスをデザインしたり、機能的でデザイン性の高い家具を買ったりと、付加価値を付けることが大きなトレンドになっています。

新築のビルに入居するのみに限らず、現オフィスの中身をリニューアルする案件も増えています。こちらは今年度も引き続き堅調です。

新規案件については、2022年は新規のオフィスの供給量が著しく少なかったと言われています。2023年はその反動もあり、首都圏や大阪では大きく増えると言われています。その案件分が、昨年の実績に対して上乗せされると見ています。

先ほど、ワークプレイス事業は絶好調とお伝えしました。スライド右側のグラフでは、家具売りからサービスの付加価値のほうに徐々にシフトしていることを表しています。

まだあまり大きくはないのですが、5年間でオフィス商品の比率が徐々に右肩下がりになっている傾向にあります。まだ2パーセントしか変わっていませんが、比率としてはさらに小さくなっていくと考えています。

反対に、価値のあるサービス系が上がっていく大きなトレンドを感じています。サービス系というのは、先ほどお話しした「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」のような働き方のコンサルティングや、インテリアデザイナーがレイアウトをお客さまに提案し、マネタイズしていくことです。今後はより付加価値の高い商品に移行していくと想定しています。

セグメントの状況(設備機器・パブリック事業)

設備機器・パブリック事業についてです。こちらは昨年度に対し、プラスマイナスゼロと予想しています。三角があるためマイナスに見えますが、ほぼ変わりません。昨年度上期には20億円を超える大型案件がありましたが、今年度はそのような大型案件はないため、このような予想になっています。

しかし、パイプラインを見ますと、中型規模の案件は昨年と同じくらいの数となっています。これを確実に仕留めていくことが必須になると思っています。

この中のトレンドという意味では、物流が重要です。我々はSAS(サス)と呼んでいますが、倉庫でものを運ぶためのコンベアやコンテナのような自動仕分け機があります。

最近は、倉庫だけではなく工場などでもたくさん部品が入っており、いわゆる半製品を出荷しているところが増えています。そのような場所でも取り扱われるようになり、自動仕分け機は大きな引き合いがあります。

若干ネガティブな話になるかもしれませんが、SASを含めた案件は下期に集中しているため、上期は弱含みです。下期にこれらを着実に仕留めていくことが重要だと考えています。

今後の展開

今後の重点的な取り組みについてお話しします。当社のマテリアリティについて、重要テーマにきちんとリンクするかたちで、さまざまな取り組みに力を入れているところです。

今後の展開①

先ほどオフィス2.0についてお話ししました。我々は現在、オフィス3.0を目指して進んでいます。

目指すのは、「(オフィス家具+デジタル家具)÷2」のような世界です。スライド左側の画像は「サウンドパラソル」という商品です。2022年の秋に発表し、すでにいろいろな引き合いをいただいています。この商品は指向性スピーカー・カメラ及びYAMAHAさまの特徴あるマイクを家具と一体として、弊社で開発したプロダクトです。

また、NTTコミュニケーションズさまが提供する、オンラインワークスペース「NeWork」を搭載した「オフィスサーフ」というプロダクトも同時期に発表しました。

働き方が変わっていく中で、固定席がなくなりフリーアドレスにする会社が増えました。会議室も大型のものがなくなり、4人から6人用などの小さい会議室が増えています。

みなさまもご経験があるのではないかと思いますが、出社していながらも「Zoom」や「Microsoft Teams」などを使って会議に出る場面があります。しかし、会議室の規模が小さかったり、人数制限により入れなかったりするため、共有スペースなどを利用して会議に出ることになります。

そこで気になるのが音です。こちら側の音が画面の向こうに聞こえるのも、向こう側の音が自分の周りに聞こえるのもよくないという時に、この「サウンドパラソル」が活躍します。

中央にはYAMAHAさまの高性能マイクが付いています。パネルにモニターが設置されてあり、画面の向こう側では「Zoom」などを使ったオンライン会議の参加者が座っていると想定してください。

向こう側にいる人は、オフィスのガヤガヤした音が聞こえるため会議に集中しづらいと思いますが、こちら側の高集音マイクは、その場にいる人がしゃべっている音を中心に拾って向こう側に伝えます。周りのガヤガヤする音は聞こえず、しゃべっている人の声だけが聞こえるのです。また、キリンの首のように長くなっているスピーカー部分は、そこに座っている人に音を届け、対象ではない、周辺にいる人には聞こえにくい状態をつくります。

マイクやスピーカーが機器の中に組み込まれたような、「(オフィス家具+デジタル家具)÷2」のような商品は今後ますます増えていきます。

先ほどオフィス商品についてお話しました。それらの中でも、オーディオビジュアルやICT機器の比率は年を追うごとに増えています。売上対比で見ても、この5年間でプラス43パーセントとなっています。

最近は、オフィスで使用するモニターも大型化しています。共有スペースに大きなモニターを置き、会社のメッセージなどを発信していることもあります。このようなモニターなども我々は取り扱っており、その比率は年々増加している状態です。

働き方やオフィスのあり方という観点で、「有線を多用するとオフィスが美しくない」「とは言え、座る場所は有線やコネクタがあるところに限られてしまう」「だったら無線で飛ばすか」など、検討すべきポイントがあります。

このような働き方や、オフィスのレイアウトなどの構成要素と密にリンクした提案を、我々は実施しています。

2023年1月1日から、商品開発本部を「スマートオフィス商品開発本部」という名称に変更しました。引き続き、従来型の家具を開発していくとともに、そこにデジタルの要素を加えたプロダクトも研究開発していきます。

2022年12月31日までソニーでオーディオビジュアルの研究開発のトップを担っていた長尾和芳さんに、スマートオフィス商品開発本部長として牽引していただいています。

今後の展開②

私はもともとオラクルに在籍していたため、ITをバックグラウンドかつ強みとしています。「オフィス×データ」とは、要は「オフィスにITの要素をどんどん入れていきましょう」ということです。

スライド右側に、デジタル空間であるメタバースとあります。我々は企業と組んでいろいろな実験を行っており、オフィスを舞台にすることもあるのですが、一番手っ取り早いのは学校での実験です。いわゆる「デジタルネイティブ」と呼ばれる若年層の方々は、ITリテラシーが高いためです。まず学校で実験して、それを実際にオフィスに持ってくるような取り組みをしています。

静岡聖光学院さまとの実証実験プロジェクトは、教育現場の環境変化に対応し、知見を蓄積していくプロジェクトで、文部科学省の「次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業」に正式に認定されたものです。

右側の写真をご覧いただくと、静岡聖光学院さまとまったく同じ見た目の教室を、デジタル空間上に構築しています。車が見えていると思いますが、例えばデジタル空間上にデジタルツインの車を置いて、リアウイングの角度を高めることでどれだけ空気の抵抗が増えるのか、その結果スピードがどうなるのかなどを、メタバース上で実験しているのです。

クラス内でだいたい5つのグループに分かれて、それぞれが研究結果を発表するという取り組みです。実際には生徒がヘッドマウントセットを被って、このメタバース上にアバターが現れる仕組みです。

学校の教室でできるのであれば、当然、オフィス空間においても可能です。教室とオフィスとでは、サイズの要因もあり、IT技術としては解決しなければいけない制限はまだまだあるものの、そのような最先端の取り組みを行っています。

スライド左側は、「Google Cloud」とパートナーシップを組んで一緒に行っている「オフィスA/BI」というものです。動画をご覧ください。

先ほどお話ししたように、我々の強みの1つはレイアウトです。120名のオフィスデザイナーが、年間約5,000枚のレイアウトをお客さまにご提案しています。このレイアウトの図面を「Google Cloud」の人工知能の中に入れると、例えば「共有スペースはここ」「個室はここ」「2人用の会議室はここ」などを学習していきます。

このプラットフォームに、例えば生産性のデータや社員のモチベーション、エンゲージメントのデータなどを入れることによって、どのようなレイアウトが生産性やエンゲージメント向上に寄与するのかを検討できるツールです。

オフィス環境については、お客さまもいろいろな側面でケアされています。例えば、オフィス内の間仕切りを取ることによってどのくらい光熱費が下がるのか、CO2濃度を計ることで何人いるのかを把握するなどのデータをプラットフォームに入れることで、レイアウトと、それらのような「何か」との関係性を導き出していく取り組みです。

多くの場合、オフィス環境の検討は「ここに共有スペースを作るとしたら、おそらく10個ぐらい椅子を置いておけばよいのでは」などと進みますが、「本当に10個でよかったのか?」というのは誰も検証しません。

ですので、椅子にセンサーを付けて実際の使用率を計ることで、「本当は6個でよかった」あるいは「もっと必要だった」ということや、隣の会議室から椅子がどのくらい移動されているかを見ることで「本来なら4人ではなく6人用の会議室のほうがよかった」など、提案するのはすべて仮説ですが、そのような具体的なご提案につなげようとしています。

今後の展開③

ESGのEに当たる部分、エンバイロメントについてです。サステナブルなビジネスモデルの開発について、3つの事例をご紹介します。

まず、海外への中古オフィス家具寄付・リユースビジネスモデルに取り組んでいます。こちらはNX商事さまとともに実施しているものです。これまで使っていた家具を使わなくなった時に、それを当社が所有元と合意の上で老朽度判定を実施し、残念ながら寄付先で使用できないものはやむを得ず廃棄対象としますが、まだ使えるものを、要望のある開発途上国にお送りします。

2022年12月15日に富士通さまからプレスリリースが出た件で、富士通さまのオフィスから出た家具を当社が全品チェックして、まだ使えるものをカンボジアに送る取り組みを実施しました。カンボジアには木や籐でできている家具が多く、スチール製があまりないため大変喜ばれている取り組みです。

今後の展開④

サステナブルな商品開発についてです。スライド左側は、コーヒー豆のかすを活用した素材開発について示しています。エコ素材はいくつもありますが、その中でもコーヒー豆のかすなどの自然由来の素材を使って、いろいろな家具ができないかと取り組んでいます。

こちらもすでにプレスリリースしていますが、三重大学さまとの共同研究を実施しています。三重大学さまの素材研究と当社技術で、コーヒー豆のかすをベースに石油系樹脂を使わず、天然系素材のみを用いて成形したプレートを使った天板や、床に貼る板などを作ることが可能な状況になっています。

右側は、廃材を使ったノベルティの制作です。椅子を作っている工場には背もたれや座面の生地がたくさんあるのですが、生地を切り抜いたあとはだいたい廃棄物になってしまいます。

椅子を縫製するプロの縫製師が、このような廃材になる生地を使ってポーチを作り、普段椅子に付けているタグも付与して、工場見学に来ていただいた方へのノベルティとしてお渡しする取り組みも行っています。

今後の展開⑤

「人財面に注力」についてもお話しします。スライド左側は、人的資本への注力についてです。私が社長に就任した昨年度、大きく3つのKPIについてお話ししました。1つ目は売上高、2つ目は営業利益、3つ目は社員満足度を上げることに力を入れています。

もともと56パーセントと必ずしも高くない数値でしたが、今は63パーセントに上がっています。まだまだ発展途上ですが、このようなことをきちんと行っています。特に社員一人ひとりに焦点を当てて目立たせる取り組みをしており、研修数はこの1年間で2.5倍、教育訓練費は約2倍に増えています。

右側は女性活躍推進についてです。「SPLi(サプリ)」というコミュニティを作っており、約80名の女性社員が参加して、女性のリーダーシップ開発支援に取り組んでいます。

当社は社員の約3分の1が女性社員で、2021年の女性マネージャー比率は8パーセント、2023年は10パーセントです。こちらも発展途上ですが、引き続き注力していきます。

今年は当社の歴史上初めて、女性の執行役員が誕生しています。いずれにしても、より女性が活躍できる職場になるよう力を入れていきたいと思います。

持続的な利益成長を目指す

今年度は中期経営計画「RISE ITOKI 2023」の最終年ということで、冒頭お話ししたように、売上高1,300億円、営業利益65億円を必達目標として仕留めていきます。

今年度は当然、2026年が締めとなる新中計に向けて検討していきます。こちらについては別途発表しますが、いずれにしても売上高と営業利益、特に営業利益率を増加させていくことを念頭に置いて邁進していきます。これからも温かいご支援のほど、よろしくお願いします。本日はありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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