東証1部の騰落銘柄は値上がり、値下がり数が拮抗。セクターではパルプ紙、非鉄金属、鉄鋼、鉱業、その他製品、その他金融、石油石炭、海運、不動産が堅調。半面、陸運、ゴム製品、医薬品、小売、サービス、情報通信、倉庫運輸が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、TDK<6762>、ファナック<6954>、第一三共<4568>、ネクソン<3659>が堅調。一方でヤマハ<7951>、リクルートHD<6098>、エムスリー<2413>、中外薬<4519>、東エレク<8035>が冴えない。
バリュー株物色の流れとみられるが、東証1部の騰落銘柄をみても値上がり、値下がり数が拮抗している状況であり、シフトというよりは年末にかけては市場参加者が限られるなかにおいて、薄商いのなかでのリバランスといった範囲にとどまっており、大きく物色対象が変化しているとまではいかないだろう。個人主体の売買は中小型株中心となっているが、IPOが順調であり、ローランド<7944>は公開価格を下回ったが、予想されていたほか、売り一巡後は急速に下げ幅を縮めており、需給状況は良好であろう。
一方で今期一転赤字に修正したモダリス<4883>、国内の承認申請の遅延を発表したサンバイオ<4592>がストップ安になるなど、バイオの一角がセンチメントを悪化させている。特にモダリスは黒字計画で8月に上場し4か月後に赤字修正となるなど、相当投資家の信頼を裏切る形になっており、他のバイオ株への売りにも波及しやすく、先行きの需給影響が警戒されやすいところである。
なお、明日はIPOが5社予定されており、IPO銘柄に資金が集中することになりそうだ。利確資金の行方が注目されるが、足元で調整している時価総額上位銘柄へのリバウンド狙いなどに向かいやすいとみられる一方で、多くのIPO銘柄の中での回転売買にもなりそうである。
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