日経平均は続伸、買い一巡後は中国市場にらみで上げ幅縮小
9日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は431.63ドル高の42512.00ドル、ナスダックは108.70ポイント高の18291.62で取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)の速やかな利下げ期待の後退で、寄り付き後、下落。しかし、押し目からは、中国政府の景気底入れを目指した財政強化策が世界経済や企業の売上回復を支援するとの期待に買われ、相場は上昇に転じた。FRBが公表した9月連邦公開市場委員会(FOMC)
議事録で全参加者が利下げ継続で合意したことが明らかになり、終盤にかけて相場は上げ幅を拡大。ダウは過去最高値を更新し終了した。
米国株の強い動きを受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始した。日経平均は3
9600円台まで上昇した後は、乱高下する中国株式市場を見極めたいとするムードが強まり上げ一服。今晩の米9月消費者物価指数(CPI)発表も意識されて、上値の重い展開となった。前場のプライム市場の売買代金は1.7兆円に留まっており、様子見姿勢の強い地合いとなっている。
日経平均採用銘柄では、為替が1ドル149円台に乗せていることなどから、スズキ<
7269>、SUBARU<7270>、ホンダ<7267>、日産自<7201>、マツダ<7261>など自動車関連銘柄の一角が買われたほか、J.フロント リテイリング<3086>はポジティブな証券会社のレポートが材料視されて上昇。このほか、ソフトバンクG<9984>、ニコン<7731>、リコー<7752>、クボタ<6326>などが買われた。
一方、24年3-8月期純利益が前年同期比76%減と発表したイオン<8267>は大幅安となったほか、資生堂<4911>、ファナック<6954>など中国関連銘柄の一角もさえない。また、川崎重<7012>、三菱重<7011>、)IHI<7013>、日本製鋼所<5631>など防衛関連銘柄も弱い。このほか、TOPPANホールディングス<7911>、フジクラ<5803>、NEC
<6701>、中外製薬<4519>などが売られた。
業種別では、ゴム製品、銀行業、輸送用機器、保険業、医薬品などが上昇した一方、小売業、その他製品、繊維製品、サービス業、金属製品などが下落した。
ランチタイムの中国市場は、香港ハンセン指数が上昇している一方、上海総合指数が下落とまちまち。為替の円安基調も一服していることなどから、後場の東京市場は前日同様、中国市場にらみの様子見ムードが強い地合いとなりそうだ。日経平均は前日比マイナス圏入りする可能性はあるが、目立った売り材料にも乏しいことから下げ足を強めるような弱い展開は回避されよう。
<AK>
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