東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1600を超え、全体の9割を占めた。セクター別では、ゴム製品とパルプ紙の2業種を除く31業種が下落し、銀行、海運、保険、証券商品先物の下落が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、凸版印<7911>、大日印<7912>、積水ハウス<1928>、キヤノン<7751>がしっかりだった半面、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、7&iHD<3382>が軟調だった。
前日の米国市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース再加速への警戒が強まるなか、商業銀行のSVBファイナンシャル・グループが、増資とポートフォリオの売却可能有価証券を実質的に全て売却したことを発表し60%を超える急落。暗号資産(仮想通貨)を扱うシルバ―ゲート・キャピタルは暗号資産業界の苦境で経営難となり、事業閉鎖を発表し40%を超える下落となるなか、大手銀を含む金融株全般に売りが広がった。この流れを引き継ぎ、東京市場も金融株の弱い値動きが目立った。
日経平均は前日までの5営業日で1100円超上昇したため、目先は日柄および値幅調整が必要との声が多い。また、米国のインフレ加速への警戒感が拭えないうえ、SVBファイナンシャル・グループの経営不安に端を発した金融不安の世界的な広がりへの懸念も新たに浮上している。一方、国内ではコロナ禍からの経済正常化で回復傾向にあることなどはプラス材料だ。このため、米国の不安材料を見極めながら、目先は押し目買いスタンスに徹したほうが得策と考える。
<CS>
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