■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週ぶり反落、8日続伸後に下げ
2.前週末の雇用統計受け米インフレ懸念和らぐ
3.原油高で一転インフレ再燃、株式市場は軟調に
4.FRB引き締め長期化観測、金利差意識で円安進行
5.「中国政府iPhone禁止」報道、ハイテク株に売り
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比103円(0.3%)安の3万2606円と、3週ぶりに下落した。
今週は前週までの上昇基調を引き継ぐ形で好調なスタートを切った。週半ばまで買い優勢の展開が続いたが、その後は一転売りが加速。日経平均は一時3万3000円台を回復したものの、これを維持できずに週内の取引を終えた。
週明け4日(月)の東京株式市場は買い優勢でスタート。前週からの好地合いを引き継ぎ、日経平均は上値追いを続けた。前週末に発表された8月米雇用統計は賃金インフレへの懸念を和らげる内容だった。米国株市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ懸念が一段と後退し上昇。これを受け、東京市場でも投資家心理がリスクオンに傾いた。5日(火)も日経平均は値を上げた。米株市場が前日休場で手掛かり材料難のなかも根強く買いが流入。日経平均は約1ヵ月ぶりに3万3000円台を回復した。6日(水)も幅広い銘柄が買われ、日経平均はこれで8日続伸となった。足もとで原油価格が上昇するなかインフレ懸念が再燃し、前日の欧米株市場は軟調に。ただ、FRBの金融引き締め長期化観測を背景に日米金利差の拡大が意識され円安が進行、これが輸出セクターを中心に株価を下支えした。一転、7日(木)はハイテク株中心に利食い圧力が顕在化。米国でインフレ警戒感から株安基調が続くなか、東京市場も下落を余儀なくされた。日経平均は反落し、3万3000円台を割り込んだ。8日(金)も下落。中国政府が政府機関や国有企業に対してアップル
■来週のポイント
来週は中国によるiPhone使用禁止の影響が続き、ハイテク株は上値の重い展開となるだろう。日経平均が下落した一方、TOPIXは僅かながらも3週続伸するなどバリュー株優位の相場が続いているが、この構図は来週以降さらに明確化しそうだ。
重要イベントとしては、国内では9月13日朝に発表される7-9月期法人企業景気予測調査、14日朝に発表される7月機械受注が注目される。海外では、12日に開催される米アップルのイベント「Wonderlust」、13日発表の米国8月消費者物価指数、14日に発表されるECB(欧州中央銀行)政策金利と米国8月小売売上高、15日に発表される中国8月の小売売上高と鉱工業生産、中国1-8月固定資産投資、米国8月鉱工業生産に注視が必要だ。
■日々の動き(9月4日~9月8日)
【↑】 9月 4日(月)―― 6日続伸、円安やアジア株堅調で高値引け
日経平均 32939.18( +228.56) 売買高13億3631万株 売買代金 3兆2415億円
【↑】 9月 5日(火)―― 7日続伸、先物主導で3万3000円台を回復
日経平均 33036.76( +97.58) 売買高13億4779万株 売買代金 3兆4891億円
【↑】 9月 6日(水)―― 8日続伸、欧米株安も円安進行で買い継続
日経平均 33241.02( +204.26) 売買高14億0466万株 売買代金 3兆5433億円
【↓】 9月 7日(木)―― 9日ぶり反落、欧米株安に追随し利益確定売りが優勢
日経平均 32991.08( -249.94) 売買高14億5499万株 売買代金 3兆6493億円
【↓】 9月 8日(金)―― 大幅続落、米中対立でハイテク株中心に売り優勢
日経平均 32606.84( -384.24) 売買高16億3807万株 売買代金 4兆0572億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、21業種が値上がり
(2)値上がり率トップは出光興産 <5019> など石油。資源株はINPEX <1605> など鉱業も高い
(3)内需株はまちまち。住友不 <8830> など不動産が買われ大成建 <1801> など建設もしっかりの一方、
上組 <9364> など倉庫・運輸、サイバー <4751> などサービスが安い
(4)輸出株もまちまち。ホンダ <7267> など自動車が高いが、
ハイテク株は売られトプコン <7732> など精密機器が値下がり率首位
(5)第一生命HD <8750> など保険、野村 <8604> など証券、三菱HCキャ <8593> などその他金融といった金融株は堅調
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) 人工知能
2(2) 半導体
3(5) インド
4(40) 自動車部材・部品 ── 生産回復で業績拡大局面に
5(12) 地方銀行
※カッコは前週の順位
株探ニュース
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